上 下
73 / 114
第二部:王様に嫁入りした側妃ですが子供達の未来に悩んでいます

30:開かれる体《R18》

しおりを挟む
 シュロムが僕へと覆い被さり、唇が重なる。

「っ……あ……んんっ……」

 深い口づけに翻弄されながらシュロムの手が僕の手を握った。

「んっ……はっ……ぁ……」

 指を絡めるように握られた手に答えるように僕もシュロムの指へ指を絡め、軽く握り返す。

 そして、より強く握り返され、重なった手の間に汗が滲むのを感じた。

「はっ……ぁ……っ……」

 口と手が解放された頃には、僕は息をするのもやっとで、空気を求めるように荒く呼吸を繰り返す。

「んんっ……あぁ……」

 そんな高ぶった体をシュロムの手が撫で、僕の中心へと近づくのに気づいて声が漏れた。

「ぁ……シュロム……シュロム……」

 覆い被さるシュロムの肩越しに腕を回し、その背に縋る。

「っ……あ……あぁ……」

 陰茎の裏スジをシュロムの指がなぞった。

 その感覚に声が震え、快楽を認識する。

「んぁ……っ……シュロム……あぁあっ……!」

 陰茎が手に包まれ、擦り上げられる快楽に堪えきれずにその背中に爪を立てる。

 でも、それでシュロムが止まるわけもなく……僕の顔へと軽い口づけ降らしながら僕の快楽を高めていった。

「あぁっ!」

 すでに焦らされていた体はあっさりと絶頂へと達し、シュロムの手と自身の腹に白濁を散らす。

 絶頂の余韻に揺蕩いながら、腕に中からシュロムが抜けてでていくのを感じ、支えを失った腕がシーツの中に沈んだ。

「ぁ……はぁっ……ぁ……」

 高められた体の呼吸を整えているとお腹に散った白濁を拭われる感覚がある。

 視線を向ければ、綺麗になった僕のお腹と自身の手を布で拭うシュロムの姿が視界にはいった。

 そして、布を手放したシュロムの手が……サイドテーブルに置かれていた香油へと手を伸ばす。

「っ……」

 シュロムの手に取られ、蓋の開けられたそれが僕の股間に垂れ、シュロムの指も濡らしていく。

「ぁ……」

 僕の足の間に座ったシュロムが僕の片足を抱え、香油に濡れた指を僕の後孔に近づける。

「っう……ぁっ……!」

 清めたそこに指先が触れ、ほぐす様にすぼまりを撫でる動きに期待で体が跳ねた。

「あぁっ……!」

 指先がゆっくりと僕の体の中心を開こうと動き、くぷりと中に沈んだ拍子に腰が揺れる。

 快楽を堪えるように縋るものを探し、敷かれたシーツを握りしめていると、ふとシュロムの深紅の瞳と視線がぶつかった。

「可愛らしいなディロス」
「っ……」

 優しい低い声と柔らかく微笑んだ笑み。その二つに気が緩んだ時を狙って、シュロムは僕の気持ちいい所を指で押した。

「っ、ああああっ!?」

 パチリと脳に弾ける快楽。愛されたい体は、望んでいた快楽を得て、僕の思考を快楽一色に染め上げた。

「あぁっ……! あっ!」

 気持ちいい所を押され、擦られる度に腰が跳ねる。

「シュロムっ……! シュロムっ!」

 僕を乱す快楽。それを与えているのはシュロムなのにシュロムにすがりたくて名前を繰り返すように呼べば、視界の先でシュロムが笑う。

 僕の体をここまで開いた人。愛してくれる人。だけど、時に食らいつくしてしまう人。

 まあ、それすらも嬉しいのだけど……。

 じっくりと愛される準備を体で感じながら、僕は快楽に翻弄されるようにシュロムの手で踊らされ続けた。
しおりを挟む
感想 104

あなたにおすすめの小説

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

転生したいらない子は異世界お兄さんたちに守護られ中! 薔薇と雄鹿と宝石と

夕張さばみそ
BL
旧題:薔薇と雄鹿と宝石と。~転生先で人外さんに愛され過ぎてクッキーが美味しいです~ 目が覚めると森の中にいた少年・雪夜は、わけもわからないままゴロツキに絡まれているところを美貌の公爵・ローゼンに助けられる。 転生した先は 華族、樹族、鉱族の人外たちが支配する『ニンゲン』がいない世界。 たまに現れる『ニンゲン』は珍味・力を増す霊薬・美の妙薬として人外たちに食べられてしまうのだという。 折角転生したというのに大ピンチ! でも、そんなことはつゆしらず、自分を助けてくれた華族のローゼンに懐く雪夜。 初めは冷たい態度をとっていたローゼンだが、そんな雪夜に心を開くようになり――。 優しい世界は最高なのでクッキーを食べます!  溺愛される雪夜の前には樹族、鉱族の青年たちも現れて…… ……という、ニンゲンの子供が人外おにいさん達と出逢い、大人編でLOVEになりますが、幼少期はお兄さん達に育てられる健全ホノボノ異世界ライフな感じです。(※大人編は性描写を含みます) ※主人公の幼児に辛い過去があったり、モブが八つ裂きにされたりする描写がありますが、基本的にハピエン前提の異世界ハッピー溺愛ハーレムものです。 ※大人編では残酷描写、鬱展開、性描写(3P)等が入ります。 ※書籍化決定しました~!(涙)ありがとうございます!(涙) アルファポリス様からタイトルが 『転生したいらない子は異世界お兄さんたちに守護られ中!(副題・薔薇と雄鹿と宝石と)』で 発売中です! イラストレーター様は一為先生です(涙)ありがたや……(涙) なお出版契約に基づき、子供編は来月の刊行日前に非公開となります。 大人編(2部)は盛大なネタバレを含む為、2月20日(火)に非公開となります。申し訳ありません……(シワシワ顔) ※大人編公開につきましては、現在書籍化したばかりで、大人編という最大のネタバレ部分が 公開中なのは宜しくないのではという話で、一時的に非公開にさせて頂いております(申し訳ありません) まだ今後がどうなるか未確定で、私からは詳細を申し上げれる状態ではありませんが、 続報がわかり次第、近況ボードやX(https://twitter.com/mohikanhyatthaa)の方で 直ぐに告知させていただきたいと思っております……! 結末も! 大人の雪夜も! いっぱいたくさん! 見てもらいたいのでッッ!!(涙)

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました

まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。 性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。 (ムーンライトノベルにも掲載しています)

転移したらなぜかコワモテ騎士団長に俺だけ子供扱いされてる

塩チーズ
BL
平々凡々が似合うちょっと中性的で童顔なだけの成人男性。転移して拾ってもらった家の息子がコワモテ騎士団長だった! 特に何も無く平凡な日常を過ごすが、騎士団長の妙な噂を耳にしてある悩みが出来てしまう。

【完結】実はチートの転生者、無能と言われるのに飽きて実力を解放する

エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング1位獲得作品!!】  最強スキル『適応』を与えられた転生者ジャック・ストロングは16歳。  戦士になり、王国に潜む悪を倒すためのユピテル英才学園に入学して3ヶ月がたっていた。  目立たないために実力を隠していたジャックだが、学園長から次のテストで成績がよくないと退学だと脅され、ついに実力を解放していく。  ジャックのライバルとなる個性豊かな生徒たち、実力ある先生たちにも注目!!  彼らのハチャメチャ学園生活から目が離せない!! ※小説家になろう、カクヨム、エブリスタでも投稿中

美貌の騎士候補生は、愛する人を快楽漬けにして飼い慣らす〜僕から逃げないで愛させて〜

飛鷹
BL
騎士養成学校に在席しているパスティには秘密がある。 でも、それを誰かに言うつもりはなく、目的を達成したら静かに自国に戻るつもりだった。 しかし美貌の騎士候補生に捕まり、快楽漬けにされ、甘く喘がされてしまう。 秘密を抱えたまま、パスティは幸せになれるのか。 美貌の騎士候補生のカーディアスは何を考えてパスティに付きまとうのか……。 秘密を抱えた二人が幸せになるまでのお話。

男子寮のベットの軋む音

なる
BL
ある大学に男子寮が存在した。 そこでは、思春期の男達が住んでおり先輩と後輩からなる相部屋制度。 ある一室からは夜な夜なベットの軋む音が聞こえる。 女子禁制の禁断の場所。

幽閉王子は最強皇子に包まれる

皇洵璃音
BL
魔法使いであるせいで幼少期に幽閉された第三王子のアレクセイ。それから年数が経過し、ある日祖国は滅ぼされてしまう。毛布に包まっていたら、敵の帝国第二皇子のレイナードにより連行されてしまう。処刑場にて皇帝から二つの選択肢を提示されたのだが、二つ目の内容は「レイナードの花嫁になること」だった。初めて人から求められたこともあり、花嫁になることを承諾する。素直で元気いっぱいなド直球第二皇子×愛されることに慣れていない治癒魔法使いの第三王子の恋愛物語。 表紙担当者:白す(しらす)様に描いて頂きました。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。