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第1章 それはとても突然で。
第3話 【奈緒】あの日のトラウマ
しおりを挟む痛い、もう、やめてほしい。
そう、言ったのに……
春「あはは!なにそれ、可愛い……」
なんで、どうしてこうなるんだ……
少し前のこと、僕は喉が渇いて目が覚めた。
奈緒「………」
電気をつけて時計を見ると、針は12時をまわっていた。
奈緒「……水のみに行くか…」
ぼやぼやとする意識のままリビングで行き、水をくんだ。
冷たい水が唇に当たった瞬間少し目が覚める。
水を飲んでいくうちに段々目が覚めてきて、飲み終わった頃にはすっかり目が覚めていた。
奈緒「………」
コップを洗ってリビングをでようと電気を消した途端、お風呂場の方からドアを閉める音が聞こえた。
奈緒「!」
春「奈緒。」
お風呂場からでてきたのは、次男だった。
タオルを肩にかけてラフな黒Tシャツを着ている、眼鏡のかけていない彼を見るのは久々だった。
奈緒「あ……お兄ちゃん、入ってたんだ。」
春「ああ、寝落ちしてしまってな。」
奈緒「そうなんだ……体に気をつけてね、おやすみ。」
早く会話を終わらせたい一心だった。
怖い、怖い……嫌な予感が、する………!
ぱっと振り向き、階段を登ろうと片足を出そうとした次の瞬間―――
奈緒「……っ!な、なに………」
急に腕を捕まれ、驚いたと同時にその場へ押し倒された。
奈緒「痛っ!」
春「奈緒……」
な、なに……やだ、怖い………!
それから、抵抗はしたはず。でも、叶わなくて……
奈緒「お願い、こないで……やめて………」
春「可愛い……お仕置きがそんなに怖いのか?」
ああ、もう駄目だ……
奈緒「ひ、あ、あっ……や………!」
パンッ!
勢いのいい効果音、頬を叩かれた音だった。
奈緒「っ!!」
春「あはは、もう、ほんとに可愛いな……本当は部屋に拘束して監禁しておきたいくらいなのに、雪斗がいるから、叶わないんだよな……」
な、何言って……
奈緒「嫌……嫌だ、こんなの、嫌だ……っ!」
お願い、もう、やめて……
なんて言葉も、彼の心には、届いていなかった。
『お前、ほんと可愛いよな……1回俺とやらね?』
『なに、いって……あっ!』
『好きだ……秋野。』
『やだ!やめっ……秀我…やめて、よ……』
『あはは、可愛い……』
『嫌、だ……!助けて、誰か助けて……!!あ、あああああああ!!!』
――――!
過去のトラウマを、思い出した。
………………
奈緒「や、だ……もう、やだ……!」
春「うるさい、うるさいな……俺のものじゃない奈緒はいらない……」
奈緒「……!」
またあんなことになるのは、嫌だ……
そう思うと、涙が溢れてきた。
奈緒「や………もう………あんな……」
上手く言葉にならない、それに、彼に伝わない。それが、辛くて、涙が零れてしまいそうで……
奈緒「助けて……兄さん!」
また、助けを呼ぶことしか出来なかった。
あの時と、一緒だ……
『助けて!誰か……っ!!』
『!』
『助け……むぐっ!』
『黙れ!諦めろよ……もう、お前は俺のものなんだよ……』
『そん、な………』
あの時は、助けは来なかったけど……
それから、涙が零れてきた。
あの頃のことを思い出すと、辛かった。怖かった。苦しかった。
あの人に裏切られたことで、僕の人生は壊れたから。
春「あ……」
雪斗「奈緒!!」
その後僕は兄さんに連れられて部屋へ戻った。
怪我の手当てをしてもらい、その後は寝るまでずっと一緒にいてくれた。
段々心も落ち着いてきて、気がつけば僕は眠りについていた。
でも
その夜、僕はあの日の夢を見てしまった。
過去の、僕が、親友に強姦された時の、夢……
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