30 / 114
一部番外編
後日談6-1:腕の中で湧くいたずら心
しおりを挟む
季節も暖かくなり、僕の体力もずいぶんと戻ってきた。
子供達も僕やシュロムと一緒じゃなくても安心して眠れるようになってきて、寝床を分ける日も増えている。
そうなるとシュロムと一緒に眠る日が増えると言うわけで……。
「おやすみディロス」
柔らかく微笑まれ、腕に抱き込まれる度にドキドキしてしまう。
冬の間シュロムが忙しかったのと、帰って来ても子供達と一緒に寝ていたからこうやって近くで眠るのに耐性が無くなってしまったのだ。
そして、何より悔しいのは僕がこんなにドキドキしているにもかかわらず、シュロムはあっさりと寝てしまう事。
疲れているのもわかるけど、こう……もうちょっとドキドキしたり、意識してほしいと言うのはわがままだろうか……。
視線を少し上に向ければ、穏やかに眠るシュロムの綺麗ながらも男らしい顔が見える。
……やっぱり悔しい。……ちょっとくらいいたずらしても許されるかな?
そんないたずら心が湧いた僕は、緩んだ夜着の隙間から見えるシュロムの鎖骨へと唇をあて、ちゅうっと吸い付く。
……つかないな。キスマークでもつけて朝、鏡を見たら驚くシュロムを見たかったんだけど……。
そんな事を思いながら、再度チャレンジしてみる。
「あ……」
二度、三度と何回も繰り返すうちになんとか赤い印をつけられて思わず笑みが浮かんだ。
「……満足したか?」
「っ……!」
頭の上から降ってきた声にビクリと体を震わせれば、逃げ場を塞ぐように、僕を抱き締める力が強くなる。
「お、起きてたの!?」
「寝てたがあんなにも口づけられたらさすがに起きる」
僕を逃がすまいと抱き締めるシュロムを見上げると、シュロムが楽しそうに笑っていた。
「起こしたのは謝るから!」
「いや、謝らなくていい。ただ、こんなに可愛い姿を見せられた俺に我慢しろと言うのは酷くないか?」
「っ……!」
シュロムの手が僕のお尻を掴み、腰を押しつけるように力を込める。
お腹にやや硬くなったシュロムの物が当たって顔に血がのぼる。
「しゅ、シュロム!?今日はっ、清めてないからっ……!」
準備もなにもしてないと告げてもシュロムの力が弱まる事はない。
「知ってる。だが、それ以外にも愛しあう方法はあるだろう?」
とろりとした熱を孕んだ赤い瞳が、獲物を見つけたかのように楽しげに細められる。
ああ、僕は眠れる獅子を起こしてしまったのかもしれない……。
そんな考えが過りながら僕は抱き寄せられるままに唇を奪われたのだった。
子供達も僕やシュロムと一緒じゃなくても安心して眠れるようになってきて、寝床を分ける日も増えている。
そうなるとシュロムと一緒に眠る日が増えると言うわけで……。
「おやすみディロス」
柔らかく微笑まれ、腕に抱き込まれる度にドキドキしてしまう。
冬の間シュロムが忙しかったのと、帰って来ても子供達と一緒に寝ていたからこうやって近くで眠るのに耐性が無くなってしまったのだ。
そして、何より悔しいのは僕がこんなにドキドキしているにもかかわらず、シュロムはあっさりと寝てしまう事。
疲れているのもわかるけど、こう……もうちょっとドキドキしたり、意識してほしいと言うのはわがままだろうか……。
視線を少し上に向ければ、穏やかに眠るシュロムの綺麗ながらも男らしい顔が見える。
……やっぱり悔しい。……ちょっとくらいいたずらしても許されるかな?
そんないたずら心が湧いた僕は、緩んだ夜着の隙間から見えるシュロムの鎖骨へと唇をあて、ちゅうっと吸い付く。
……つかないな。キスマークでもつけて朝、鏡を見たら驚くシュロムを見たかったんだけど……。
そんな事を思いながら、再度チャレンジしてみる。
「あ……」
二度、三度と何回も繰り返すうちになんとか赤い印をつけられて思わず笑みが浮かんだ。
「……満足したか?」
「っ……!」
頭の上から降ってきた声にビクリと体を震わせれば、逃げ場を塞ぐように、僕を抱き締める力が強くなる。
「お、起きてたの!?」
「寝てたがあんなにも口づけられたらさすがに起きる」
僕を逃がすまいと抱き締めるシュロムを見上げると、シュロムが楽しそうに笑っていた。
「起こしたのは謝るから!」
「いや、謝らなくていい。ただ、こんなに可愛い姿を見せられた俺に我慢しろと言うのは酷くないか?」
「っ……!」
シュロムの手が僕のお尻を掴み、腰を押しつけるように力を込める。
お腹にやや硬くなったシュロムの物が当たって顔に血がのぼる。
「しゅ、シュロム!?今日はっ、清めてないからっ……!」
準備もなにもしてないと告げてもシュロムの力が弱まる事はない。
「知ってる。だが、それ以外にも愛しあう方法はあるだろう?」
とろりとした熱を孕んだ赤い瞳が、獲物を見つけたかのように楽しげに細められる。
ああ、僕は眠れる獅子を起こしてしまったのかもしれない……。
そんな考えが過りながら僕は抱き寄せられるままに唇を奪われたのだった。
67
お気に入りに追加
5,689
あなたにおすすめの小説
転生したいらない子は異世界お兄さんたちに守護られ中! 薔薇と雄鹿と宝石と
夕張さばみそ
BL
旧題:薔薇と雄鹿と宝石と。~転生先で人外さんに愛され過ぎてクッキーが美味しいです~
目が覚めると森の中にいた少年・雪夜は、わけもわからないままゴロツキに絡まれているところを美貌の公爵・ローゼンに助けられる。
転生した先は 華族、樹族、鉱族の人外たちが支配する『ニンゲン』がいない世界。
たまに現れる『ニンゲン』は珍味・力を増す霊薬・美の妙薬として人外たちに食べられてしまうのだという。
折角転生したというのに大ピンチ!
でも、そんなことはつゆしらず、自分を助けてくれた華族のローゼンに懐く雪夜。
初めは冷たい態度をとっていたローゼンだが、そんな雪夜に心を開くようになり――。
優しい世界は最高なのでクッキーを食べます!
溺愛される雪夜の前には樹族、鉱族の青年たちも現れて……
……という、ニンゲンの子供が人外おにいさん達と出逢い、大人編でLOVEになりますが、幼少期はお兄さん達に育てられる健全ホノボノ異世界ライフな感じです。(※大人編は性描写を含みます)
※主人公の幼児に辛い過去があったり、モブが八つ裂きにされたりする描写がありますが、基本的にハピエン前提の異世界ハッピー溺愛ハーレムものです。
※大人編では残酷描写、鬱展開、性描写(3P)等が入ります。
※書籍化決定しました~!(涙)ありがとうございます!(涙)
アルファポリス様からタイトルが
『転生したいらない子は異世界お兄さんたちに守護られ中!(副題・薔薇と雄鹿と宝石と)』で
発売中です!
イラストレーター様は一為先生です(涙)ありがたや……(涙)
なお出版契約に基づき、子供編は来月の刊行日前に非公開となります。
大人編(2部)は盛大なネタバレを含む為、2月20日(火)に非公開となります。申し訳ありません……(シワシワ顔)
※大人編公開につきましては、現在書籍化したばかりで、大人編という最大のネタバレ部分が
公開中なのは宜しくないのではという話で、一時的に非公開にさせて頂いております(申し訳ありません)
まだ今後がどうなるか未確定で、私からは詳細を申し上げれる状態ではありませんが、
続報がわかり次第、近況ボードやX(https://twitter.com/mohikanhyatthaa)の方で
直ぐに告知させていただきたいと思っております……!
結末も! 大人の雪夜も! いっぱいたくさん! 見てもらいたいのでッッ!!(涙)
性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
転移したらなぜかコワモテ騎士団長に俺だけ子供扱いされてる
塩チーズ
BL
平々凡々が似合うちょっと中性的で童顔なだけの成人男性。転移して拾ってもらった家の息子がコワモテ騎士団長だった!
特に何も無く平凡な日常を過ごすが、騎士団長の妙な噂を耳にしてある悩みが出来てしまう。
【完結】実はチートの転生者、無能と言われるのに飽きて実力を解放する
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング1位獲得作品!!】
最強スキル『適応』を与えられた転生者ジャック・ストロングは16歳。
戦士になり、王国に潜む悪を倒すためのユピテル英才学園に入学して3ヶ月がたっていた。
目立たないために実力を隠していたジャックだが、学園長から次のテストで成績がよくないと退学だと脅され、ついに実力を解放していく。
ジャックのライバルとなる個性豊かな生徒たち、実力ある先生たちにも注目!!
彼らのハチャメチャ学園生活から目が離せない!!
※小説家になろう、カクヨム、エブリスタでも投稿中
美貌の騎士候補生は、愛する人を快楽漬けにして飼い慣らす〜僕から逃げないで愛させて〜
飛鷹
BL
騎士養成学校に在席しているパスティには秘密がある。
でも、それを誰かに言うつもりはなく、目的を達成したら静かに自国に戻るつもりだった。
しかし美貌の騎士候補生に捕まり、快楽漬けにされ、甘く喘がされてしまう。
秘密を抱えたまま、パスティは幸せになれるのか。
美貌の騎士候補生のカーディアスは何を考えてパスティに付きまとうのか……。
秘密を抱えた二人が幸せになるまでのお話。
幽閉王子は最強皇子に包まれる
皇洵璃音
BL
魔法使いであるせいで幼少期に幽閉された第三王子のアレクセイ。それから年数が経過し、ある日祖国は滅ぼされてしまう。毛布に包まっていたら、敵の帝国第二皇子のレイナードにより連行されてしまう。処刑場にて皇帝から二つの選択肢を提示されたのだが、二つ目の内容は「レイナードの花嫁になること」だった。初めて人から求められたこともあり、花嫁になることを承諾する。素直で元気いっぱいなド直球第二皇子×愛されることに慣れていない治癒魔法使いの第三王子の恋愛物語。
表紙担当者:白す(しらす)様に描いて頂きました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。