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慰弦

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- 18章 -

- 疑惑 -

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「「なんか…なんつーか…」」


あれから予定通り安積宅に集まり、ロミオとジュリエットを観賞した3人だったのだが…


「「イメージと違う…」」

「そう…ですね」


見終わった直後3人が3人同じような感想を口にした。


「あれ、あっきーは見たことあったんじゃ?」

「まぁ、そうなんですけど…3、4年くらいは前の事でして…当時余り興味を持って見たわけではないので…なんと言いますか、こんな感じだったっかな?感が否めないですね…」

「なるほど」

「なんかさ…乳母とかパーティーに居た人とか言ってたけどさ…今一ロミオに誠実さが感じられないんだよね。なんだかんだ乳母の事とかおちょくった言動とかしてるし…マキューシオと割と同レベルな事してない?」

「ってか、本当にマキューシオと友人なのかこれ?そんな感じ全くしないんだが?」

「マキューシオに強く出きれなくて流されつつ同じように馬鹿やって、ヤバイぞって止めに入ったけど止められなくて〝殺された!あいつめっ!!〟って…なんか、自業自得というかなんというか…」

「なんか、全体的におちょくりも喧嘩も本気なのか冗談なのかよくわからん」

「まぁ、恋心だけは本気と言うことで…」

「それは間違いないww一目惚れであそこまで熱が上がるのもすごいよねぇ」

「若気の至りって怖ぇな」

「神父様は策師策に溺れた、でしたね。最後逃げてしまう辺り人間味があって僕的にはちょっと好感持てましたけど。でも、やっぱり急ぎの用なのになんでロバって思いましたが…」

「なんか」

「なんだか」

「なんだかなぁ…」


大人の事情に翻弄される若い2人の悲劇の物語。

間違ってはない。
 間違ってはないのだけど。


「「「なんか違う」」」


ボロクソ言っているが別に駄作だとかそういう事ではない。ただただ、持っていたイメージと違い過ぎて戸惑いしか生まれなかった。


「えっと、まぁ、台本読んだ限りでは言い回しも大衆向けな感じだったり、友人感も誠実感も感じられるようにはなってますし… 余り惑わされずに頑張りましょう」

「…そうだな」

「まぁ、そういうのが映画を見たときの違和感に繋がる訳だけどねw」

「確かにw本家に惑わされないようにってのも変な感じだしなw」

「「「…………………」」」

「……さて、今日台本配られたばかりですし、暗記しつつ、役作りや雰囲気が掴みづらい所とかがあれば相談しつつでやっていきましょうか」


『『聞かなかった事にしたっ!?』』


面倒になったのか早く暗記を進めたかったのか…有無を言わせないような笑顔の後、班乃はそそくさとイヤホンを取り出し台本を開く、といういつもの暗記体制に入った。

それを見た市ノ瀬と安積はちらりと視線を合わせ、苦笑を交わしたのち各々暗記へと意識を集中させ始めたのだった。
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