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ゲームの世界に転移したら美少女二人が迫ってくるんだが?

24.中ボス3

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 久奈の用意してくれた朝食を食べながら、今日はどうするか相談する。

「久奈も結月も強いから、次のエリアもクリアできるんじゃないかな? 試しに行ってみようか」

 俺が提案すると、久奈も結月も賛成のようだ。



 北の山岳地帯フィールドの第三のエリアへと向かう。今回は中ボスを倒すつもりなのでMPを節約しながら進む。それでも全くの余裕で中ボスの広間にたどり着くことが出来た。

 大扉の前に立っているのは石像の騎士だ。ボスを見るなり結月が聞いてきた。

「あれ、私が一人で倒していい?」

 すると、久奈も戦いたいらしく「えー私も倒したいー」と言っている。二人はじゃんけんを始める。数回のあいこの後、結月が勝利する。

「よし、私が倒す」

 結月が俺の方を見て一歩近づき、甘えた声で俺に言う。

「樹、念の為にMP回復して欲しいな」

 俺は結月の唇に「チュッ」と軽くキスをする。本当はMPを回復するだけならこれで十分なのだ。結月は不満そうな表情を浮かべて「ううー」と唸っている。俺はなだめるように言う。

「あまり濃厚なのをすると、気持ちよくなって足腰が立たなくなるから後でしよ?」 

「し、仕方ないな。後でね」

 

 結月は石像の騎士に対峙すると、緩んだ表情が引き締まりビリビリとプレッシャーを放つ。結月が本気で戦うときの威圧感だ。

 結月の握る刀から、ゴォッと青いオーラが大きくたちこめる。その強大なオーラが渦を巻いて刀身に収束していくと刃が青白く輝きだした。

 結月は真正面から堂々と石像の騎士に向かって歩き近づいて行く。石像の騎士は勢いよく大剣を振り下ろすが、結月に当たる前に大剣は停止した。

「魔刃のオーラで壁を作ってみたんだけど、うまくいったみたいだね」

 普段は華麗な剣技で戦う結月だが、今回は力押しで行く気のようだ。青いオーラに包まれた刀をスッと真上に振り上げ、正面に振り下ろした。

 刀に宿る青いオーラが結月の正面にほとばしる。激しい破壊音と衝撃波が周囲に広がる。俺が吹き飛ばされそうになると、久奈が魔法で壁を作り守ってくれた。

 石像の騎士はもはや跡形もなく、結月の正面の地面が広範囲でえぐれていた。明らかにオーバーキルだと思った。中ボスをワンパンってどんだけ強いの?

「こんなのもう剣技じゃないけどね」

 結月はやれやれといった感じで苦笑いをしていた。

 音声アシストが聞こえる。

「ゴーレムナイトを倒しました333333Cr獲得。魂力が500増化しました」

 ついでに大扉も開放する。

「扉開放ボーナスとしてパーティーメンバー全員が500000Cr獲得しました」

 転移ゲートと回復スポットが広間の中央に出現する。それにしても、お金、多すぎるな……取り合えず使う予定は無いんだけど。



 あまりにサクサク進んだのでまだ12時前だな。昼休憩してからもう少し進んでみるか。いつもどうり、適当に食べる物をアイテムストレージから取り出し昼食にする。

 食事をしながら結月が先ほどの中ボス戦の解説をする。 

「久奈が魔法で壁を作っていたから真似してみたんだよ。魔刃のオーラって私の意思で自由自在に操れるんだ」

「もう一回、結月と勝負したらすぐ負けちゃうかもね」

「久奈には勝てる気がしないな……。きっと久奈の事だから私の戦い方を見て、何か新しい戦い方を思いついているんでしょ?」

「あ、バレてるー」

 美少女二人がバトルについて意見交換しているのを、俺は黙って聞いていた……。
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