神命迷宮 -東京Dead End-

雪鐘

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13.登録術士になりました。

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喜大さんと別れてやぁっとビルを出た。
昼頃に入ったのに気づけば18時半になっていた。

「うーん、思ったより時間かかっちまったなー。家は大丈夫か?」
「私は問題ないです。寧ろ時間がかかったのは私が倒れたからなので…」
「んな事ねーよ。無理させちまったのはこっちのせいだし。時間まだ大丈夫なら、一緒に飯食おうぜ」
「はい、じゃあご一緒させていただきます…!」

快斗さんに連れられて私は飲食店に向かった。
二人で何食べたいか、好みの相談をして選んだのは24時間営業のファミリーレストランだ。

「光は何食べる?」
「うーん……野菜とお肉が食べたいです…」
「術使って腹減るとがっつりしたモン食べたくなるよな! 分かる! じゃあ俺はミートドリアにしよっかな。あとスパゲッティでもつけるかなぁ」
「快斗さんってイタリア料理が好きなんです?私は和風ハンバーグのライスセットにします」

ここは何でも置いてあるファミリーレストランなのき快斗さんの組み合わせに思わず笑ってしまった。
ちょっと良くなかったかな、って気にしてると快斗さんの不思議がる視線と目が合った。

「光、お前、そんだけで足りんの? 嘘だろ…?」
「えっ!? い、いつも少なく食べてるので…」
「だめだめ! 術士は体が資本だからめっちゃ食っとけ! 街で戦うようになったらやっていけねぇって!」
「そうなん、ですか…?」
「街の中は走り回るし出てくる妖も小せぇの多いから大変だぞ。悪い事は言わん、食ったほうがいい!」

半場押し切られるように快斗さんに言われ、渋々さっくりポテトを追加。
注文時には2人だけだというのに4人前を注文したみたいになって、店員さんに変な顔されちゃった…。うぅ、何だか恥ずかしいなぁ…。
ドリンクバーも付けて、紅茶を淹れて戻ると快斗さんはコーラを入れて戻ってきてた。

「光は紅茶かぁー。これで新たな人種が増えたな……」
「新たな人種…?」
「うちの登録術士、なんでか皆好みバラバラなんだよなぁ」
「そうなの? 何でです?」
「さぁ。偶然だろうから知らねーけど、うちのメンバーは面白いぞ!誰かに会ったらすぐ紹介するよ」
「うん。一体どんな人がいるんだろ…」
「そこは会ってからのお楽しみってことで」

そう言う快斗さんはにっこりと笑って、料理が来るまでしばらく雑談を続けた。
何処に住んでていつも何をして過ごすか、好きな事、苦手な物、本当に他愛ない会話。
今は未だ知らないけど、この時の私はまだ普通の一般人と一緒だったんだなって思う。
こうして普通で居られる時間を、噛み締めなきゃいけなかったんだ…。
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