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飛鳥君編
21話 亮君、勇太君になにかされたんじゃないの?
しおりを挟む「黎君も…おはよう。」
「あぁ。飛鳥君、おはよう。」
黎は丁寧に飛鳥君にお辞儀をした。
「あれ…?」
飛鳥君はキョロキョロと辺りを見渡す。
「勇太君は…今日はいないの?」
黎と同じことを聞かれてしまった。おれたちってそんなに一緒にいたっけ?
「あっ…えっーと、勇太は…」
あははっと笑みを浮かべながら言葉を濁す。
…まぁ隠しても意味はないしな。
「…出て行っちゃって」
「…出て行った…?」
飛鳥君はびっくりしたような顔をしておれを見ていた。
「…喧嘩したの?」
また黎と同じような質問をされる。
「…まぁ、そんなとこ、かな。」
じぃと飛鳥君はおれの顔を見て…
「──────何かされなかった?」
そう聞いてきた。
「えっ!?」
おれはびっくりして声をあげてしまうっ。
「…っ何かあったの?」
…あったいえばあった。いや、何もしてないからないのか?まぁ、話せる内容ではないことは確かだ。
「…別になにも…」
「勇太君は────何をしたの?何をいった?─────君に。」
飛鳥君はおれの肩をガッと掴み質問する。そんなこといっても…おれは答えられない。
「えっ…別に、何も…」
「───────何かされたよね?」
っ!?びっくりしておれは体を震わせてしまう。
「…やっぱり。」
そういうと飛鳥君はおれとの距離を詰めてきた…。
まって、近いっ。
「何したの?…おれが昨日したようなこと…した?」
「え?」
「告白はされたの?勇太君の気持ちを知ったの?知って…亮君はどうしたの?受け入れたの?」
いきなり沢山の質問をされておれはパニックになる。勇太の気持ち?おれには何もわからなかった。
「知らっ…おれっ…」
「ねぇ、昨日おれは亮君に告白したはずだ。けど────かき消されちゃった?」
にこっと笑って飛鳥君はおれに視線を向ける。
穴があくぐらいじっとおれを見ていた。
「…そうだよね?僕が一生懸命した告白よりも…僕の気持ちよりも…勇太君の方が大切なんだもんね…?」
何の話…?
「昔から変わってない。…でも…」
飛鳥君はおれの肩に力をいれる。
「いっ…!?」
「もう、渡す気はないよ…。」
肩を強く掴まれて痛い。
「飛鳥君っ…あのっ…」
「ねぇ、勇太君と何を話していたの?
何を─────した?」
飛鳥君の顔が近くにあっておれは戸惑い何も話せなくなる、勇太と…何を、おれたちは────何をしようとした?
「あっ…」
「──────答えて」
勇太はおれとセックスしようとした。
なぜ?どうして?おれを…身代わりにしようとしたのか?飛鳥君のかわりに…?
わからない、おれは…何も。
「──────答えてっ…!!」
肩を掴む力が強くなる。痛いっ…!
「やっ───」
やめろっといようとしたとき
「───────離せ。」
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