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番外編 合コン
4話 弟、乱入!そして…はいはい、モテますよねぇ…所詮人は見た目ですよ…
しおりを挟む──────なんと、毎日のように聞いている声が聞こえた。
ヤバいっ…とこの場から逃げようとする。
「黎…おれ、もう、帰る。」
「ん?なんでだ?」
おれが帰りの支度をしようとしていると…
「────────いた。」
低い声が響き渡る。
他の女子たちもその声にびっくりしていた。
「この、クソ兄貴がぁっ!!!」
いきなりおれの頭に携帯が飛んできた。
がんっ!!っと直撃する。
痛いっ…、とても。
「てめぇっ────なにしてんだ?このくそがっ…!!」
前を見ると───勇太がはぁはぁっと息を吐きながらギロッとおれを見て立っていた。
『兄貴殺すマジで殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す──』
勇太の心の声が聞こえてくる。ひぃいっと体が震える。
「あっ…。」
「なにって飲み会だが。」
黎が硬直したおれの変わりに答えてくれた。
「なにが飲み会だ?合コンじゃねぇかっ…!!」
「ん?飲み会じゃないのか?」
黎はわからず首を傾げていた。
「おい、兄貴。帰るぞ?家に帰ったら…覚えておけよ…?」
勇太はにこっと微笑みながら怖いことを言ってくる。怖いっ…!その笑顔がとても怖いっ!!
「え!?このイケメンな人、亮君の弟!?」
「えー!ちょーかっこいいんですけど!!」
女子たちはキャーキャー騒いでいたが…おれの心は真っ白になっていた。
「うるせぇ…。黙れよこのクソ共がっ!!」
勇太は女子たちをまるでゴミのような目をして睨んでいた。
「えー、そんなこと言わないで一緒に飲みましょうっ!」
女子たちは強引に連れて行かれると席に無理やり座らさせていた。
「てめぇ…なに触ってんだ…?マジで殺すっ…!!」
「そんなこと言わないでぇっ。さぁさぁっ♡♡」
女子たちの強引な誘いに勇太は捕まってしまい、機嫌が悪そうにこちらを睨んでいた。
─────怖い、視線で人を殺しそうだっ…!!
「ねぇ、亮君の弟さんでしょ?なんていうの?」
「死ね。」
「亮の弟は…日比谷 勇太(ひびや ゆうた)という。おれと同じ学校で高一だ。よろしくといっている。」
なぜが黎が勇太の通訳をしていた。
「へぇっ。そうなんだっ!こういう人、ちょっータイプ♡私とかどうですか?」
「おれはゴミとは付き合わねぇ。」
「ゴミって酷い♡」
あははっと女子は勇太に暴言を言われているのにも関わらず笑っていた。
えぇ…、どういうメンタルしてんの?なんでゴミ扱いされて笑ってられるの?意味がわからんっ…!!
そして…こう見ると…やっぱり勇太はモテるんだなっと思った。
特に中学の頃はモテていた。まぁ、不良をしていたため隠れファンが多かったが…。あんだけ見た目がよければ…嫌でも女が寄ってくるとは思うが…。
今は…あのブリッコキャラであるためモテてはいない。だが、女子の友達は沢山いるらしく休み時間に話している姿はよく見る。
というか…今日はブリッコキャラをしていないな…と感じた。もしかして学校だけなのか…?
ブリッコキャラなんてやめればいいのに…そしたら勇太は沢山の人にモテるだろうに…。
────なんでキャラをつくっているのだろう。不思議だ。
「ねぇ、勇太ぁっ。」
「その脂肪、当てんじゃねぇ。きめぇ。」
「えー、おっぱいは当たっちゃうのぉ。」
「もー、メグ大胆過ぎー!」
キャッキャと女子が勇太に絡んでいた。女子は勇太派と黎派で分かれていた。他の男子はギリギリおれたちを呪っているような目で睨みつけていた。…なんか、ごめん。
そして、なんかもやっとした。勇太がキャラをとって女の子と話しているのがだ。おれにはキャラつくってるのに…なんで…。
「どうした?亮。」
「…いや、なんでもないよ。」
おれがはぁっとため息をつくと黎がおれのおでこと自分のおでこを当てた。
「ひゃっ…!?」
びっくりして変な声を上げてしまう。
「熱は…ないな。」
黎がおれの頬を触ろうとすると───
シュッと何かが飛んできた。
黎はそれを華麗に避けた。それは…勇太の箸だった。
「わりぃ、滑った。」
勇太はギリギリとおれたちを睨みながらもう一つの箸でおれたちを刺していた。
「新しい箸───とってくんね?」
その言葉に黎が箸を勇太に渡す。
「────てめぇボソッ兄貴に近づくんじゃねぇ。今度はフォーク飛ばすぞ。」
「なら、おれはナイフを飛ばす。」
「あぁ!?かかってこいよっ!!」
そしてなぜか喧嘩が始まってしまった。
や、やめろぉっ!!!
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