生意気な弟がいきなりキャラを変えてきて困っています!

あああ

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飛鳥君編

8話 …飛鳥君の顔が…近い

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いきなり話しかけられおれは変な声が出てしまった。見ると飛鳥君が立っていた…

「ふふっ。可愛い声だね」

飛鳥君はそういってにこっと笑みをおれに向けた。
…というか…聞いてたのバレた…?

「え…と、もしかして…」
「うん、いたの気づいてたよ。」

まじかっ…!!

「ごめんっ、あの、聞くつもりはなくてっ…」
「ううん。謝らないで。変なところを見せてしまってごめんね。」

飛鳥君はそういうと申しわけなさそうに謝った。
うわっ…なんてイケメンっ。

「ボソ逆の立場だったらおれだってそうするし」
「え、なに?」
「ううん、何でもないよ。」

飛鳥君のにこにこホワホワオーラに引き込まれながら…おれは一つの疑問を投げかけずにはいられなかった。

それは────勇太のこと。


「飛鳥君は──」
「?なに?」
「好きな人がいるって…いってた。」

「あっ…そっか。聞いてたんだもんね。そうだよ。…いる。」

飛鳥君は冷静に答えながらても顔は少し赤くなっていた。

「その相手っ…」

いや…おれが聞いてどうする?
勇太に後で伝えるのか?
飛鳥君は~ちゃんが好きなんだって!
だからがんばれって?
それは…あまりにも無責任だ。
飛鳥君はその人がとても好きなんだ。
大切にしたい、守ってやりたいといっていた。

とても────強い思い。

だから…勇太は…諦めるしかないのか?
勇太は知っているのか?

飛鳥君の好きな人を───。

おれは勇太に何がしてあげれるのだろう──?

「じゃなくて…えっーと、飛鳥君は、お昼のこと、覚えてる?」
「お昼…?」
「えっと…もう、めんどくさいからそのまま言っちゃうけど…勇太が…飛鳥君のこと好きだってこと…」
「…うん。覚えてるよ。」
「…そっか。」
「…ボソほんと、ふざけんなよ。」
「え?」
「ううん、何でもないよ。」

やっぱり知っているんだっ。
じゃあ…もう返事してしまったのだろうか?


「えっと…もし、まだ返事してなかったら…、おれの意見な訳で全然聞いてくれなくていいんだけど…」

「ううん、亮君のことは聞くよ。」

「あっ…勇太を振るときはしっかり振ってあげてくれないかな…?」

おれがそういうと飛鳥君の顔が少し変わったような気がした。けど、そのまま、続けた。

「勇太、好きな人できるの多分はじめてで…おれ、ほんとびっくりしてて!
しかも男の子な訳だし…。
色々思うかもしれないけど…でも、きちんと振ってやんないとあいつ、きっと期待しちゃうっていうか…なんていうんだろう。
…というか、おれがいうことじゃ、なくね?…お節介だよな…。
あ、イヤだったらいいんだ!飛鳥君の自由な訳だしっ!おれから勇太にいっとくし…だから、うーんと…」

だんだん自分が何を言いたいのかわからなくなった。なんていえばいいのだろつ?なんていえば…伝わるのだろう…。

「勇太のこと…嫌いにならないで…」

わからない。だから…こんな曖昧なことしか言えない。
おれが二人の間に入る必要なんてない。
二人の問題だ。けど…おれは────勇太のこと嫌いになってほしくなかった。だって勇太の好きな人だから。

「──────ほんとに、変わってない」

飛鳥君の声が聞こえた。はじめて…聞いた声。苦しそう?いや…怒ってる?

「君は勇太、勇太って…いつも弟のことばっかりなんだな…。」
「えっ…」
「わかってた。けど───やっぱりムカつくっ。」


ムカ…?おれはポカーンと飛鳥君を見る。
あれ?今の声なに?飛鳥君…?いやいや、飛鳥君がそんな声出すわけないし…気のせいか…。

「…ごめん。もう、無理だ。」

そう声が聞こえ────目の前が飛鳥君で染まった。

飛鳥君がとても近かった。どうして…?
と思っているとおれの手を腕を…腰を掴まれていた…。おれはそれに反応できず…

ただただ…飛鳥君を─────


「っ─────んっ!??」


そして、知らない感触を知った。

どこから?だれが?把握が出来ずおれは──何も出来なかった。
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