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- 20章 -
-文化祭っ!!-
しおりを挟む「居たんだっww」
「居たよ、ずっと」
「すいません、ちょっと他の方のインパクトが強すぎて」
「あー…まぁ、そうだな。それは、しょうがねぇよ」
すでに市ノ瀬が鎮座しており焼きそばを半分程食べ終わろうとしていた所だった。若干元気がない、というか引き気味のテンションになってしまっているのは、OBが揃っている所に居合わせたのが初めてならば致し方ないだろう。
シェアしやすいようにと班乃と並び腰を下ろした安積は、ここでようやく先程まで居た筈の兄の姿がないことに気がついた。
「あれっ?聖は??」
席に着き焼きそばの蓋にはお好み焼きを、お好み焼きの蓋には焼きそばをと班乃と2人取り分けながら、先程まで一緒に居たはずの秋山に問いかけてみる。
「ひー君ならお手洗いと野暮用だって」
「野暮用って、今?なんだろうね??」
「さぁ?」
「ま、急に居なくなるのはいつもの事だし気にすんな。放って置いてもその内戻ってくるから」
と、若干疲れた声で登場したのは、お礼に!とくれた全メニューを1つずつ手にした長谷川だった。
「てっちゃんお疲れ様っ!!もういいの?」
「あと10分くらいで交代来るから大丈夫だって。作り置きもある程度出来てるからもう平気だろ。あー腹減ったぁー」
月影達に囃し立てられたうえ生徒達からも頼み込まれた時はどうするべきかと迷いもしたし、この歳になって文化祭ホスト側を体験するなんて思ってもみなかった。
のんびり遊びに来た筈なのにと思いつつも、学生時代に戻ったようでなかなか楽しかったのは事実でもあり、これはこれで良い思い出になったと納得することにした。
もらったお好み焼きの蓋を開ければ、真っ白な湯気と共に踊る鰹節と青のりの匂いが香り立ち、ソースが艶々と光を放つ。
全力で遊ぶ友人を横目に暑さに耐え空腹で作り続けた今の長谷川にとっては世界一の食べ物にさえ見えるほどで、植野が来るまで待とうと思っていたが待てそうもない。
手を合わせ小さくいただきますと呟くと、ようやく“祭りを楽しむゲスト”へと戻っていった。
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