まいにち冒険者

詩月ミゲル

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2月

2/5(水)聖女の力

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今日は聖女パーティと合流して潜る。

聖女は宣伝半分の職業なので、聖属性が非常に高くて若い娘となっているが実情はピンキリなのだが、今回は強力なのが来た。

ハズレだと護衛任務でこき使われたりするが、正真正銘の聖女が来た。

予想はしていたがショコラに似ている。
姉妹を疑うくらい似ている。
幸運系のスキル取得の為に王家や貴族がハーフリングの混ざった血筋を取り込むのはよくある話で、獣人の愛妾や性奴隷を持つことも珍しくはない。

まぁ2人を並べられても先祖返りでハーフリングの特性が強い奴隷のショコラが聖女と姉妹かもなんてまず思わないはずだ。
思ってもまず口には出さないだろうけど。

内情が気になるけど正直俺も聞きにくい。
でもどうしても気になってしまう。
あの茶色い耳が特に気になる。

向こうも俺の視線に気づいたらしく「私はウサギ獣人ではなく神獣の血が混ざっています」と説明された。
たとえばこの国の王家は植物の血が混ざっているし、神獣もない話ではない。

昨日下見したルートで潜り、肩慣らしにザコを少し狩った後、ボスと対決。
まずは聖水原液のスモークを今回は魔物に向けて放つ。

放水に近い濃霧で敵が怯んだ隙に魔物の周りに結界用の杭を打つ。

打ち終わったら聖女が聖歌を歌い結界発動。
パフォーマンスの方の聖歌しか見たことがなかったが、マジモンの聖歌はマジで神の歌だ。

ゆっくり聞くとかそういう旋律ではない。
神々しくて聞けない。
美しすぎて時間が止まる感じの旋律だ。

しかし止まってはいられないので攻撃担当の者が次々に矢を放つ。
俺は今回ダメージ計測担当なのでひたすら数値を読み上げる。
実戦用のレアスキル(単にわざわざ取るヤツがいないだけ)を持っていたのでこの担当になった。

指揮官が直接指示を出しながらメモを取るというかなりシュールな光景だった。

聖女による足止めと弱体化はかなり効果があり、被害0で討伐は成功した。


【補足】
ダメージ計測は片目を瞑るか眼帯をした状態で鑑定したい魔物を見ると隠した目の方に情報が浮かび上がる出来るスキル。
数値は本人の経験による推測になるが、生命反応などはある程度信用できる。
使い勝手の悪さから不人気だが、今回のように未知の魔物相手には使えることもある。


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