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第一章 決戦ソウルトーナメント

第14話 金色

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火柱の中に放り込まれたアバターは、苦しそうにもがいている。


1400あった体力は、1150に減っていた。


ーーーー何だこの息苦しさは……。


身体に覚えた違和感に俺は疑問を抱いた。


まるで自分も炎で焼かれているような感覚だ……。


若干だが、体が熱く痛みさえ感じる。


脳裏に浮かんだのはタケシがソウルバトル中に痛みを訴えていたことだった。


「ほぅ、お前もアバターとのシンクロ率が上がってきたな!!」


豪炎は嬉しそうにそう叫んだ。


「何だか知らねぇけど、俺はまだまだこんなもんじゃないぜ!!」


必死の思いで火柱を抜け出し体勢を整えた。


体力は950まで減っている。


あの火柱は継続的にダメージを負うんだな。


危険だな、あれは。


豪炎のアバターは火柱でまた見失ったし、見つけて攻撃したとしてもあの陽炎っていう俺のカワリミみたいなチップで無効化されてしまう。


今まで戦ってきた中で一番強いかもしれない。


ひょっとして影山より……。


いや、仲間を信じろ。っていうか、今はそれどころじゃないか。


「無駄な思考タイムは終わったか?」


「無駄じゃねーよ!!」


火柱を消し去る方法がたった一つだけあるじゃないか。


炎を薙ぎ払う切り札が。




ーーーーーーーーーーーーーーー

No.70
クロスセイバー/ランクA

ATK:350

二つの魂を持つ双剣。クロスに威力の高い斬撃を放つ。

ーーーーーーーーーーーーーーー




両手に現れた剣は、片方に炎を纏いもう片方は氷を纏っている。


使用して分かったが、攻撃力350という数値は一つの斬撃の威力だ。


つまり、二つ重ねれば一気に700もダメージを与えられる。


豪炎には3発浴びせる事が出来れば勝てる。


とりあえずは……。


「凍れ!!」


氷の斬撃を放つと炎を消し去るように周囲は一気に氷結していった。


「凄まじい威力のチップだな」


豪炎も少し動揺しているみたいだ。


火柱が消え去り、豪炎のアバターが見えるようになった。


やっぱり、Aランクのチップの威力は他のチップとは比べ物にならないな。


「お前がどんなに炎を使ったって、俺の氷の剣でかき消してやるよ!!」


二つの剣を構え、豪炎に向けて斬撃を放った。


二つの斬撃は交差して重なり合い、豪炎のアバターの目の前で大爆発を引き起こした。


「な、何て強引な攻撃だ……」


爆風に俺のアバターも巻き込まれて、辺り一面が黒煙に包まれた。


爆発の反動で、俺の体力は残り500になっていた。


「って、俺もくらうのかよ……」


これは予想外の威力だったが、豪炎の体力を見た観客達は歓声を上げた。


豪炎も500……!?


ってことは、あの爆発は1500もダメージを与えられるのか。


相当な威力だが、自分もダメージを受けるなら多用はできないな。


「なかなか良い打開策を見せてくれたお礼に俺も切り札を見せてやろう。炎龍の波動咆!!」


豪炎は金色に輝くチップをスキャンした。
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