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- 7章 -
- 子供達の救世主 -
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同時刻頃、学校近くの公園に安積と班乃の姿があった。
「二人の愛は許されないもの…貴方と私では生きる世界も時間も違うもの」
「そんな事はないっ!俺は君を愛しているっ!たとえ元の世界に戻れなくとも、君と共に居られるのなら全てを捨てられるっ!」
「貴方、なにを言っているのか分かっている?元の世界に戻れないと言うことは、貴方の家族も友人も……友人もーー…あー…」
「友人とも二度と会えないと言うことなのよ?ですよー」
「あーそうだそうだ」
二人は学校を出ると、制服姿のまま台本片手に公園で演劇の練習をしていた。
周りには子ずれの親子、カップル、帰宅途中の学生達がそれぞれの時間を過ごしていた。中には二人の練習を面白そうに眺める人も居たが。
「あーもうっ、本っっ当暗記嫌いっ!!」
「でも演劇楽しいでしょ?」
「うんっ!」
矛盾してないか?
ひっそり思ったりもしたが、楽しんでくれているのはやはり嬉しい。班乃としても安積と一緒に練習するのは楽しくてしょうがない。
一生懸命やってる姿を見ると、自分も触発されて俄然やる気もでる。
「でもさぁー」
「なんです?」
近くのベンチへと腰を掛け台本をスポーツドリンクに持ち変えた安積は、1度周囲を見渡した後班乃へと視線を止めた。
班乃は顔が良い。スタイルも良いし声も通る。
そんな人物が熱い愛の言葉を叫ぼう物なら、周りの視線は集まり放題だ。
女子学生達だけではなく、オフィスカジュアルに身を包んだ女性達の視線すらも…
「…神様は生まれた時から人々に不公平だっ」
「はい?」
「なんでもないよ」
安積は意識的に周りの視線に無視を決め込むと、再び台本を手に取りセリフを読みながら立ち上がった。それにあわせるようにして班乃も立ちあがり安積の前へと移動すると練習を再開する。
「貴方の気持ちはとても嬉しい。私では貴方を幸せに出来ないかもしれないけれど…それでも貴方が私と共に居てくれると言うなら…」
「…セリーヌ」
「私は喜んで貴方と一緒に居……たくないから早く帰ってっ」
「…安積、そこは一緒に居ますわ、なんですが」
「知ってるよっ」
「えぇー……?」
「やり直すねっ!!」
「…はぁ」
自身が注目を集めているという自覚のない班乃は無視を決め込みきれなかった安積の恨み言に戸惑いながらも、半ギレ状態でセリフを読み始めた安積により一応仲良く練習を再開したのだった。
「二人の愛は許されないもの…貴方と私では生きる世界も時間も違うもの」
「そんな事はないっ!俺は君を愛しているっ!たとえ元の世界に戻れなくとも、君と共に居られるのなら全てを捨てられるっ!」
「貴方、なにを言っているのか分かっている?元の世界に戻れないと言うことは、貴方の家族も友人も……友人もーー…あー…」
「友人とも二度と会えないと言うことなのよ?ですよー」
「あーそうだそうだ」
二人は学校を出ると、制服姿のまま台本片手に公園で演劇の練習をしていた。
周りには子ずれの親子、カップル、帰宅途中の学生達がそれぞれの時間を過ごしていた。中には二人の練習を面白そうに眺める人も居たが。
「あーもうっ、本っっ当暗記嫌いっ!!」
「でも演劇楽しいでしょ?」
「うんっ!」
矛盾してないか?
ひっそり思ったりもしたが、楽しんでくれているのはやはり嬉しい。班乃としても安積と一緒に練習するのは楽しくてしょうがない。
一生懸命やってる姿を見ると、自分も触発されて俄然やる気もでる。
「でもさぁー」
「なんです?」
近くのベンチへと腰を掛け台本をスポーツドリンクに持ち変えた安積は、1度周囲を見渡した後班乃へと視線を止めた。
班乃は顔が良い。スタイルも良いし声も通る。
そんな人物が熱い愛の言葉を叫ぼう物なら、周りの視線は集まり放題だ。
女子学生達だけではなく、オフィスカジュアルに身を包んだ女性達の視線すらも…
「…神様は生まれた時から人々に不公平だっ」
「はい?」
「なんでもないよ」
安積は意識的に周りの視線に無視を決め込むと、再び台本を手に取りセリフを読みながら立ち上がった。それにあわせるようにして班乃も立ちあがり安積の前へと移動すると練習を再開する。
「貴方の気持ちはとても嬉しい。私では貴方を幸せに出来ないかもしれないけれど…それでも貴方が私と共に居てくれると言うなら…」
「…セリーヌ」
「私は喜んで貴方と一緒に居……たくないから早く帰ってっ」
「…安積、そこは一緒に居ますわ、なんですが」
「知ってるよっ」
「えぇー……?」
「やり直すねっ!!」
「…はぁ」
自身が注目を集めているという自覚のない班乃は無視を決め込みきれなかった安積の恨み言に戸惑いながらも、半ギレ状態でセリフを読み始めた安積により一応仲良く練習を再開したのだった。
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