83 / 114
第二部:王様に嫁入りした側妃ですが子供達の未来に悩んでいます
40:お茶会開始
しおりを挟む
庭に用意された円卓にイデアルとマリカ嬢を対面する形で座ってもらい、その間に僕とノウリッジ様夫妻が向かい合う形で座る。
一応公には非公式だけど、公的なものではあるので一挙一動緊張してしまうのは、言うまでもない。
最初は、用意されたお茶やお菓子の話から始まり、和やかな雰囲気でお茶会が進む。
挨拶は、元気だったマリカ嬢もお茶を嗜む姿は、綺麗なものでさすがは宰相家のご令嬢だと思った。
「どのお菓子も美味しいです!」
口を開くとニッコニコなんだけど。貴族的には、感情を抑え込んでこそなんだけど……お披露目を終えた年齢とはいえまだ十一歳。
社交界デビューの十六歳までには、落ち着くだろうし……僕は、原作の記憶で彼女が公の場で立派な正妃として振る舞っているのを知っている。
感想としては、素直で可愛い子だと微笑ましく思った。
「マリカ嬢は、甘いものがお好きなんですか?」
「はい!」
イデアルの問いにマリカ嬢が笑顔で頷く。
「でも、お菓子も好きですけど、お肉も大好きです。運動するのが趣味なので、いっぱい食べないと動けませんから!」
「運動ですか……」
ご令嬢の趣味としては珍しい趣味にイデアルが呆気に取られている。
普通は、刺繍とか思い浮かべるもんね。
「騎士に憧れてて……剣術も、乗馬も好きなんです!」
「騎士……」
「はい!」
外見は深淵の令嬢と言われても納得できる外見から繰り出されていく言葉。
以前、お転婆だと伝えた事があったがイデアルの想像を上回っていたらしい。
そんな二人の様子を見ながらノウリッジ様夫妻へ視線を向ければ、困った様に笑っている。
おそらく自宅でもこの調子なのだろう。
シュロムやノウリッジ様的には、次期王妃になってほしいけど、本人がこの調子だからイデアルと合わせて意識を変えさせたいっていうのも兼ねての顔合わせだったのかもしれない。
「だから……その……」
そんな事を考えていたら、今までハキハキ喋っていたマリカ嬢が迷うように言葉をさ迷わせる。
でも、なんとなく次に出てくる言葉は予想がついた。
「おじい様達は、私をイデアル殿下の妃にしたいのは、わかってるのですが……私は、イデアル殿下の騎士になりたいんです!」
マリカ嬢の言葉に、イデアルは困った様に僕に視線を向け、ノウリッジ様達は笑みを浮かべているけど、やってしまった……って雰囲気を醸し出している。
さて、どうするべきかな……。
一応公には非公式だけど、公的なものではあるので一挙一動緊張してしまうのは、言うまでもない。
最初は、用意されたお茶やお菓子の話から始まり、和やかな雰囲気でお茶会が進む。
挨拶は、元気だったマリカ嬢もお茶を嗜む姿は、綺麗なものでさすがは宰相家のご令嬢だと思った。
「どのお菓子も美味しいです!」
口を開くとニッコニコなんだけど。貴族的には、感情を抑え込んでこそなんだけど……お披露目を終えた年齢とはいえまだ十一歳。
社交界デビューの十六歳までには、落ち着くだろうし……僕は、原作の記憶で彼女が公の場で立派な正妃として振る舞っているのを知っている。
感想としては、素直で可愛い子だと微笑ましく思った。
「マリカ嬢は、甘いものがお好きなんですか?」
「はい!」
イデアルの問いにマリカ嬢が笑顔で頷く。
「でも、お菓子も好きですけど、お肉も大好きです。運動するのが趣味なので、いっぱい食べないと動けませんから!」
「運動ですか……」
ご令嬢の趣味としては珍しい趣味にイデアルが呆気に取られている。
普通は、刺繍とか思い浮かべるもんね。
「騎士に憧れてて……剣術も、乗馬も好きなんです!」
「騎士……」
「はい!」
外見は深淵の令嬢と言われても納得できる外見から繰り出されていく言葉。
以前、お転婆だと伝えた事があったがイデアルの想像を上回っていたらしい。
そんな二人の様子を見ながらノウリッジ様夫妻へ視線を向ければ、困った様に笑っている。
おそらく自宅でもこの調子なのだろう。
シュロムやノウリッジ様的には、次期王妃になってほしいけど、本人がこの調子だからイデアルと合わせて意識を変えさせたいっていうのも兼ねての顔合わせだったのかもしれない。
「だから……その……」
そんな事を考えていたら、今までハキハキ喋っていたマリカ嬢が迷うように言葉をさ迷わせる。
でも、なんとなく次に出てくる言葉は予想がついた。
「おじい様達は、私をイデアル殿下の妃にしたいのは、わかってるのですが……私は、イデアル殿下の騎士になりたいんです!」
マリカ嬢の言葉に、イデアルは困った様に僕に視線を向け、ノウリッジ様達は笑みを浮かべているけど、やってしまった……って雰囲気を醸し出している。
さて、どうするべきかな……。
46
お気に入りに追加
5,715
あなたにおすすめの小説
【R18】ひとりで異世界は寂しかったのでペット(男)を飼い始めました
桜 ちひろ
恋愛
最近流行りの異世界転生。まさか自分がそうなるなんて…
小説やアニメで見ていた転生後はある小説の世界に飛び込んで主人公を凌駕するほどのチート級の力があったり、特殊能力が!と思っていたが、小説やアニメでもみたことがない世界。そして仮に覚えていないだけでそういう世界だったとしても「モブ中のモブ」で間違いないだろう。
この世界ではさほど珍しくない「治癒魔法」が使えるだけで、特別な魔法や魔力はなかった。
そして小さな治療院で働く普通の女性だ。
ただ普通ではなかったのは「性欲」
前世もなかなか強すぎる性欲のせいで苦労したのに転生してまで同じことに悩まされることになるとは…
その強すぎる性欲のせいでこちらの世界でも25歳という年齢にもかかわらず独身。彼氏なし。
こちらの世界では16歳〜20歳で結婚するのが普通なので婚活はかなり難航している。
もう諦めてペットに癒されながら独身でいることを決意した私はペットショップで小動物を飼うはずが、自分より大きな動物…「人間のオス」を飼うことになってしまった。
特に躾はせずに番犬代わりになればいいと思っていたが、この「人間のオス」が私の全てを満たしてくれる最高のペットだったのだ。
妹がいじめられて自殺したので復讐にそのクラス全員でデスゲームをして分からせてやることにした
駆威命(元・駆逐ライフ)
ホラー
僕、蒼樹空也は出口を完全に塞がれた教室で目を覚ます
他にも不良グループの山岸、女子生徒の女王と言われている河野、正義感が強くて人気者の多治比など、僕のクラスメイト全員が集められていた
それをしたのは、ひと月前にいじめが原因で自殺した古賀優乃の姉、古賀彩乃
彼女は僕たちに爆発する首輪を取りつけ、死のゲームを強要する
自分勝手な理由で殺されてしまう生徒
無関心による犠牲
押し付けられた痛み
それは、いじめという状況の縮図だった
そうして一人、また一人と死んでいく中、僕は彼女の目的を知る
それは復讐だけではなく……
小説家になろう、カクヨム、アルファポリスにて連載しております
【完結】身売りした妖精姫は氷血公爵に溺愛される
鈴木かなえ
恋愛
第17回恋愛小説大賞にエントリーしています。
レティシア・マークスは、『妖精姫』と呼ばれる社交界随一の美少女だが、実際は亡くなった前妻の子として家族からは虐げられていて、過去に起きたある出来事により男嫌いになってしまっていた。
社交界デビューしたレティシアは、家族から逃げるために条件にあう男を必死で探していた。
そんな時に目についたのが、女嫌いで有名な『氷血公爵』ことテオドール・エデルマン公爵だった。
レティシアは、自分自身と生まれた時から一緒にいるメイドと護衛を救うため、テオドールに決死の覚悟で取引をもちかける。
R18シーンがある場合、サブタイトルに※がつけてあります。
ムーンライトで公開してあるものを、少しずつ改稿しながら投稿していきます。
二人の公爵令嬢 どうやら愛されるのはひとりだけのようです
矢野りと
恋愛
ある日、マーコック公爵家の屋敷から一歳になったばかりの娘の姿が忽然と消えた。
それから十六年後、リディアは自分が公爵令嬢だと知る。
本当の家族と感動の再会を果たし、温かく迎え入れられたリディア。
しかし、公爵家には自分と同じ年齢、同じ髪の色、同じ瞳の子がすでにいた。その子はリディアの身代わりとして縁戚から引き取られた養女だった。
『シャロンと申します、お姉様』
彼女が口にしたのは、両親が生まれたばかりのリディアに贈ったはずの名だった。
家族の愛情も本当の名前も婚約者も、すでにその子のものだと気づくのに時間は掛からなかった。
自分の居場所を見つけられず、葛藤するリディア。
『……今更見つかるなんて……』
ある晩、母である公爵夫人の本音を聞いてしまい、リディアは家族と距離を置こうと決意する。
これ以上、傷つくのは嫌だから……。
けれども、公爵家を出たリディアを家族はそっとしておいてはくれず……。
――どうして誘拐されたのか、誰にひとりだけ愛されるのか。それぞれの事情が絡み合っていく。
◇家族との関係に悩みながらも、自分らしく生きようと奮闘するリディア。そんな彼女が自分の居場所を見つけるお話です。
※この作品の設定は架空のものです。
※作品の内容が合わない時は、そっと閉じていただければ幸いです(_ _)
※感想欄のネタバレ配慮はありません。
※執筆中は余裕がないため、感想への返信はお礼のみになっておりますm(_ _;)m
婚約解消して次期辺境伯に嫁いでみた
cyaru
恋愛
一目惚れで婚約を申し込まれたキュレット伯爵家のソシャリー。
お相手はボラツク侯爵家の次期当主ケイン。眉目秀麗でこれまで数多くの縁談が女性側から持ち込まれてきたがケインは女性には興味がないようで18歳になっても婚約者は今までいなかった。
婚約をした時は良かったのだが、問題は1か月に起きた。
過去にボラツク侯爵家から放逐された侯爵の妹が亡くなった。放っておけばいいのに侯爵は簡素な葬儀も行ったのだが、亡くなった妹の娘が牧師と共にやってきた。若い頃の妹にそっくりな娘はロザリア。
ボラツク侯爵家はロザリアを引き取り面倒を見ることを決定した。
婚約の時にはなかったがロザリアが独り立ちできる状態までが期間。
明らかにソシャリーが嫁げば、ロザリアがもれなくついてくる。
「マジか…」ソシャリーは心から遠慮したいと願う。
そして婚約者同士の距離を縮め、お互いの考えを語り合う場が月に数回設けられるようになったが、全てにもれなくロザリアがついてくる。
茶会に観劇、誕生日の贈り物もロザリアに買ったものを譲ってあげると謎の善意を押し売り。夜会もケインがエスコートしダンスを踊るのはロザリア。
幾度となく抗議を受け、ケインは考えを改めると誓ってくれたが本当に考えを改めたのか。改めていれば婚約は継続、そうでなければ解消だがソシャリーも年齢的に次を決めておかないと家のお荷物になってしまう。
「こちらは嫁いでくれるならそれに越したことはない」と父が用意をしてくれたのは「自分の責任なので面倒を見ている子の数は35」という次期辺境伯だった?!
★↑例の如く恐ろしく省略してます。
★9月14日投稿開始、完結は9月16日です。
★コメントの返信は遅いです。
★タグが勝手すぎる!と思う方。ごめんなさい。検索してもヒットしないよう工夫してます。
♡注意事項~この話を読む前に~♡
※異世界を舞台にした創作話です。時代設定なし、史実に基づいた話ではありません。【妄想史であり世界史ではない】事をご理解ください。登場人物、場所全て架空です。
※外道な作者の妄想で作られたガチなフィクションの上、ご都合主義なのでリアルな世界の常識と混同されないようお願いします。
※心拍数や血圧の上昇、高血糖、アドレナリンの過剰分泌に責任はおえません。
※価値観や言葉使いなど現実世界とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
※話の基幹、伏線に関わる文言についてのご指摘は申し訳ないですが受けられません
自称ヒロインに「あなたはモブよ!」と言われましたが、私はモブで構いません!!
ゆずこしょう
恋愛
ティアナ・ノヴァ(15)には1人の変わった友人がいる。
ニーナ・ルルー同じ年で小さい頃からわたしの後ろばかり追ってくる、少しめんどくさい赤毛の少女だ。
そしていつも去り際に一言。
「私はヒロインなの!あなたはモブよ!」
ティアナは思う。
別に物語じゃないのだし、モブでいいのではないだろうか…
そんな一言を言われるのにも飽きてきたので私は学院生活の3年間ニーナから隠れ切ることに決めた。
よくある婚約破棄なので
おのまとぺ
恋愛
ディアモンテ公爵家の令嬢ララが婚約を破棄された。
その噂は風に乗ってすぐにルーベ王国中に広がった。なんといっても相手は美男子と名高いフィルガルド王子。若い二人の結婚の日を国民は今か今かと夢見ていたのだ。
言葉数の少ない公爵令嬢が友人からの慰めに対して放った一言は、社交界に小さな波紋を呼ぶ。「災難だったわね」と声を掛けたアネット嬢にララが返した言葉は短かった。
「よくある婚約破棄なので」
・すれ違う二人をめぐる短い話
・前編は各自の証言になります
・後編は◆→ララ、◇→フィルガルド
・全25話完結
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。