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卒業後
5.再会
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ーーー
(李世side)
「久しぶりー、後輩達」
「先輩方!お久しぶりです…っ!」
西原先輩と二階堂先輩が地元に帰ってきた。
「大きくなったね~何センチ?」
「そんなに変わってませんよ……小さいままです」
残念ながらボクも真冬もあんまり伸びなかった。
「……と、二階堂先輩は留まることを知らないですね……」
「健康診断の時に測ったら190いってたぞ」
うわ恐ろしい
「どこかその辺でお茶しましょうよ」
「そうだね、あそこ入ろっか」
駅前のカフェに入った。
「あ……そういえばね李世真冬!俺達結婚したんだー」
……え
「純也……馬鹿な事言うな」
「えー…そういうことも考えて欲しいんだけどな……」
………ああ、冗談か。
「2人はどう?李世は今年卒業だよね?」
「はい!もう忙しくて大変ですよー」
ちなみに真冬は部屋でイラスト関係の仕事をしている。
「髪伸びたねー、明日切りに行く?」
「……」フルフル
前髪が目にかかってる。
「それはそうとなんですけど、先輩達お酒飲めます?」
もうボク達もお酒が飲める年。
その質問に対して先輩2人の反応が真逆になった。
「飲める!俺めっちゃ飲めるよ李世!!」
……乗り気な西原先輩。
「やめろ馬鹿!!お前自分が酔ったらどうなるか分かってるのか……?!」
動揺する二階堂先輩。
………察した。
「良かったら夜飲みに行きません?」ニコ
面白いことになりそうーーー…☆
ーーー
カラオケやら買い物やらに行ってあっという間に時間が過ぎた。
「何飲みますー?」
そして居酒屋。
「日本酒いこうよ、飛露喜とかどう?」
「あ、澪先輩と同じお酒があります」
お酒が弱い真冬はレモンサワー、二階堂先輩も軽めのお酒だった。
「二階堂先輩もしかしてお酒弱いですか??」
「違う違う、りゅーきは酒豪だよ。俺が酔うから外では軽めなだけ。」
夫みがすごぉぉい……………
「その代わり帰ってから瓶めっちゃ開けるよな」
「恐ろしいですね」
ーーー
出来上がってきた。
「真冬、構って、ねぇ撫でて、?」
「……」
ボクは酔うと注文が多くなるらしい。
「真冬も飲んでよ!」
「……」フルフル
「なんで?やだ、飲んで!!」
「……」イラァ…
「りゅーき、お酒」
「それはお前のだろ、最後までのめ……」
「はぁっ?!俺が飲んだ酒が飲めねーのかよ!!」
二階堂先輩と真冬の苦労が素面になるとよく分かる。
「あづいぃ……脱ぐ」
「やめろ馬鹿!他に人もいるんだぞ」
「真冬、飲んで飲んで飲んで飲んで」
「……ぅぐ」
ちなみに真冬が酔うと反抗期になる。
「真冬、ねぇ構って」
「…やだ!」
ボクとの組み合わせが酷いことになる。
「りゅーき……俺酔っちゃったかも………」
「もうとっくに酔ってるぞ、風に当たってくるか?」
べたべたに甘える西原先輩。
ボクも酔ってたけど目の前で一方的にイチャイチャする西原先輩に萌えてたのは確か。
酔いも少し覚めた。
「あ、ボクも行きます!」
「李世も?分かった、悪いけど純也のこと頼めるか?」
この2人の絡みを拝みたかったんだけど計画通りにはいかなかった。
「悪いな………純也は酔うとすごく甘えてくるんだ」
「いえいえ。じゃあ二階堂先輩は真冬のことお願いしますねぇー」フラフラ
ーーー
外に出て2人で風に当たる。
「…うぅ……」
暑い。
ふと西原先輩の方を見ると、
「………って何してるんですか先輩」
「…ん?」
電子タバコ……?
しかもなんかさっきより顔色も良さそう。
「先輩……酔ってたんじゃ」
「あぁ………」
……え?
先輩は人差し指を口元に当てて小さく微笑んだ。
「りゅーきには内緒、ね?」
………
…………
「はい」
良い。
ーーー
「りゅーき~、眠い~、膝枕して??」
部屋に入った途端また酔い始めた。
「……」
「ただいま真冬、問題無かった?」
「…嫌」
まだイヤイヤ期だった。
仕方ないからボクも飲んで、また酔いが回ってくる。
「……さて、そろそろ帰るか。純也もこんな感じだし…………」
「…えへぇ……眠………」
……酔いが回ってきたので、
「……やだ。」
「真冬……、李世、どうすれば」
「ボクもやだぁ…、つれてって、?」
「え……」
その後3人まとめてタクシーまで運んだ二階堂先輩の苦労は素面になるまでわからなかった。
ーーー
(澪side)
とある日の午後。
今日は久々に高校時代の友達と会う日。
「優馬……この服変じゃない?」
「全然変じゃないよ、可愛い!」
...
「…わ、」
「ふふ……、澪成分補給中です……」
後ろから抱きしめられるのびっくりするからやめて欲しい。
………まあもう、抱きしめられるのは慣れたけど。
「……早くしないと遅れちゃうよ」
「大丈夫、電車に乗り遅れなければ!」
ーーー
何とか電車の時間には間に合った。
「おはよ、2人とも」
「お、おはよー!海斗と未来斗」
たまたま2人と同じ電車に乗っていた。
「ってうわ、すごい変装………不審者みたいだな」
「隠せれば問題ないしな!だろ?澪」
「……うん」
その変装する為の道具、選んだの僕なんだけど。
………不審者。
「一瞬不審者が子供誘拐してるように見えたぞー!」
「未来斗まで……まぁ身長差だいぶ開いたしな…」
……その話はしないで欲しい。
「……」
「あ、澪は座ってて、倒れると危ないから」
目の前に一席だけ空いていたので座るように言われた。
「うん……ありがと」
まだ病気は治っていない。
治療中ではあるけど終わる気配は無い。
「寝たら優馬のお姫様抱っこが待ってるぞー」
「それいいな未来斗、任せろ」
「絶対寝ない……」
ーーー
電車を乗り継いで、宮城県についた。
「確かこの道を真っ直ぐ行って左だよな?」
「俺と海斗は1回行ったから分かるぞ!あっち!」
前に行ったことのある未来斗と海斗に案内してもらって、目的地まで歩いた。
「…ついた。ここだよ」
そうして着いたのは、とある一軒家。
「うわ……でかい」
「思ってた以上だね………」
緑が多めの庭を歩いて、玄関の呼び鈴を押した。
扉が開いて人が出てくる。
「久しぶり~!皆!」
郁人が出てきた。
「久しぶり、髪伸びたね」
「あぁ……ほんとだ。結んでるから気付かなかった」
背も伸びてるし大人になった。
「背伸びたな、郁人」
「はいはいそーですね」
………
(あれ、優馬の方が高い………)
いつの間に………
ーーー
「すご……中も広い」
広い玄関からリビングに入る。
リビングは広くて吹き抜けもあって、そして、
「庭だ……」
「アウトドアリビングだね、外のリビングみたいな」
なんかすごい
「一人暮らしだよね?なんでこんなに広いの?」
「広い家に住みたかっただけだよ~」
………
「俺達が集まっても狭くないようにしたいから、だろ?」
「っ~~!!」
……なるほど。
「郁人の編集者から明日香に来て明日香から俺が聞きました」ドヤ
「何だよお前っ、可愛いとこあるじゃんかっ☆」
「こういうこと言うやついるから言いたくないの……!!」
なんかそう思うと可愛い。
「郁人昔から寂しがり屋だもんね」
「かまってちゃんだしな」
「澪と海斗まで………」
……気を取り直して、
「そうだ……さっきまで料理してたんだけど、食べきれなさそうだから食べてくれる?」
料理を出してくれるらしい。
「食べる!その後澪と家の中探検していい?」
「別にいいけど、面白くないよ?」
未来斗と海斗は前に来たらしいから初めて来た優馬と僕が今回は案内してもらう。
「運ぶの手伝ってもらえない?多くて」
「本当に多いな!…郁人、仕事は?」
未来斗のその質問に、数秒沈黙が入る。
「……やった、よ」
「やってないだろ………」
その後書斎の方で真っ白な原稿用紙を見つけた。
「あ…はは、あのさ!今から莉音が来ると思うから、うん」
話誤魔化した
「そういえば行くって言ってたな、電話するから先帰っててって言われたし」
優馬と莉音は同じ場所で働いてる。
「あぁ、あの時楽屋だったんだ。悪い事したな……」
「嬉しそうだったしいいだろ」
……と、料理を運びながら話していると、
『ピンポーン』
呼び鈴が鳴った。
「莉音だ。行ってくるね」
ご機嫌で玄関に向かう郁人。
……それにしてもご飯美味しそう
ーーー
「うわっ、なんかいっぱいいるー」
高校の時より大人になった莉音が入ってきた。
「優馬、昨日も会ったのにまた会ったね」
「俺らの仲じゃーん喜べよっ☆」
僕達は久しぶりだけど、優馬にとっては毎日顔を合わせている仕事仲間。
「あ、こんなにいるってことはやっぱり昨日電話してた時に作ってたの、それだったんだね」
……昨日、
「「「「昨日……?」」」」
本人からは今日って聞いたんだけど。
「うん…?電話越しに楽しそうだったから、何かあるのかなとは思ってたけど。」
……それって、
「…郁人……そんなに俺達と会えるの楽しみだったのか?!」
「お前どうした!!?今日可愛過ぎないか??!」
未来斗と優馬の反応がうるさい。
「あ”~~~そうですよそうですよ!!皆と久々に集まれるの予定決めた時からずっと楽しみにしてましたよ!!」
あ、折れた。
「良かったな~郁人、今日メイン回なんじゃない??」
「ずっと主人公やりたがってたもんな、最後くらいいいかもな!」
なんてからかう未来斗と優馬。
僕達は大人しく座ってた。
「せっかく昨日から張り切って沢山作ってたんだから残さないでよ!!」
「はいはい、じゃあ食べよー」
莉音も座って一斉に手を合わせた。
...
「なあ未来斗、これ美味しいよ」
「…ほんとだ!このパスタも美味いぞ!」
「和食やら洋食やら……まとまりがない」
「ちくぜん煮美味しい……」
「これ僕の好物だ。…桜木、もしかして皆の好物作ったの?」
「食べてもらえなかったらむかつくし…………」
お昼ご飯ですごくお腹いっぱいになった。
ーーー
「ふぅ……ご馳走様」
食べ終わった。
「さて優馬、澪。家の中見なくていいの?」
「っ…見る!ついでに運動したい」
ゆっくり休んでいる未来斗達をそのままにしておいて、家の中を探検させてもらった。
「まず玄関から入ってすぐ台所。台所の前のこのドアはお風呂場とかトイレだよ」
ドアを開けると廊下があって、進むと脱衣所、風呂場、トイレがあった。
「お風呂場はこんな感じ。ここは木造にしたんだ~」
壁とかカウンターが木造だった。
日本って感じ。
「あとそこから外も見れるけど、浴槽の位置的にもあんまり見れないところは残念かも」
「外から見られる心配も減るだろ、…多分」
脱衣所のタオルを緑色にしたところが郁人のお気に入りです。
台所に戻ってきて、休んでいる皆を横切ってさっきのアウトドアリビングに来た。
「ここでよく莉音とお酒飲むんだー、冬は寒いけどね」
楽しそう…………
「じゃあ後は書斎だけど……だいぶ散らかってるから片付けるから待ってて、2階は部屋だけだから好きに見てていいから」
でも階段の突き当たりの方は莉音がよく使う部屋だから莉音に許可を取ってと言われた。
「僕の部屋?別にそんな面白いものないよ?勝手に見ていいけど」
許可を取ったので見ます((
「おおぉ~!」
見渡す限り白とピンクの部屋。
白ピンクのクローゼット。
白のベッドにピンクの毛布。
「スリッパもピンクだぁ」
「…すごい、ベランダもある。」
すごく可愛らしい部屋だった。
「なんか、郁人…莉音と同棲してるみたい」
「部屋まであるとそう見えるよなー」
「………莉音…ずるい。」
「え”っ」
(……最近澪が欲張りな気がする。)
「次は郁人の部屋ー!……おお、広い割には結構シンプルだな」
家具は少なく、色も全体的に白。
そこにソファーの1つだけの緑がよく目立っていた。
「そしてこれは猫のキャットタワーに餌入れなど………あいつ猫好きだなぁ」
「そういえばあの猫、ミオって名前らしいよ」
「なんだと」
さっきアウトドアリビングで寝てるのを見た。
「「……あ」」
話をしていたら郁人が部屋に入ってきた。
……猫を連れて。
「か……可愛い猫だ!!」
「可愛い猫…!」
黒と白の混ざったような色の、細い猫。
「みゃぁん」
「ふふ、可愛いでしょ?」
すごく…すごくすごく可愛い
「な……なあ!撫でていい?」
「いいけど……噛まれないようにね」
「噛むのか!?」
「いや普段は噛まないけど優馬だし」
おそるおそる優馬が手を猫の頭にのせた。
「………、、」ドキドキ
...
......
「………撫でれた!」パァ
「良かったね」
ーーー
(優馬side)
最後に書斎。
「片付け……られてないな」
「うるさいな」
これで片付けたっていうならきっと前はもっと酷かったんだろう。
「それにしても本や紙がいっぱい………ここで仕事してるんだよな」
「そうだよ、本は書く時の参考にしてたりかなぁ………、あと、この辺のは父さんが昔僕に書いてくれたやつ」
だから本になってないのか。
原稿用紙に手描きの文字があって、漢字が読めない子でも読めるよう漢字にはフリガナがふられてる。
「……大事にしてるんだな。」
「捨てられるわけないよ、……うちの父さん口数少ないけど、お話は本当に面白いし楽しそうで、こんな口数の少ない大人しい人がこんな話書くんだって、謎に感動した記憶がある」
ほぉ………
「俺もそういう家族との思い出欲しかったなー、今からでも作れるかな」
羨ましくて、でも仕方ないという気持ちで小さく微笑んだ。
「………作れるでしょ」
「えっ」
あっさり言われたから驚いた。
「ねぇ優馬、もうすぐあの番組始まる時間じゃない?」
「…あ、ほんとだ!澪、ありがと」
「リビング戻ろっか、その番組って優馬が出てるやつでしょ?」
頷いて、1番先にリビングに戻った。
「………ありがとね、郁人。」
「ううん、沢山思い出、作ってあげてね。」
ーーー
「……未来斗、莉音、海斗!起きろ!!」
「「「あぅ”っ」」」
台詞がシンクロした………
「俺の出るバラエティが始まるぞ」
「そんなんで起こしたのかよ……ナルシストだな」
「お前にだけは言われたくないぞ海斗」
「あー…今から流れるやつ、本番前に優馬差し入れ食べすぎてお腹壊してたんだよ」
「お転婆だな!優馬!」
「莉音……!余計なことを……!!」
皆で席について、テレビを付ける。
「………あ、始まるよ」
それから何時間もテレビを見たり話をしたり、ゲームをしたりで、
あっという間に夕方になった。
「誰が最初に風呂入るかじゃんけんするぞ!」
未来斗がそう言ったので皆でじゃんけんをした。
「なんか、昔もよくこんなことしてたね」
「…そうだな、澪!皆変わってなくて安心したぞ!」
………未来斗も変わらない。
ずっと優しくて笑顔が明るくて、一緒にいて安心出来る。
(この人が一生隣にいてくれるなら、きっとその相手はすごく幸せなんだろうな)
なんて思いながら、未来斗の隣にいた海斗をじっと見てた。
「僕がいちばーん!でも時間かかるけどいいのー?」
「大丈夫だよ、ゆっくり入ってきてね」
「分かった、ありがと、桜木!」
………ていうか、
「郁人は莉音と付き合ったのか?」
僕が気になっていたことを優馬が言葉にして伝えた。
「ううん、付き合ってはないけど………ずっとグダグダになってるかな、その辺は」
「そういうの良くないぞ!莉音が何の為にお前の世話してると思ってるんだよ」
「世話……って、僕はペットか何か?」
………まあ、
「はっきりしないと駄目だよ。じゃないと僕がスッキリしないから」
「澪…!?やっぱり最近こいつに揺らいでない………!!?」
揺らいでる、というか
「いや…流石に優馬と24時間365日一緒にいるのは疲れる……というか」
「確かに…めちゃくちゃ疲れそう……」
「(´・ω・`)」
「夜ご飯の準備するぞぉー!海斗っ、やろ!」
「うん、いいぞ」
皆が風呂に入ってる間に夜ご飯の準備をするらしい。
「料理といえば俺だな!」
「優馬……」
確かに優馬のご飯は美味しい。
「僕もやるよ、優馬だけじゃ……」
「いいよお前は休んでろよ、朝作ってくれてたし」
「いや台所勝手に立って欲しくないから………」
「あ、じゃあ俺デザート担当していい?」
「デザート!葉月さんに体重管理されてるけど食べたい!」
「…じゃあ買い出ししてくるよ」
海斗が買い出し………もう1人欲しいところ。
「買い出しもう1人……」
「俺だ俺だ俺だ俺だ!!!」
未来斗うるさいな
「行ってらっしゃーい」
「「行ってきます(!)」」
そういえば、
「未来斗も頑張ったよな、あの上智に1年とちょっと勉強して受かるなんて」
「まぁ、本気出せば成績は上げられたって事だよね………」
そう言われると高校の時勉強を教えてた俺達は複雑ではあるけど。
「卒業後は海斗が経営する会社に入ったんだろ?ほんとすごいよな、行動力が」
海斗が社長を務めている会社の営業部に入社して、今はずっと2人でいるらしい。
「入社する時海斗がひいきしないか心配だったけどな」
「そんな事するタイプじゃないでしょ、海斗は」
まぁ、真面目なあいつがそんな事をする訳ないのは分かってる。
なんて2人の話をしているうちに料理が出来た。
「澪、お皿運べる?」
「…ん。」
しばらく話しかけなかったからちょっとウトウトしてた、可愛い。
「ただいまー!色々買ってきたぞ!」
「ごめん未来斗……荷物持ってもらっちゃって」
まぁ未来斗なら大丈夫だろう。
ーーー
お風呂も済んで、食卓を囲んだ。
「未来斗、これ美味しいよ。」
「ほんとだ!優馬はすごいな!」
「…えへへ、知ってる☆」
「桜木、口開けて?」
「や……恥ずかしいよ」
「いーから!澪に見せつけるの!!」
「嫌な男………」
外も暗くなってきたので、お酒も飲み始めた。
「優馬……飲むの早いよ、大丈夫?」
「なぁに心配すんなって!お前もいっぱい飲めよ~??」
「あれ……未来斗、それしか飲まないの?」
「ん?あー、うん!ちょっと今は飲み過ぎないようにしてるんだ!…澪は飲まないのか?」
「ぅ”~……ヒック」
「海斗酔いすぎ……僕より弱いじゃん」
皆(主に俺と海斗)が酔い始めた。
「なぁ………未来斗、」
「どうした?海斗」
海斗が未来斗と袖を軽く掴んだ。
「………ぎゅ、ってして、?」
……………ホェ
「か……海斗!!今は皆いるから!!」
「ん~…、だめ…ぎゅってするまで寝かせない」
こいつら普段からこんな事してるのか……………
「桜木~、僕も酔っちゃったみたい」
「え、莉音って五升升くらい飲んでも酔わなくない??」
「………そういうとこだよ桜木」
「澪酔った?!澪は酔った?!!」
「うるさい寝ろ………」
なんて、酒が入ってもあんまり変わらない気がする。多分。
「朝まで飲むぞぉ~~!!」
ーーー
(未来斗side)
日付が変わった。
「………皆寝ちゃったね」
「あぁ…郁人、アレ、読ませてくれる約束だっただろ?」
優馬も海斗も酔って寝て、莉音と澪は眠くて寝てしまった。
「はいはい、焦らしてごめんね。皆いる前じゃ恥ずかしいからさ?」
「これから不特定多数が見れる場所にあげられるものなのに?……早く見たい、持ってきてよ」
そう言うと郁人は準備してあったのか書斎からすぐに持ってきた。
「………!いっぱいあるな………」
「今日中には読み切れないと思うよ。」
俺が見たいと頼んでいたのは郁人の書いた小説。
まあ、小説と言っても、
「文はいつもと違ってあんまり難しく書かないようにしたんだ、難しすぎるとせっかく楽しかった思い出、上手く伝えられなくなっちゃうから。」
簡単な文で、まるで素人が書いたような。
「………本当に楽しかったよ、もう十分。」
「まだまだだよ、これからもずっと、この話を…物語を、続けていこう?」
少しクサい気もするけど、
そう言うと郁人は小さく微笑んだ。
「…じゃ、早く読んでね!僕まだお酒飲むから」
「おう!ありがとな!」
ソファを背もたれにして、机の上にお酒を置いて、
最初の1ページ目を開いた。
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