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第二部:王様に嫁入りした側妃ですが子供達の未来に悩んでいます
66:仲のいい三人
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ティグレの特訓が終わる頃、自分の離宮に行っていたイデアルが帰ってくる。
「兄上! お帰りなさい!」
木剣を従者に預けていたティグレがイデアルの姿に気づいて駆けていく。
相変わらずイデアルの事が好きな子だ。
「ただいま、ティグレ」
両手を広げて、イデアルの元に行ったティグレだったけど、イデアルが迎え入れる様に両手を広げるとピタリと動きを止める。
「あ、えっと……その……」
動きを止めながらもイデアルに抱きつきたいとソワソワするティグレ。
自分の臭いというか、汗を気にする素振りが見えるあたり、特訓でいつも以上に汗をかいた事を気にしているようだった。
「その……」
「いいよ、おいで。私も剣術の授業だったから……ティグレが嫌じゃなければね」
「い、嫌じゃないです!」
笑いかけるイデアルにティグレが両手を広げて突っ込んでいく。
仲の良い兄弟の笑い声が僕の所まで聞こえて微笑ましくなった。
「アグノスも行っておいで」
「……いいの?」
いつもより控えめなアグノスが伺うように僕を見る。
「うん、二人とも喜ぶと思うよ」
「……いってくる」
僕が微笑みかければ、アグノスは、小さく頷き、ベンチから降りてぽてぽてと駆けていく。
「兄上ー、兄様ー」
「アグノス」
イデアルとティグレの元にたどり着いたアグノスに、ティグレがイデアルから離れるとイデアルが少し屈んで両手を広げる。
「おかえりなさーい」
「ただいま」
屈んだイデアルの腕の中に収まったアグノスは、ここから見ても嬉しそうで少し安堵した。
右手にティグレ、左手にアグノスと手を繋いだイデアルが僕の元へと来る。
「ディロス様、ただいま帰りました」
「うん、おかえりイデアル」
いつも通りに言葉を返せば、イデアルが嬉しそうに笑う。頑張っているけど、まだ子供のイデアルが安心して笑える場所であれる事を嬉しく思う。
「夕食の前にお風呂にしよう。準備は、してあるよね」
「はい。先程申しつけられた通りに」
モリーに尋ねれば、望んでいた返答が帰ってくる。
ティグレが汗だくだったから、夕食前に入浴した方が良いだろうと思って、頼んでいたのだ。
「それじゃあ、行こうか」
「おう!」
「はい」
「ん!」
僕の言葉にティグレがにっかりと笑い、イデアルが微笑み、アグノスが頷いた。
「父様、ん!」
僕も一緒にお風呂に入ると理解したアグノスが、僕へと片手を伸ばす。
もう片方は、イデアルと繋いだままだから、僕とも手を繋ぎたいのだろう。
「ありがとうアグノス」
「ふふっ」
仲間に入れてくれた事にお礼を言いながら手を繋げば、アグノスは小さく笑う。
さっきまで沈んでいたのに、イデアルやティグレに構ってもらえて機嫌が治ったらしかった。
アグノスの性格が後に引く性格じゃない事に感謝しながら、僕は子供達と手を繋いだまま脱衣場に向かうのだった。
「兄上! お帰りなさい!」
木剣を従者に預けていたティグレがイデアルの姿に気づいて駆けていく。
相変わらずイデアルの事が好きな子だ。
「ただいま、ティグレ」
両手を広げて、イデアルの元に行ったティグレだったけど、イデアルが迎え入れる様に両手を広げるとピタリと動きを止める。
「あ、えっと……その……」
動きを止めながらもイデアルに抱きつきたいとソワソワするティグレ。
自分の臭いというか、汗を気にする素振りが見えるあたり、特訓でいつも以上に汗をかいた事を気にしているようだった。
「その……」
「いいよ、おいで。私も剣術の授業だったから……ティグレが嫌じゃなければね」
「い、嫌じゃないです!」
笑いかけるイデアルにティグレが両手を広げて突っ込んでいく。
仲の良い兄弟の笑い声が僕の所まで聞こえて微笑ましくなった。
「アグノスも行っておいで」
「……いいの?」
いつもより控えめなアグノスが伺うように僕を見る。
「うん、二人とも喜ぶと思うよ」
「……いってくる」
僕が微笑みかければ、アグノスは、小さく頷き、ベンチから降りてぽてぽてと駆けていく。
「兄上ー、兄様ー」
「アグノス」
イデアルとティグレの元にたどり着いたアグノスに、ティグレがイデアルから離れるとイデアルが少し屈んで両手を広げる。
「おかえりなさーい」
「ただいま」
屈んだイデアルの腕の中に収まったアグノスは、ここから見ても嬉しそうで少し安堵した。
右手にティグレ、左手にアグノスと手を繋いだイデアルが僕の元へと来る。
「ディロス様、ただいま帰りました」
「うん、おかえりイデアル」
いつも通りに言葉を返せば、イデアルが嬉しそうに笑う。頑張っているけど、まだ子供のイデアルが安心して笑える場所であれる事を嬉しく思う。
「夕食の前にお風呂にしよう。準備は、してあるよね」
「はい。先程申しつけられた通りに」
モリーに尋ねれば、望んでいた返答が帰ってくる。
ティグレが汗だくだったから、夕食前に入浴した方が良いだろうと思って、頼んでいたのだ。
「それじゃあ、行こうか」
「おう!」
「はい」
「ん!」
僕の言葉にティグレがにっかりと笑い、イデアルが微笑み、アグノスが頷いた。
「父様、ん!」
僕も一緒にお風呂に入ると理解したアグノスが、僕へと片手を伸ばす。
もう片方は、イデアルと繋いだままだから、僕とも手を繋ぎたいのだろう。
「ありがとうアグノス」
「ふふっ」
仲間に入れてくれた事にお礼を言いながら手を繋げば、アグノスは小さく笑う。
さっきまで沈んでいたのに、イデアルやティグレに構ってもらえて機嫌が治ったらしかった。
アグノスの性格が後に引く性格じゃない事に感謝しながら、僕は子供達と手を繋いだまま脱衣場に向かうのだった。
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