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1章 一学期。
5.身体測定
しおりを挟む「次、身体測定だからなー上は半袖だからな。」
「「「「「「はーい」」」」」」
「はぁ……やだな、身体測定。」
昨日は少し楽しみだったけど、なんか全然伸びてる気がしないし………
ちなみに、2年生の時は159.5だった。
「どうしようかな……休もうかな………」
「澪、身長伸びてるといいな。」
優馬って、すごい鋭いよね。
人の気にしてることがあっさり分かっちゃうから。
「優馬は168くらいだったよね?」
「うん、2年生の最初の時にはかった時は168.8だったよ。」
いいなー。
「僕、160いってるかな……」
「きっといってるよ!自信持てって。」
「……うん。」
「そういえば郁人は何cmだったの?2年生の時。」
「僕?僕はーえっと、確か170.2、だったかな!」
(いいなぁ……)
「お前、意外と背高いよな。」
「そうかな?平均とかわかんないや。」
「男子高校生の2年生の平均身長は、169.9だよ。」
「澪、詳しいね。」
「……そんな事ない。」
別に身長が低いのが気になって調べてみたとか、そんなんじゃない。
保健室。
「わーいっ!」
優馬が、犬みたいに明るい笑顔で僕のところに来た。
「伸びてた!170.3!」
「おー、おめでと。」
羨ましい。
「ねぇ優馬……身長ちょうだい?」
「いやそんな可愛い顔で頼んできても無理なものは無理だよ~」
クソが。
次に郁人が、いつも通りのマイペース顔でこっちに来た。
「172.1だった~」
「なっ……俺より2cmくらい高い!!」
「身長小さい男はモテないよ~?」
「低くねーよ!!平均だし!!」
またくだらない言い争い。
(小さいと、モテないんだ……)
しばらくして、僕の番が来た。
「双葉君、ここに立ってね~、あ、背伸びとかしないでね??」
え、バレてる。
(まぁでも流石に160はいってるだろうな~)
そんな期待の気持ちで、待っていると、
「双葉君、159.9!」
「……………………………………え?」
「あと1mmじゃん!頑張れ澪!」
「うんうん!大丈夫だよ!これからこれから!!」
めっちゃ2人にフォローされた。
ーーー
(海斗side)
「あ、伸びてる。」
「え、どれくらい!?」
「162.1から、164.2……」
嬉しい。
「おー!良かったな!海斗!」
「う、うん……!み、未来斗は?」
「俺は165.3から168.2。
3cmくらい伸びたぞー!」
「良かったじゃん、あいつらはどんな感じかな?」
「澪達?んー、優馬と郁人は結構伸びてそうだよなー、澪はまぁ……160はいったんじゃないか?」
「まぁ流石に、3年生にもなって160いかないのはやばいしな!」
「だな!あはは……」
「159.9。」
まじか。
「ま、まぁ……あと1mmだしな!頑張れ!澪!」
「うるさい……明日から引こもる。」
「ええぇ………」
まぁ、フラグ回収したよね。
「外に出て運動しないと伸びないぞー多分!」
「いい、もうあんな悪魔の小道具見なければいい話……」
身長測るアレのことかな?
「早く寝れば、少しは伸びると思うぞ……?」
「そんなこと言ったって眠れないんだから仕方ないじゃん………」
……?
「寝れてないのか?」
「………あっ、ち、ちが、寝れてる!寝れてるから!!」
なんか、周りの空気が重くなったような……?
特に郁人と未来斗、なんか怖い………
「薬、飲んでない?」
薬……?
「う、うん………飲んで、ない。」
嘘をついてる目だ。
事情が分からない俺ですら分かる。
「……ならいいけど。」
なんだろう、この感じ。
「じゃあ!帰りに本屋よって帰ろー!」
あ、戻った。
何だったんだろ。
帰ってる途中に、優馬にこそっと聞いてみた。
「なぁ、さっきのアレ、なんだったんだ……?」
「ん?あぁ、海斗が知ると重すぎて耐えられなくなることだよ。」
「え?」
ていうか、優馬も未来斗も郁人も知ってるのに俺だけ知らないって……
(何この疎外感……)
2年生の頃からなんとなく思ってたけど、なんか俺って、浮いてる気がする。
存在感は薄いのにどこか皆とは違くて、ある意味目立っていたかもしれない。
(俺も、もっと溶け込みたいんだけどな。)
皆のこと、もっと知りたいんだけどな。
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