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- 22章 -
- 不調和 -.
しおりを挟むそしてそれは、その時だけではなかった。
文化祭から2週間ほど経った今もそんな感じだ。
けれどそれは“起きてしまった何か”に触れて欲しくないと全力で体現しているかのようでもあり、それ以外に気になる違和感もあるにはあるのだけどー
その日は珍しく、班乃以外の4人でファストフードに来ていた。
「でさ!そん時足もとみたらさぁ~」
「えっ、なにそれちょー怖いww」
「でしょー!?ww」
相変わらず安積のテンションが高い。あれから常にそんな感じで、端から見たら良いことがあったのか?と思うかもしれないけれど……
自分の隣では無表情で鈴橋がポテトを口に放り込んでいる。
『少しは旨そうに食えよな…まぁ、こいつが旨い旨い言いながら笑顔で飯食うイメージはまったく浮かばなー…』
「鬱陶しいな」
『!?』
それは隣にいてしまったが故に聞こえたくらいの小さい声だったが、確かに聞こえた。恐る恐る声の主、鈴橋を見るが、先ほどと変わらずポテトを口に放り込みつつ無表情で安積達へ視線を向けていた。
じっくりと咀嚼し飲み込んで、飲み物で喉を潤し1つ溜め息をはく。そしてー
「安積」
「ん!?」
「うるさい」
「Σ ん!?」
『Σ あれ!?言い方ちょっとマイルドっ!?』
どうやら少しは配慮する気持ちはあるようだ。困惑する安積を他所に食べ終わったポテトの箱を掌で押し潰した鈴橋は座わらせた目で睨みを効かせる。
「お前、楽しいか?」
「えっ、今っ!?ちょー楽しいよっ!なんで!?」
「気持ち悪い。顔が」
「Σ 顔ぉっ!? えっ、なんかごめんっ!??」
脈絡もなく突然投げ掛けられた容赦ない言葉に反射的に謝った安積は、助けを求める様に隣に座る植野を求め涙目で見上げる。
「ねっ、ねぇ!?がっくんがなんか怖いんだけど!?なんか急にディスられたんだけどっ!?俺なんかしちゃったっ!?」
「なんか…うーん、そーだなぁー…」
『まぁ…がっくんの気持ちは分からなくはないんだけど。まったく、損な性格してるんだから』
内心そんなことを思いながら、怒られたと思われてもしょうがない言い方しか出来ない不器用さに苦笑するしかない。
「….しちゃったというか…まぁ、あれは怒ってるんじゃなくて、心配してるんだよ」
「心配っ!?なんの!?なんか分からんけど、やだもうっ!!ちょー嬉しいっ!!ありがとがっくんっ!!」
先程とは打って変わって両頬に手を添え恋する乙女のような表情を向けられた鈴橋は、今度は隠すことなく盛大に舌打ちを返した。
そしてー
「鬱とぉぅむっ」
「д゚)!!!?」
「…………」
「……わりっ、つい」
『絶対言う!!
こいつ絶対言う!!
鬱陶しいって言うっ!!』
舌打ちした瞬間、瞬時に思い浮かんだそんな市ノ瀬の予想を裏切ることなくその通りの言葉を発した鈴橋の口を咄嗟に押さえる。
向けられた怒りMAXの鋭い視線がちょっと怖い…。
だが鈴橋が口を開くよりもなにかするよりも先に、瞬時に伸ばされた手が市ノ瀬の腕をー
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