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- 25章 -
- 幸せの相違 -
しおりを挟む「これは、なかなか難しいなぁw」
「木の実みたいに押し込めないからねぇ」
2枚の花弁を宛がいながらどうしたものかと悩んでいると隣で小さく吹き出す音が聞こえ、何事かと振り向けば笑いを堪える様に口元を隠した兄か楽しそうに弟を見ていた。
「えっ、なに??」
「いや、なんでもないっ! 埋め込むんじゃなくて雪で押さえ込んでみたら?こう、周辺をぐるっとさ」
「成る程! えと…こんな感じ? おっ、良い感じじゃー」
「ふっ」
「ん?」
「…ふっ、あはははっ、もー無理何これっ、最高っww」
「えっ!? なになにっ!?なに急にっ!?」
何かに耐えきれなくなったようで膝を着き笑い始める兄へ不信の目を向けてから今一度雪うさぎを見る。
そんなに笑い転げるほど可笑しいだろうか?
わりと良くできてると思うのだけれど…
「いや、なんかほら、あれ、あれみたいじゃないっ!?3分で星に帰るあの人の目っ!強そーw」
「3分って……あっ!!聖これっ!!狙って作らせたでしょっ!?さっき笑ったのっ!これ企んでたからでしょっ!!」
「だってしょうがないよね、こーしたらそれっぽいって思っちゃったんだもんww」
「もんっ、じゃねーよっ!? 真剣に作ってたのにっ!!」
「失礼だねっ!俺も真剣だよっ!?よし、俺もつーくろー!どんなんにしようかなぁー!」
「真剣に人からかうとか酷くないっ!?」
「あんまり普通のだとつまらないしなぁー」
「ちょっと!?スルーは酷いよっ!?」
非難の声を完全にスルーすると両手で包み込むように雪を寄せ集め、一度力を込めるだけでいとも簡単に体部分を作ってしまった兄に苛立ちもどこかへぶっ飛び無駄に感心してしまう。
そして耳代わりの葉が立てられ、花弁を…
花弁をー…
「……ねぇ、聖。怖い」
「 なかなかイケてるでしょっ!?」
兄の作った雪うさぎは弟のとは違い、目の部分に作った雪の突起に、中央に穴を空けた花弁を引っ掻け…そう、言うなればこう、“ ᯣ ᯣ ” こうなっている。
なんだか、目があっているような気さえしてくる。
「なんか夢に出てきそうww」
「そんなに誉められると照れるよーw」
2つ並ぶ雪うさぎ、といえば聞こえは可愛いけれど、実際のこれは全然可愛くない。なんでこうなってしまったのか…は、一目瞭然兄のイタズラ心と独特なセンスなのだけれど。
でもー
「もう、ホントなにこれっww 怖いし可愛くないし、思ってたのと違いすぎるっww」
「えぇー、これはこれで可愛いと思うんだけどなぁ」
「可愛いというより笑いとりに行ってるよね絶対この雪うさぎ達っ!」
「それは…確かにっw せっかくだし写真撮っておかなきゃっ!!バエだよこれはっ!!ほら、並んで!」
「この雪うさぎとっ!?」
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