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- 16章 -
-本番と恋の始まり-
しおりを挟む「…あの人見て、人生1驚いたんだ」
「驚いた、ですか?」
2人も見たことはないと伝えた時から、市ノ瀬が心なしか興奮強めたように嬉しそうな顔をしていた事も気になっていたが…
続いて出た市ノ瀬の言葉にー
「あんな綺麗な女の人、居るんだってっ!」
「ぶはっ!! 」
「「っ!?」」
「はっ、…ははっ、あははっ!! ふっ、ふふっ…ふはははっ! 女っ、女ってっ、お前っ!!ぁはっ、あははっ!!」
そのあまりにも不意打ち過ぎる言葉に、思わず吹き出した安積の笑いがこだまする。
『聖が女っ、聖が女ってww』
「なっ、んだよっ!?」
「ぃやっ、だってっ!あいつっ!!あい、つ…は」
「……安積、貴方」
「あいつは、って?」
「………っ!」
行き成り大爆笑し始めた安積を見る市ノ瀬は、訳わからなそうな表情を浮かべながらもあからさまに不振そうにしている。
『やべっ…』
今からどう誤魔化そうか…
自分の事だ。あれやこれや考えれば考えるだけボロが出るのは分かっている。あまり考えるでもなく後ろ姿しか見たことない体で、自分が出来る誤魔化しと言えばー
「いやっ、だってほら!どう考えたって大爆笑もんじゃんっ!?確かに髪は長いけど、後ろ姿見ただけでもめちゃくちゃタッパあるって分かるし、女性だってのは無理があるって!」
女性としては無理がある身長くらいしか思い付かなかった。
ねっ、と同意を求めるように班乃を見るとこのタイミングで話を振られるとは思っていなかったようで珍しくうろたえたような顔を見せた。
「えっ、えぇ。 そうですね。あれは…きっと僕達より高いと思いますよ」
「でかいから女じゃないって決めつけるのは早計だろ。希なだけで2m近くある女もいる訳だし」
「それは、そうかもだけど…そんな希な大きい女の人が男子校で更に関係者意外立ち入り禁止の校内にいるって…可能性低すぎだろ?」
「でかいでかい言うなよ。気にしてるかもだろ。ま、あんだけ美人なら俺は高身長でも気にしないけど」
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