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ファンタジーな異世界に召喚されたら銀髪美少女が迫ってくるんだが?

105.結婚

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 結婚式の日取りが決まり、準備で城内はあわただしい。俺達も連日打ち合わせをしていた。

 そして瞬く間に時は流れて式当日、といっても王都に来てから三日しか経っていないが。

 俺はこの世界の新郎のする格好をさせられている。白を基調としたスーツだ。何とも落ち着かずにそわそわしていると、メイドさんにセフィリアの準備が出来たと部屋に案内された。

 部屋の中にはドレス姿のセフィリアがいた。あまりの美しさに、見惚れて一瞬呼吸が止まってしまった。銀髪を結ってあげていて、普段は髪に隠れているうなじが見えてセクシー。白のドレスには宝石がちりばめてあるのかキラキラ輝いていて、セフィリアの美しさを引き立てている。

 女神かと思うほどの素敵な微笑みを浮かべ「どう?」と問うセフィリアに、俺は呆けたまま「綺麗だ……」と漏らした。

「ありがとう。イツキも素敵よ」

 セフィリアの眩いドレス姿に、俺はしばらく立ち尽くして見惚れていたのだった。



 その後俺達は、お付きの人にあれこれ指示されてその通りに動き、式場の大きな扉の前に立たされスタンバイしている。少し待っていると、音楽が流れだして大きな扉が開いた。式場はチャペルタイプで、高い位置にあるステンドグラスが綺麗だ。

 俺とセフィリアが腕を組んで式場の中央部を歩いて進んでいくと、たまにドラマとかで見る結婚式の神父さんの立ち位置に女王がいて、俺とセフィリアに問う。

「主神ラーギウスにお互いを生涯愛することを誓いますか?」

「「はい誓います」」

 この世界の主神なんて知らないが、事前の打ち合わせどうりに二人で声を合せて愛を誓い合う。女王は何やら儀式的な言葉を唱えてひとまず式は終了した。式が終わった後は、パーティーだ。披露宴とかいうやつだろうな。

 周りは当然知らない人ばかりだ。レハタナさんやハーゲンはいるな。多分騎士団長は全員いるんだろう。

 知らない人達が俺達の席に次々と来て「おめでとうございます」と祝福を告げる。騎士団長の面々も挨拶に来て、レハタナさんは微笑んでいたが、ハーゲンは一応他の人達と同じように「おめでとうございます」と言いながらもプルプル震えて額に青筋を浮かべていた。俺はとりあえず愛想笑いをして流しておいた。

 知らない人たちばかりでダレてきたが、この世界の正装だろうと思われるピシッとした格好のガロードとリセリアが俺達に寄て来て声を掛ける。女王に頼んで城に呼んでもらったのだが、来てくれたようだ。

「イツキ、セフィリア、おめでとう」

「ああ、ありがとう。こんなことになって驚いてるよね?」

「そうだな。でも、イツキには驚かされてばかりだから、これくらい大したことないぞ」

 笑い声をあげるガロードとリセリアのおかげで少し和んだのだった。 



 パーティーが終わったかと思えば、今度は屋根のない豪華な装飾の馬車に乗せられた。王都の大通りをぐるりと一回りするとの事だ。

 人々が歓声を上げて手を振るので、俺も手を振り返す。俺は英雄かなんかか? って勇者か……。この国の代表の勇者という立場なんだなと否が応でも感じてしまった。

 まんまと女王の思惑通りに、この国の勇者として仕立て上げられたのだろうな。

 そんなこんなで午前中から行われた結婚式も、夕方には全てのイベントが終わりようやく俺達は開放された。気疲れでへとへとになった俺は、城内の一室でソファーに倒れ込むように座った。するとすぐ横にセフィリアが座って俺に寄りかかる。

「イツキ、私達、夫婦になっちゃったね」

 隣で微笑むセフィリアに「ああ、そうだね」と答えつつ、この状況を久奈と結月とアサカに見られたら大惨事だろうな、と思った。

 ともあれ、今日からは晴れてセフィリアと同じ屋敷で過ごすことが出来る。もちろん寝室も同じだ。これで堂々とえっちできるな。まぁ、えっちは堂々としないだろうけど。

 その日、俺とセフィリアは”新婚初夜”をしっかりと楽しんだのだった。 
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