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しおりを挟む「…はぁっ、ぁ、はぁ……」
なんとか、人目から逃げるために路地裏まで逃げることが出来た。
(しんど……こんなに体力使ったの久々だ。)
とりあえず帽子を深くかぶって、あまり人気のない道から帰ろうと周りを見回していたその時。
「見つけました…ッ!!」
「はぁ……!?」
さっきの青髪がいた………
「お、お前どうやってここまで…!?」
「……ひゅ」
ん?
「ひ……っ、は、ぁ…けほ、ひ、……ぅ…っ
……ぜ、はぁ……ぁ"……」
……!
「か、過呼吸起こしてんじゃん…!!大丈夫!?」
青髪の呼吸は荒くてやっとなんとか出来ている様子で、目を細めて尋常じゃない汗が流れていて、顔は真っ赤だった。
「っ…とりあえず、ビニール袋……、どこかに……」
以前ボクが頑張りすぎて過呼吸になった時、マネージャーはビニール袋を使っていた。
(過呼吸の時の対処法なんか知らないけど……っ)
「………っ、は…も、だいじょ…ぶ、ですから……」
「でも…ッ」
「いやほんとに……体力がなくて、少し大袈裟に息切れしてしまっただけです、そ、そんなことより………捕まえましたよ…!!」
あっ、やば。
肩にしっかり青髪の手がのっていて、逃げられなかった。
「さ、さぁ…!陽太にあやまってくださ…!!げほッ」
「ま、まだ体力回復してないでしょ?!……逃げないから落ち着いてよ。」
「……っ」
青髪はあっさり信用してくれた。
(流石ガキ、騙されやすい。)
でもまあ、可哀想だし待ってあげるか………
(なんて、)
「言うわけねーだろばーーっか!!!」
「なッ…!」
流石天才子役……上手く騙せた。
(やっぱりボクって天才だなっ)
「っ……!待って!!」
「またねーよ、ば…「陽太に謝らないなら、名誉毀損で訴えますよ!!?」」
なッ……
「そ、それだけはやめてぇぇぇ…!!!」
そんなことされたら、あの業界では生きていけなくなる……
「じゃ、じゃあ大人しく戻ってきなさい……」
「ちっ…わか、わかったよ……」
……最悪だ。
悔しさを堪えて青髪の元へ向かっている時、青髪が不敵な笑みを浮かべて
「これだからガキは騙しやすくていいですね。」
と、ぼやいていたのはあの時のボクには聞こえなかった。
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