生意気な弟がいきなりキャラを変えてきて困っています！

飛鳥君編

19話 どうせおれは童貞処女ですよ！悪いか、うわぁっん！！

「それでおれを犯すっていうのはおかしくないですか？」

「あ？おかしくねぇ！」
「おか…しいと」
「おかしくねぇ！」
「おか「おかしくねぇ！！」

だめだ…これは聞いてくれないな。
ちょっと諦めつつ、
おれは弟の暴走を止めなければと頭を働きかける。そしておれの処女を守らなければ…。
なんつーもん守ってんだっ！おれっ！！

「勇太っ、ちゃんと考えろっ！！こんなことしていいと思ってんのか！？」
「…こんなこと？」
「…っそうだっ…！セックスっ、だぞ？」

兄弟で男で好きでも何でもない奴とするなんてっ…。

「…っ…クスは」
「え？」
「っ…セックスはなぁっ…」
「う、うん。」 
「大切なことだ。」
「…そ、そうだなっ。」
「すっ…」

そういうと勇太は恥ずかしそうにおれを見ていた。久しぶり、というか初めて見る弟の照れてる顔におれはびっくりして声をあげそうになる。


「すっ…好きな人としかっ…しちゃいけねぇっ…！んだっ…！」


…。弟っ…お前はこんなにも純粋だったなんて知らなかったっ。
一時期荒れていたこともあったが…とてもピュアだったんだなっ…。ならわかってくれるよな？


「…じゃあ、今やってることは違くありませんか？」


────────ならなぜおれとセックスしようとするんだっ！！
好きな人としかしちゃいけねぇんだろっ！！照れながらやってることは矛盾してるっ！！

「あ？違くねぇよ。黙れよ、くそがっ！」

…。一瞬黙りそうになる。いや、だがこれからの勇太の将来のためにもちゃんとしとかないとっ…。と謎の正義感が生まれるおれ。


「勇太は経験があるからこういうこと簡単にできるかもしれねぇけどっ…、ダメなんだからなっ！？安易にんなことしちゃっ…」




「────────お兄ちゃん？」



いきなりそう言われびくっとおれは体が震えた。


「経験ってセックスのこと？僕がやりまくるヤリチンだとでも？────というか」

ギロッとおれを睨むと距離が近くなる。やめてっ…近づくなぁっ！！


「───────処女だよな？」
「は？」

…何をいっとる？

「…だれかとセックスしてないよね？新品の新品だよね？？」

…えっ？

「…どういう？」
「童貞も処女も捨ててないよなって話。」
「はぁっ！！？」

いきなりそんなことを聞かれておれは頭がおかしくなるっ…。いや、さっきからおかしくなってるけどねっ！

「答えろ。じゃねぇーと犯すっ。」
「…。」

なんでおれはこんな惨めな思いをしなきゃならないんだっ…！

「えっと…」
「早く答えろ。」
「…」

内容が内容だけに答えずらいんだけど！？？

「…どっちも、経験…ねぇよ。」
「あはっ！やっぱりっ？」

そういうと弟はにこにこと笑い出した…。なんなんだっ…こいつはっ。

「だよねっ～。お兄ちゃんだもんっ、やってる訳ないよねっ。でも…」


そのときいきなり雰囲気が変わる。

「やってたら───どうなってたかわからないけどね。」

ゾクッとおれは弟をちらっと見た。にこにこと笑みを浮かべていたが…笑ってない。それが怖くて…体が震えた。


「なら、いーや。」

はぁっと息をつくと弟はおれから離れた。

「今日はこれで許してあげるよ。でも──」

弟はにこにこ笑いながらおれにいった。


「─────もし、お兄ちゃんのどちらかが奪われたときは───
お兄ちゃんはもう二度と外に出れないと思ってね。」


ゾッと背筋が凍る。びくっと体が震え固まる。これは本気でいってるのか…。


「…えっと…勇太、あのっ…」



「──────本気、だからね。」