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- 15章 -
- 波乱 -
しおりを挟む安積が居なくなった屋上で、張り詰めた空気が一気になくなり3人は詰めていた息を吐いた。
「会長…一体なにがあったんですか?めっちゃくちゃお怒り中ですよね、せーちゃん」
「いつも通りとか言いつつあからさまにおかしい…って言うか、普段そういうのに無縁そうな奴が機嫌悪いと地味に怖いですけど」
「なんかすいません…ちょっと、色々とありして。 僕にも原因があるので、僕が何とかします。暫し不都合おかけしてしまうかもしれませんが、少し待ってもらって良いですか?」
「まぁ、会長がそういうなら俺は構いませんけど…」
「言いづらい事もあるしね…」
と言いつつも、どこか腑に落ちない顔をしている。
全部話せば長くなってしまうし、正直この話はしたくはない。だがこの2人は安積を心底心配してくれているし、共に行動する事も多い…
ここはざっくりとでも話しておくべき所だろう。
「…まぁ、あれです。原因は僕の校則違反でして」
「…校則違反?してましたっけ?」
「指輪していたでしょ? その事がとある子を刺激してしまって…」
「あぁ、市ノ瀬って奴だな」
「…えぇ、まぁ」
「で、そいつがどうしたんですか?」
「えと…その子が怒って指輪を投げ捨ててしまって、それで安積までが怒ってしまって、ちょっと色々とね」
「はぁ?たかがそれくらいでっ?馬鹿なのそいつっ?」
「…見た目通りの糞やろうだな。指輪、前に大事な物なんだって話してましたよね?会長は大丈夫ですか?」
「えぇ、大丈夫ですよ。ありがとうございます。ただ少し教室の空気が重くなってしまって。市ノ瀬君に対しての批判の目が、ね…転校してきたばかりなので余りこういう事は嫌なんですけど…」
感情に任せ手を上げはしたものの理由が理由だからか安積が責められることはなく、そのこと自体は安堵したのだけれど…
その理由のせいで市ノ瀬が孤立してしまわないかが心配だ。最悪好かれこそしなくとも、平和な学生生活を送ってほしいと思う。
自分の未練がこんな事態を引き起こしてしまうなんて思ってもみなかった。
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