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18.結界
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「私、昼間はアパレルのショップ店員してるの。だからいつも皆と違って深夜担当なのよねぇ」
長い髪を手で靡かせるモデル体型の麻都さんは確かにお店で見たようなお洒落なファッションだ。
お店に行けば笑顔で「何かお探しですか?」って……うーん、確かに似合いそう。
「何かお探しですか?」
「はひ…!?」
「ふふふ、なぁんかそんな言葉言ってそう、って顔してるから。いつも言ってるけどね」
悪戯を楽しむような顔で笑う麻都さんは明るいけど大人の雰囲気が溢れる女性みたい。
そんな麻都さんが術士…一体どんな力を持ってるのかな?
「ふふ、気になる?」
笑みを零す麻都さんにどきりと心臓が鳴った。
なんで私が思ってること分かるんだろう?
「また…!?」
「光は顔が読みやすいからなぁー。それでなくともどの術士がどんな力を持ってるか気になるのは、光が自分が術士だって分かってるからだろ?」
「あ…そっか、なるほど…」
快斗さんがにかっと笑って、今さっきの疑問がすとんと落ちる。
そっか、私ってちゃんと術士って認識あったんだ…。
「ってそれ、麻都さんに読まれやすい理由ではないですよね…?」
「ふふふ、安心して。年の功よ」
にこりと微笑む麻都さん。
ええ…おいくつなんだろう…?
***
夜の繁華街。
時刻は遅く、普段なら私達高校生ですら警察に呼び止められそうな時間を私はうろついている。
隣には当然快斗さんがいて、麻都さんもいる。
正直に言うとこんな時間に街中を歩くことなんてないから心臓はドキドキのバクバクだ。
「あの…警察の方に呼び止められたりしないんですか…?」
「うん?快斗、結界張ってるよね?」
「勿論とっくに張ってますよ。俺中心で」
「なら問題なしね」
聞けば快斗さんと麻都さんはにこにことして答える。
そういえば結界ってなんだろ…聞いたら教えてくれるかな。
「結界…って何ですか?」
「おー、そっか。基本狐面の技術になるから光は知らねぇよな。んとなー、俺達術士の力を周りの人間に見えないようにする技術。狐面の技術に『認識阻害』っていうのがあって、空間を歪めるような…見えてるものを見えないようにする技術があるんだよ。それに術士の力を合わせたのが結界。ようは俺達の戦いを見えにくくする技術だな」
「そんなものがあるんだ…快斗さんはそれを使えるの?」
「サポート側も経験してるからなー。それに今は、光の相棒だろ?」
ずい、と顔を近づけられて心臓が大きくなる。
どこか嬉しそうににかっとした笑顔はかっこよくて可愛くて…って私何考えてるんだろう!すっごく迷惑かけてる気がする!
「そっ、そそそ、それはそうですけど…ちちち近い近い…」
「んあ?ま、なんかあれば頼ってくれればいいよ。ほら、いよいよ奴の出番だしさ」
「え…?」
長い髪を手で靡かせるモデル体型の麻都さんは確かにお店で見たようなお洒落なファッションだ。
お店に行けば笑顔で「何かお探しですか?」って……うーん、確かに似合いそう。
「何かお探しですか?」
「はひ…!?」
「ふふふ、なぁんかそんな言葉言ってそう、って顔してるから。いつも言ってるけどね」
悪戯を楽しむような顔で笑う麻都さんは明るいけど大人の雰囲気が溢れる女性みたい。
そんな麻都さんが術士…一体どんな力を持ってるのかな?
「ふふ、気になる?」
笑みを零す麻都さんにどきりと心臓が鳴った。
なんで私が思ってること分かるんだろう?
「また…!?」
「光は顔が読みやすいからなぁー。それでなくともどの術士がどんな力を持ってるか気になるのは、光が自分が術士だって分かってるからだろ?」
「あ…そっか、なるほど…」
快斗さんがにかっと笑って、今さっきの疑問がすとんと落ちる。
そっか、私ってちゃんと術士って認識あったんだ…。
「ってそれ、麻都さんに読まれやすい理由ではないですよね…?」
「ふふふ、安心して。年の功よ」
にこりと微笑む麻都さん。
ええ…おいくつなんだろう…?
***
夜の繁華街。
時刻は遅く、普段なら私達高校生ですら警察に呼び止められそうな時間を私はうろついている。
隣には当然快斗さんがいて、麻都さんもいる。
正直に言うとこんな時間に街中を歩くことなんてないから心臓はドキドキのバクバクだ。
「あの…警察の方に呼び止められたりしないんですか…?」
「うん?快斗、結界張ってるよね?」
「勿論とっくに張ってますよ。俺中心で」
「なら問題なしね」
聞けば快斗さんと麻都さんはにこにことして答える。
そういえば結界ってなんだろ…聞いたら教えてくれるかな。
「結界…って何ですか?」
「おー、そっか。基本狐面の技術になるから光は知らねぇよな。んとなー、俺達術士の力を周りの人間に見えないようにする技術。狐面の技術に『認識阻害』っていうのがあって、空間を歪めるような…見えてるものを見えないようにする技術があるんだよ。それに術士の力を合わせたのが結界。ようは俺達の戦いを見えにくくする技術だな」
「そんなものがあるんだ…快斗さんはそれを使えるの?」
「サポート側も経験してるからなー。それに今は、光の相棒だろ?」
ずい、と顔を近づけられて心臓が大きくなる。
どこか嬉しそうににかっとした笑顔はかっこよくて可愛くて…って私何考えてるんだろう!すっごく迷惑かけてる気がする!
「そっ、そそそ、それはそうですけど…ちちち近い近い…」
「んあ?ま、なんかあれば頼ってくれればいいよ。ほら、いよいよ奴の出番だしさ」
「え…?」
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