8 / 10
第十三章
亡霊~後編~
しおりを挟む
なんとか汗は流れていない。このぐらいの運動量では属性使いは汗は流れない。が、足元は取られそうになる。こちらの問題は属性使いだろうが何だろうが関係ない。山道は走りにくい。ならばなぜこんなところを走っているのか、否。
ここをあえて選ぶことで、相手の視界から一度離れるためだ。
分かれ道が見え、直感的に右の道に飛び込むと即座に【光歪曲迷彩】を発動する。そのまま身をひそめると、すぐに走ってきた剣士が見事ともいえる速度でこちらに走ってきた。が、物陰に潜んでいるこちらに気付いている風もなく、そのまま通りすぎる。スキルを使ったまま後ろを追いかけて、途中でスキルを解除。迷彩を多用しないのは頭が痛くなるからだ。長時間使っていると頭が痛くなる。氷河も迷彩は持っているが、彼の発動時の頭痛はかなりひどいらしい。
「……まじかよッ!?」
毒づきながら前の剣士が走るスピードを速める。逆の立場になったことをいいことに、走りながらソードスキルを撃つために剣を構える。肩の上で右手の剣をぐるぐると回すと、全体重をかけながら地面にその剣を叩きつける。その瞬間に剣と地面の接触点から三方向へと地面がひび割れる。
「……嘘だろ…」
何とか今の斬撃を避けたらしい男が地面にできたヒビとこちらを見ながらフリーズしている。呆然としているところに申し訳ないが、相手が止まると恰好の的になる。素早く右手の剣を引き戻すとダッシュする。向こうも観念したのか、剣を構えている。右からの全力の水平斬りを防御される。が、そこでは終わらずに防御されて滑った剣先を、そのまま突き込む。左からの高速の突きに何とか反応したのは素晴らしい。が、剣の側面にあたって止まった剣をまだ止める訳にはいかない。手首を返して剣に擦り当てながらも右に振りぬく。それとほぼ同時に左足で相手の剣を蹴り飛ばす。相手の体勢が崩れると同時に俺は小ステップを挟んでから再び急接近。それと同時に右肩、右腕を引き絞って、赤い光と轟音と共に【アルビレオ】が剣士の体を吹き飛ばす。コアブレイクする寸前に、ここへ来るときに使った転移石に戻されて姿が消える。これで知る限り三人が脱落したはずだ。
統一剣術大会本戦。この大会開始からすでに三十分が経過していた。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
おかしい。本戦開始三十分が経過した段階で、すでに残りの参加者と出会わなくなった。あまりに早すぎる。が、かと言って通り名も何も無い俺からすれば、強者に連続で遭遇するよりかは百倍マシなのだが。もしくは俺の近くにたまたま来ないだけなのか。それとも、何か恐ろしく強い参加者がいるのか。今回参加している剣士の中では、実力が拮抗している2強、ライト・ブローラスとゼクルが優勝候補だ。あの騎士団長もかなりの剣の使い手だが、しかしこの三十分でほとんどの参加者を全滅させるほどではないはずだ。ならばやはり、あの男。あの黒衣の伝説が、実力を全く衰えさせずにいたというのか?
「いや、違う…」
あの男とは昔、話したことがある。まだ属性使いとして、剣士として戦いはじめたばかりの頃、俺とさほど変わらない年齢にも関わらず、戦いの前線に立っていたあの男は、剣術大会の常連だった。緊張しながら、剣の教えを乞いに行ったとき、あの男は2つ返事でその無茶な願いに応じた。剣術だけではなく、剣士としての責任も同時に俺に叩き込んでくれた。
あの男が、無駄に力を見せつけるようなことをするはずがない。
向こうは覚えていないだろう。それでいい。構わない。だが、俺は忘れない。あの時がなければ、俺はこの場に立っていない。確かに謎は多い。なぜあの人格者が、と。だが、その疑問もあの時に消えた。やはり何か理由があったのだろうと。
ならば。この現在の不可思議な現象は、単純に相手が近くにいないだけか。もしくは、第三勢力の登場か。だとしたら、おそらく最近目撃されているあの男だろう。過去に魔神王を倒した星の三戦士の一人、リゲル。あの男が首都に帰ってきているのなら、このスピードも致し方ない。おそらくあの男は、ゼクルを圧倒できる数少ない剣士だ。
俺の予想が正しければ、この大会は完全な番狂わせが起きる。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
俺が一人、廃墟の中を歩く。ただ一人、ずっと一人。廃墟にしては整理されているらしく、瓦礫は建物内にはあまりなく、小さな欠片も廊下の端に寄せられている。右側の窓は外に広がる平原と崩れた巨大な時代の残骸を映すことで、ここが一階であることを示している。そして同時に、吹き抜ける風がここが廃墟になってからの時間がガラスの耐えられる年月をとうに過ぎていることも伝える。
ここに、一つのレコーダーがある。そのレコーダーは俺を導くように、しきりに一つの座標をつぶやく。おそらくその座標のつぶやきをループするように設定あるいは改造されているらしい。このレコーダーは、先日、俺の家に届いたものだ。差出人は不明。ただこれだけが封筒に入って送られてきた。
座標はここ、インビジブル西七区の廃墟を指している。この廃墟のどこに何が待っているのか、俺は何も知らないが、俺の本能がそこへ行けと言う。
ジリジリとした雰囲気が漂う廃墟は、俺を飲み込むようにその大きい気配を広げている。暗い廊下を進む。おそらくこの建物の中央に行くべきだろう。
「いや、ここ何階建てなんだ?」
はぁ、とため息をつきながらそれぞれの階の中央を見ながら最上階を目指すことにする。今頃剣術大会決勝が始まっている頃合いだ。そんなときに俺、ゼクルはこんな廃墟で探しものをしている。いつもと違う緑と灰色の軽量アーマーに身を包んでいるのは、丁度現在剣術大会決勝に出ている身代わりにコートを渡しているからである。
この軽量アーマーは二年ぶりだろうか。期間が空いているにも関わらず、やけに体に馴染むのはあの激動の日々、この鎧ばかり着て戦い続けていたからなのだろう。来る日も来る日も戦い続けて、そして代償という言葉の意味を深く理解した。この煤けた廃墟は、まるで俺の心だ。崩れきる寸前で、自分のものでは内なにがしかの力によって耐えている。俺だ。まごうことなく。
一階の中心部には何もなかった。その場から少しい離れた部屋に階段が見える。壁がないというのもこういうときには役に立つ。迷う暇もなく2階に上がったところで一部天井に穴が空いていることに気づく。どうやら2階で終了らしい。まぁ、小型に三階が設けられている可能性はあるが、あってもそう広くは無いだろうし、そこで打ち止めだ。上がってすぐがこの建物の中心部だ。別にダンジョンとして作られた訳では無いだろうし、わざわざ中心をずらすこともしない。まぁ、俺としてはダンジョンに入って宝箱を探しているような感情ではあるが。
意を決してその中央の部屋へと足を踏み入れる。破れまくったカーペットと、端に見える像の残骸から見るに、ここは貴族が住む屋敷だったらしい。奥は完全に天井が吹き飛んでいる。
「そうか……ここは」
思い出した、ここは俺の因縁の場所だ。俺のすべての終わりですべての始まり。あの事件が起きた場所。手紙の差出人は趣味が悪い。そもそもどうやって知ったのか。あの事件は完全になかったことに……されているはず。
いや、待て。何かおかしい。ここが、事件の場所だとしたら、なぜ残っている?ここまで残骸と化した建物を残して、事件を隠蔽できるはずがない。ならこの建物をわざわざ残した意味はなんだ。他の痕跡はすべて消えているはず。いや、それも俺が実際に確認したわけではない。隠蔽などされていない?だとしたら、あのときから俺は大量のマスコミに囲まれる生活をしていたはずだ。この事件を知っているのは誰だ。誰だ?誰がいる?
「遅かったじゃないか、ゼクルくん」
文字通り頭を抱えてうつむいていた俺に前から声を駆けたのが手紙の差出人か。ゆっくりと顔を上げる。反対側の壁、右側に扉がある。その扉から入ってきたのだろう、長身の男が壁伝いに俺の真正面へと移動していく。俺はその男の顔をただ凝視することしか出来ない。
「女神の聖杯の情報は見つかったかい?」
ただ黙っている俺に、その男が笑顔で声をかける。なぜ、お前がここにいる。なぜだ。よりによってお前が、こんなところに、一人で、護衛もつけずに。
「答えてくれなきゃわからないよ、ゼクル」
「てめぇ…ここで何やってる、カリバー……!」
ここをあえて選ぶことで、相手の視界から一度離れるためだ。
分かれ道が見え、直感的に右の道に飛び込むと即座に【光歪曲迷彩】を発動する。そのまま身をひそめると、すぐに走ってきた剣士が見事ともいえる速度でこちらに走ってきた。が、物陰に潜んでいるこちらに気付いている風もなく、そのまま通りすぎる。スキルを使ったまま後ろを追いかけて、途中でスキルを解除。迷彩を多用しないのは頭が痛くなるからだ。長時間使っていると頭が痛くなる。氷河も迷彩は持っているが、彼の発動時の頭痛はかなりひどいらしい。
「……まじかよッ!?」
毒づきながら前の剣士が走るスピードを速める。逆の立場になったことをいいことに、走りながらソードスキルを撃つために剣を構える。肩の上で右手の剣をぐるぐると回すと、全体重をかけながら地面にその剣を叩きつける。その瞬間に剣と地面の接触点から三方向へと地面がひび割れる。
「……嘘だろ…」
何とか今の斬撃を避けたらしい男が地面にできたヒビとこちらを見ながらフリーズしている。呆然としているところに申し訳ないが、相手が止まると恰好の的になる。素早く右手の剣を引き戻すとダッシュする。向こうも観念したのか、剣を構えている。右からの全力の水平斬りを防御される。が、そこでは終わらずに防御されて滑った剣先を、そのまま突き込む。左からの高速の突きに何とか反応したのは素晴らしい。が、剣の側面にあたって止まった剣をまだ止める訳にはいかない。手首を返して剣に擦り当てながらも右に振りぬく。それとほぼ同時に左足で相手の剣を蹴り飛ばす。相手の体勢が崩れると同時に俺は小ステップを挟んでから再び急接近。それと同時に右肩、右腕を引き絞って、赤い光と轟音と共に【アルビレオ】が剣士の体を吹き飛ばす。コアブレイクする寸前に、ここへ来るときに使った転移石に戻されて姿が消える。これで知る限り三人が脱落したはずだ。
統一剣術大会本戦。この大会開始からすでに三十分が経過していた。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
おかしい。本戦開始三十分が経過した段階で、すでに残りの参加者と出会わなくなった。あまりに早すぎる。が、かと言って通り名も何も無い俺からすれば、強者に連続で遭遇するよりかは百倍マシなのだが。もしくは俺の近くにたまたま来ないだけなのか。それとも、何か恐ろしく強い参加者がいるのか。今回参加している剣士の中では、実力が拮抗している2強、ライト・ブローラスとゼクルが優勝候補だ。あの騎士団長もかなりの剣の使い手だが、しかしこの三十分でほとんどの参加者を全滅させるほどではないはずだ。ならばやはり、あの男。あの黒衣の伝説が、実力を全く衰えさせずにいたというのか?
「いや、違う…」
あの男とは昔、話したことがある。まだ属性使いとして、剣士として戦いはじめたばかりの頃、俺とさほど変わらない年齢にも関わらず、戦いの前線に立っていたあの男は、剣術大会の常連だった。緊張しながら、剣の教えを乞いに行ったとき、あの男は2つ返事でその無茶な願いに応じた。剣術だけではなく、剣士としての責任も同時に俺に叩き込んでくれた。
あの男が、無駄に力を見せつけるようなことをするはずがない。
向こうは覚えていないだろう。それでいい。構わない。だが、俺は忘れない。あの時がなければ、俺はこの場に立っていない。確かに謎は多い。なぜあの人格者が、と。だが、その疑問もあの時に消えた。やはり何か理由があったのだろうと。
ならば。この現在の不可思議な現象は、単純に相手が近くにいないだけか。もしくは、第三勢力の登場か。だとしたら、おそらく最近目撃されているあの男だろう。過去に魔神王を倒した星の三戦士の一人、リゲル。あの男が首都に帰ってきているのなら、このスピードも致し方ない。おそらくあの男は、ゼクルを圧倒できる数少ない剣士だ。
俺の予想が正しければ、この大会は完全な番狂わせが起きる。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
俺が一人、廃墟の中を歩く。ただ一人、ずっと一人。廃墟にしては整理されているらしく、瓦礫は建物内にはあまりなく、小さな欠片も廊下の端に寄せられている。右側の窓は外に広がる平原と崩れた巨大な時代の残骸を映すことで、ここが一階であることを示している。そして同時に、吹き抜ける風がここが廃墟になってからの時間がガラスの耐えられる年月をとうに過ぎていることも伝える。
ここに、一つのレコーダーがある。そのレコーダーは俺を導くように、しきりに一つの座標をつぶやく。おそらくその座標のつぶやきをループするように設定あるいは改造されているらしい。このレコーダーは、先日、俺の家に届いたものだ。差出人は不明。ただこれだけが封筒に入って送られてきた。
座標はここ、インビジブル西七区の廃墟を指している。この廃墟のどこに何が待っているのか、俺は何も知らないが、俺の本能がそこへ行けと言う。
ジリジリとした雰囲気が漂う廃墟は、俺を飲み込むようにその大きい気配を広げている。暗い廊下を進む。おそらくこの建物の中央に行くべきだろう。
「いや、ここ何階建てなんだ?」
はぁ、とため息をつきながらそれぞれの階の中央を見ながら最上階を目指すことにする。今頃剣術大会決勝が始まっている頃合いだ。そんなときに俺、ゼクルはこんな廃墟で探しものをしている。いつもと違う緑と灰色の軽量アーマーに身を包んでいるのは、丁度現在剣術大会決勝に出ている身代わりにコートを渡しているからである。
この軽量アーマーは二年ぶりだろうか。期間が空いているにも関わらず、やけに体に馴染むのはあの激動の日々、この鎧ばかり着て戦い続けていたからなのだろう。来る日も来る日も戦い続けて、そして代償という言葉の意味を深く理解した。この煤けた廃墟は、まるで俺の心だ。崩れきる寸前で、自分のものでは内なにがしかの力によって耐えている。俺だ。まごうことなく。
一階の中心部には何もなかった。その場から少しい離れた部屋に階段が見える。壁がないというのもこういうときには役に立つ。迷う暇もなく2階に上がったところで一部天井に穴が空いていることに気づく。どうやら2階で終了らしい。まぁ、小型に三階が設けられている可能性はあるが、あってもそう広くは無いだろうし、そこで打ち止めだ。上がってすぐがこの建物の中心部だ。別にダンジョンとして作られた訳では無いだろうし、わざわざ中心をずらすこともしない。まぁ、俺としてはダンジョンに入って宝箱を探しているような感情ではあるが。
意を決してその中央の部屋へと足を踏み入れる。破れまくったカーペットと、端に見える像の残骸から見るに、ここは貴族が住む屋敷だったらしい。奥は完全に天井が吹き飛んでいる。
「そうか……ここは」
思い出した、ここは俺の因縁の場所だ。俺のすべての終わりですべての始まり。あの事件が起きた場所。手紙の差出人は趣味が悪い。そもそもどうやって知ったのか。あの事件は完全になかったことに……されているはず。
いや、待て。何かおかしい。ここが、事件の場所だとしたら、なぜ残っている?ここまで残骸と化した建物を残して、事件を隠蔽できるはずがない。ならこの建物をわざわざ残した意味はなんだ。他の痕跡はすべて消えているはず。いや、それも俺が実際に確認したわけではない。隠蔽などされていない?だとしたら、あのときから俺は大量のマスコミに囲まれる生活をしていたはずだ。この事件を知っているのは誰だ。誰だ?誰がいる?
「遅かったじゃないか、ゼクルくん」
文字通り頭を抱えてうつむいていた俺に前から声を駆けたのが手紙の差出人か。ゆっくりと顔を上げる。反対側の壁、右側に扉がある。その扉から入ってきたのだろう、長身の男が壁伝いに俺の真正面へと移動していく。俺はその男の顔をただ凝視することしか出来ない。
「女神の聖杯の情報は見つかったかい?」
ただ黙っている俺に、その男が笑顔で声をかける。なぜ、お前がここにいる。なぜだ。よりによってお前が、こんなところに、一人で、護衛もつけずに。
「答えてくれなきゃわからないよ、ゼクル」
「てめぇ…ここで何やってる、カリバー……!」
0
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
愚かな父にサヨナラと《完結》
アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」
父の言葉は最後の一線を越えてしまった。
その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・
悲劇の本当の始まりはもっと昔から。
言えることはただひとつ
私の幸せに貴方はいりません
✈他社にも同時公開
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
大切”だった”仲間に裏切られたので、皆殺しにしようと思います
騙道みりあ
ファンタジー
魔王を討伐し、世界に平和をもたらした”勇者パーティー”。
その一員であり、”人類最強”と呼ばれる少年ユウキは、何故か仲間たちに裏切られてしまう。
仲間への信頼、恋人への愛。それら全てが作られたものだと知り、ユウキは怒りを覚えた。
なので、全員殺すことにした。
1話完結ですが、続編も考えています。
ゆるふわショタ皇帝と活字嫌いな司書の王都立て直し
由汰のらん
ファンタジー
大学図書館で働く派遣社員の瀬里は、活字は嫌いだけど本の整理は好きだった。
そんな彼女が財政難に陥る異世界に派遣されてしまう。
瀬里を派遣した担保で、ショタになってしまった皇帝こと智彗は、瀬里に国の立て直しを申し出るのだった。
本好きのショタ皇帝と、本の整理好きな瀬里の奮闘物語。
【完結】7年待った婚約者に「年増とは結婚できない」と婚約破棄されましたが、結果的に若いツバメと縁が結ばれたので平気です
岡崎 剛柔
恋愛
「伯爵令嬢マリアンヌ・ランドルフ。今日この場にて、この僕――グルドン・シルフィードは君との婚約を破棄する。理由は君が25歳の年増になったからだ」
私は7年間も諸外国の旅行に行っていたグルドンにそう言われて婚約破棄された。
しかも貴族たちを大勢集めたパーティーの中で。
しかも私を年増呼ばわり。
はあ?
あなたが勝手に旅行に出て帰って来なかったから、私はこの年までずっと結婚できずにいたんですけど!
などと私の怒りが爆発しようだったとき、グルドンは新たな人間と婚約すると言い出した。
その新たな婚約者は何とタキシードを着た、6、7歳ぐらいの貴族子息で……。
来訪神に転生させてもらえました。石長姫には不老長寿、宇迦之御魂神には豊穣を授かりました。
克全
ファンタジー
ほのぼのスローライフを目指します。賽銭泥棒を取り押さえようとした氏子の田中一郎は、事もあろうに神域である境内の、それも神殿前で殺されてしまった。情けなく申し訳なく思った氏神様は、田中一郎を異世界に転生させて第二の人生を生きられるようにした。
婚約破棄された検品令嬢ですが、冷酷辺境伯の子を身籠りました。 でも本当はお優しい方で毎日幸せです
青空あかな
恋愛
旧題:「荷物検査など誰でもできる」と婚約破棄された検品令嬢ですが、極悪非道な辺境伯の子を身籠りました。でも本当はお優しい方で毎日心が癒されています
チェック男爵家長女のキュリティは、貴重な闇魔法の解呪師として王宮で荷物検査の仕事をしていた。
しかし、ある日突然婚約破棄されてしまう。
婚約者である伯爵家嫡男から、キュリティの義妹が好きになったと言われたのだ。
さらには、婚約者の権力によって検査係の仕事まで義妹に奪われる。
失意の中、キュリティは辺境へ向かうと、極悪非道と噂される辺境伯が魔法実験を行っていた。
目立たず通り過ぎようとしたが、魔法事故が起きて辺境伯の子を身ごもってしまう。
二人は形式上の夫婦となるが、辺境伯は存外優しい人でキュリティは温かい日々に心を癒されていく。
一方、義妹は仕事でミスばかり。
闇魔法を解呪することはおろか見破ることさえできない。
挙句の果てには、闇魔法に呪われた荷物を王宮内に入れてしまう――。
※おかげさまでHOTランキング1位になりました! ありがとうございます!
※ノベマ!様で短編版を掲載中でございます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる