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第二部:王様に嫁入りした側妃ですが子供達の未来に悩んでいます
61:第二王子の疑問
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「そういや、エクスってどれぐらい強いんだ?騎士長になれるって事は、相当強くないとダメだよな?」
焼き菓子をモリモリ食べていたティグレがふと思い出したようにエクス様を見上げる。
自分の師で護衛騎士長であるエクス様の強さが気になるのだろう。子供の頃って、何がどれくらい強いか気になるし、前世的には、カブトムシとクワガタの強さを比べたがるってあるあるだと思うし。後は、恐竜とか、サメとシャチとか……。
「同期の中では、期待してもらえてると思いますが……先輩達に比べたらまだまだですよ」
僕が前世の知識に思いを馳せていたら、ティグレに問いかけられたエクス様は、謙遜するように笑う。
「えー! 俺の先生やってるのにミゲルやテオドーロより弱いのか! ダメだダメだダメだ! 俺の先生するなら護衛騎士の中で一番強くなってくれないと!」
控えめなエクス様にティグレがムキになったように頬を膨らませる。自分の先生が強くあってほしいと思うのは、子供らしいと言うか……ムキになる様子に苦笑しながらも子供らしい様子に微笑ましさが溢れる。
「もちろん、努力はしております。私は、ティグレ様の護衛騎士。ティグレ様にどこまでも付き従う覚悟ですから。誰よりも強くなって貴方の剣として、盾として、お守りいたしますとも」
「っ! そうか!」
ティグレの言葉に柔らかく返したエクス様にティグレが嬉しそうに目を輝かせた。前任の方が歳と共に引退して、一時期落ち込んでいたティグレからしたら、どこまでも付き従うという言葉は嬉しいものだろう。
原作では、幼少期のエピソードはなかったけど、こんな感じでやり取りしていたのだとしたら……読者としてのファン心が嬉しさで呻く気がした。
親としては、何があってもティグレを支えてくれるであろう人が居てくれるというのは安心できる事は間違いない。
彼の人員は、シュロムの采配。僕が口出しする事なく、彼やマリカ嬢のように原作に、未来に定められた人が集まっていくのは、天命とでも言うべき事なのだろうなと思った。
「そうだ! 今は、ミゲル達よりまだまだだって言うけど、実際は二人とどれくらいの差があるだ?」
「どれくらいの差……と言われましても」
隣にいるエクス様と僕の後ろで控えているミゲル様達へと視線を行き来させるティグレにエクス様が困ったように笑う。
子供の好奇心は尽きない。これ以上は、護衛騎士達を困らせるだけだと思い口を挟もうと思ったのだけど……僕後ろからミゲル様の声が響いた。
「エクスは、強いですよ。力と技のバランスもいいですし、癖が少ない。だからこそ、ティグレ様の師に選ばれたんです」
「そうだったんだな!」
ミゲル様からの言葉にティグレが納得したように頷く。それ以外にも理由があると思うけど、ティグレが納得しているのなら僕が口を出す必要もないだろう。
「で、どのくらい強さの差があるかですけど……」
思わせぶりなミゲル様の言葉に、僕も背後を振り返りミゲル様へと視線を向ける。
「実際見た方が納得できると思うので、テオドーロとの手合わせをしてもらいましょうか」
にこやかな笑みを浮かべるミゲル様に、隣で控えていたテオドーロ様がため息を吐いたような表情を浮かべた。
焼き菓子をモリモリ食べていたティグレがふと思い出したようにエクス様を見上げる。
自分の師で護衛騎士長であるエクス様の強さが気になるのだろう。子供の頃って、何がどれくらい強いか気になるし、前世的には、カブトムシとクワガタの強さを比べたがるってあるあるだと思うし。後は、恐竜とか、サメとシャチとか……。
「同期の中では、期待してもらえてると思いますが……先輩達に比べたらまだまだですよ」
僕が前世の知識に思いを馳せていたら、ティグレに問いかけられたエクス様は、謙遜するように笑う。
「えー! 俺の先生やってるのにミゲルやテオドーロより弱いのか! ダメだダメだダメだ! 俺の先生するなら護衛騎士の中で一番強くなってくれないと!」
控えめなエクス様にティグレがムキになったように頬を膨らませる。自分の先生が強くあってほしいと思うのは、子供らしいと言うか……ムキになる様子に苦笑しながらも子供らしい様子に微笑ましさが溢れる。
「もちろん、努力はしております。私は、ティグレ様の護衛騎士。ティグレ様にどこまでも付き従う覚悟ですから。誰よりも強くなって貴方の剣として、盾として、お守りいたしますとも」
「っ! そうか!」
ティグレの言葉に柔らかく返したエクス様にティグレが嬉しそうに目を輝かせた。前任の方が歳と共に引退して、一時期落ち込んでいたティグレからしたら、どこまでも付き従うという言葉は嬉しいものだろう。
原作では、幼少期のエピソードはなかったけど、こんな感じでやり取りしていたのだとしたら……読者としてのファン心が嬉しさで呻く気がした。
親としては、何があってもティグレを支えてくれるであろう人が居てくれるというのは安心できる事は間違いない。
彼の人員は、シュロムの采配。僕が口出しする事なく、彼やマリカ嬢のように原作に、未来に定められた人が集まっていくのは、天命とでも言うべき事なのだろうなと思った。
「そうだ! 今は、ミゲル達よりまだまだだって言うけど、実際は二人とどれくらいの差があるだ?」
「どれくらいの差……と言われましても」
隣にいるエクス様と僕の後ろで控えているミゲル様達へと視線を行き来させるティグレにエクス様が困ったように笑う。
子供の好奇心は尽きない。これ以上は、護衛騎士達を困らせるだけだと思い口を挟もうと思ったのだけど……僕後ろからミゲル様の声が響いた。
「エクスは、強いですよ。力と技のバランスもいいですし、癖が少ない。だからこそ、ティグレ様の師に選ばれたんです」
「そうだったんだな!」
ミゲル様からの言葉にティグレが納得したように頷く。それ以外にも理由があると思うけど、ティグレが納得しているのなら僕が口を出す必要もないだろう。
「で、どのくらい強さの差があるかですけど……」
思わせぶりなミゲル様の言葉に、僕も背後を振り返りミゲル様へと視線を向ける。
「実際見た方が納得できると思うので、テオドーロとの手合わせをしてもらいましょうか」
にこやかな笑みを浮かべるミゲル様に、隣で控えていたテオドーロ様がため息を吐いたような表情を浮かべた。
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