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第一章 決戦ソウルトーナメント

第8話 予感

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4人がコートを立ち去ってから休息時間が設けられた。


観客達も一旦ドームを出て、外にある出店に向かっていく。


ユズルが落ち込んでいるように見えた俺は、はしまきを買ってあげた。


「いいの……!?」


嬉しそうにユズルははしまきを頬張った。 


しばらくするとアナウンスが流れて2試合目の発表があった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


Aブロック

2回戦

長谷川選手 対 土門選手


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


Bブロック

2回戦

長内選手 対 緑山選手


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


先に名前を呼ばれたのタケシだった。


相手は、さっきの長谷川デザ何とかだったな。


「よっしゃあ!! 俺の勇姿を見てろよリク!!」


タケシはかなり意気込んでいるみたいだ。


「あまり意気込んで空回りするなよ!?」


「アドバイスありがとよ!! まぁ、俺ならあのふざけたヤツには負けないぜ!!」


本当に大丈夫だろうか……。


隣のブロックはベンチでブツブツ独り言を言っていたやつともう1人は俺たちと同じ学生みたいだ。


「選手はコートに集合して下さい!!」


そうアナウンスが流れるとタケシは少し緊張した面持ちで皆に向かってガッツポーズをした。


「じゃあ、行ってくる!!」


「頑張れよ、タケシ!!」


リョウタやルナとクラス全員でタケシを見送った。


「リク、ちょっと良いか?」


突然、影山に肩を叩かれた。


「ん!? あぁ……」


皆から少し離れた席まで歩き、周りに人がいないことを確認すると影山はゆっくりと口を開いた。


「ソウルバトルは何か別の意味があるんじゃないかと思うんだ」


「えっ!? どういう意味だよ?」


「そもそもソウルデバイスはソウルという謎めいた力が無いと使えないだろ?」


確かに……。


全ての人がソウルデバイスを扱えてバトル出来る訳じゃない。


俺の弟や、リョウタやクラスの殆どがソウルを使えないからソウルデバイスを起動出来ていない。


「でも、別の意味って……!?」


「それがまだ分からないんだ。ただ、このソウルデバイスとチップとアバターには何か秘密があるはずだ」


「それには俺が答えよう!!」


ーーーー!!!!


いつの間にか背後に赤髪の男が立っていた。


「ちっ!! 盗み聞きはタチが悪いな」


影山は怪訝な顔をしてソウルデバイスを構えた。


「そう、まさしくそれだ!! 人はチカラに頼る運命。お前が構えたそのソウルデバイスはソウルという銃弾を備えた武器に過ぎないんだよ!!」


一体、何を言っているんだ。


ソウルデバイスには人を傷つける機能は備わっていない。


単なるゲーム機のような娯楽嗜好品じゃないのか?


「大体は聞き出せたんだけどな。核心に迫ろうとしたら気絶して記憶が消えやがった」


「何の話だ?」


赤髪の男に影山はこっちの話だと呟いた。


「要するに、ごく一部の俺達の使えるソウルという力は単にソウルバトルをする為にあるんじゃないという事だ。まぁ、俺に勝ったら続きを話そうか」


赤髪の男はそう言い残して控室のある方へ歩いて行った。





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