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第二部:王様に嫁入りした側妃ですが子供達の未来に悩んでいます

33:寄り添い合う二人

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 ベッドの上にぐったりと横たわる。

 僕も求めたけど、前戯から翻弄され続けた僕と途中から余裕は無くなれど、体力は僕よりずっと多いシュロム。

 見事、僕が抱き潰されたのは言うまでもなく……情事後の後処理でも散々愛でられ、お湯のたっぷり張られた湯船でも後戯だと言われて、軽い口づけをしながらあちらこちら撫でられたりと動けない僕をシュロムは心ゆくまで堪能していた。

「ディロス、寝る前に少し水を飲んでおけ」
「ん……」

 まだ、愛された余韻に漂う僕の面倒をシュロムは甲斐甲斐しくみてくれる。

 シュロムに抱えられながら、水を飲ませてもらってようやく意識がハッキリしたような気がする。

 それでもすごく眠いんだけど……。

「っ、ありがとう……シュロム」
「構わない。こうやって世話できるのも楽しいからな」

 ......国王たるシュロムにここまで世話させてるのって国以外では、僕だけだと思う。

 その事を申し訳なく思う気持ちとここまで愛されているという幸福感が半々なので、僕も現金なところがあるなと思ってしまうのだけど。

「体の調子は問題ないか? 加減はしたのだが……」

 心配そうに覗き込むシュロムにあれで? と、思う。……まあ、それもいつもの事ではあるんだけどね。

「ん、たぶん……平気……」

 腰に重さを感じるけど、寝れば立てるくらいにはなると思う。

 明日は、妃教育もないし……子供達にバレないように気をつけて動けば大丈夫……のはず。

「その調子じゃ、朝はキツそうだな。悪い」
「シュロムは、悪くないよ。僕も愛して欲しかったもの」

 謝るシュロムの首筋に頭を寄せるように甘える。

 シュロムとの体格差や体力差はあれど、シュロムが求めてくれるように僕だって求めているのだ。

 ちょっと朝動きづらいくらいは、ご愛敬……? だと思う。

「そうか。なら、少しだけ治癒魔法でも使おうか」
「いいよ……そこまでするほどじゃないと思うし……」
「俺がしてやりたいんだ」

 僕には、魔法の才はないけど、王であるシュロムには、初代国王が神から賜った豊富な魔力がある。

 基本的に貴族や王族の魔法は、戦時を想定されたものとして考えられているけど、医者や治癒術士を志す人は治癒魔法も覚えるのが当たり前なのだが……なぜだか、シュロムは治癒魔法を覚えている。

 それも僕が側妃になってから。

 たぶん、あの日すぐに治療出来なかった後悔からかな? とは、想像しているのだけど……使用頻度は、今のところシュロム自自身が抱き潰した僕くらいにしか使われている気配はなかった。

「……本当に、大丈夫なのに」
「だが、朝子供達に気づかれないか気を使って過ごしたくはないだろう?」
「うっ……」

 そう言われるとそうなんだけど……。

 言いよどんでいるうちにベッドに寝かされて、隣に横になったシュロムに抱き込まれる。

 そして、腰に回ったシュロムの手から心地の良い温かさが伝わってきた。

「……シュロムは、僕に甘いと思う」
「大変な思いをさせている事も多いからな。甘やかせる時に甘やかしてやりたいんだ」

 少しふてくされる僕にシュロムは、笑みを浮かべて額に口づけてくる。

「もう……でも、ありがと。……いっぱいご褒美もらったからまた頑張れそう」
「俺もだ」

 互いに笑い合い、額をくっつけるように寄り添う。

「愛してるよシュロム……」
「ああ、俺も愛しているさディロス」
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