808 / 1,055
- 26章 -
- それは白く輝く -
しおりを挟む唸りながらあまりにも真剣に考える安積の姿にクリスマスの定番と言えば2つしか思い浮かばない自分がおかしいのかと若干不安にもなってくる。
「決まった?」
「あぁ」
「じゃぁ、いくよ? せーのっ!」
「ローストチキンっ!!」
「ローストビーフ 」
「「……………」」
「いや、チキンかな?」
「だよなっ!?」
一瞬にして悲しそうに染まった安積の顔に即座に言い直す。どちらもクリスマスらしいメニューだしどちらとも嫌いでもない。となれば安積が選んだ方にしない選択肢はないだろう。
「あっ、でもローストビーフも捨てがたいな…冷凍してたのがあったはずだし…」
「じゃぁ両方にすれば」
「んー…でも肉に肉って変じゃない?」
「肉料理が2個あったって別に変じゃねぇだろ」
「そう、かな?」
「そうだろ」
「そっか!!」
携帯を取り出しメモ帳を開くと必要な材料を打ち出す安積を見つつ頭の中にレシピが入っていと言う事に関心を覚える。
自分じゃいくら考えたところで、牛肉の塊!骨付きの鶏肉!くらいしか思い浮かばない…
「じゃー、メインは? 米?パン?パスタ?」
「…パンかパスタかな」
「良いね!トマト系のパスタならチーズ盛りだくさんにして、コンソメでポトフとか鶏ガラで卵スープとか、シンプルに醤油ベースのワカメスープとかでも良いな!クリームとかオイル系ならミネストローネでも良いよね!!」
「…そうだな」
「パンだったら…シチューかな? あー、でもカリカリに焼いたフランスパンにアヒージョ乗っけて食べるのも捨てがたいし…やばっ、ちょー迷うっ!!なにが良いっ!?」
「なにが………」
「サラダはポテトサラダとかマカロニサラダとか、周りを葉物で囲ってリースっぽくするのもクリスマスっ!って感じで良いよな!難しいけどカラフルな野菜いっぱい使って生春巻とか!!けど、カルパッチョも食いたいなぁ…」
「サーモン好きだよな、お前」
「大好きっ!! ねぇ、何にしよっかっ!?」
「…お前が食べたいので良いよ」
「なにそれ適当っ!? 一緒に考えてよー!折角一緒に食べんのにっ!!」
「いや、そーいうんじゃなくて、ポンポン出すぎて付いていけねぇ」
「ーえっ?ご、 ごめん…そんなだった?」
「お前らみたいに自炊なんてそうそうしないからな。明だったら付いていけるんだろうけど」
『やば…自分で言ってダメージ』
しかしここで黙ってしまったら余計な気を使わせてしまう。出来るだけなんでもない風を装いつつ一度目を閉じ気持ちを切り替える。
0
お気に入りに追加
16
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
食事届いたけど配達員のほうを食べました
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
なぜ自転車に乗る人はピチピチのエロい服を着ているのか?
そう思っていたところに、食事を届けにきたデリバリー配達員の男子大学生がピチピチのサイクルウェアを着ていた。イケメンな上に筋肉質でエロかったので、追加料金を払って、メシではなく彼を食べることにした。
3人の弟に逆らえない
ポメ
BL
優秀な3つ子に調教される兄の話です。
主人公:高校2年生の瑠璃
長男の嵐は活発な性格で運動神経抜群のワイルド男子。
次男の健二は大人しい性格で勉学が得意の清楚系王子。
三男の翔斗は無口だが機械に強く、研究オタクっぽい。黒髪で少し地味だがメガネを取ると意外とかっこいい?
3人とも高身長でルックスが良いと学校ではモテまくっている。
しかし、同時に超がつくブラコンとも言われているとか?
そんな3つ子に溺愛される瑠璃の話。
調教・お仕置き・近親相姦が苦手な方はご注意くださいm(_ _)m
部室強制監獄
裕光
BL
夜8時に毎日更新します!
高校2年生サッカー部所属の祐介。
先輩・後輩・同級生みんなから親しく人望がとても厚い。
ある日の夜。
剣道部の同級生 蓮と夜飯に行った所途中からプチッと記憶が途切れてしまう
気づいたら剣道部の部室に拘束されて身動きは取れなくなっていた
現れたのは蓮ともう1人。
1個上の剣道部蓮の先輩の大野だ。
そして大野は裕介に向かって言った。
大野「お前も肉便器に改造してやる」
大野は蓮に裕介のサッカーの練習着を渡すと中を開けて―…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる