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獣人の街グオルク ~~
折る紙
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小声で子供達の散歩の話をしていると、オルガの視線に、奥の本棚に並べられているモノが映り、思わず二度見していた。
紙で折ったモノが…いろいろな形のモノが…『ツル』が置いてある…!
『ツル』の折り方は、『クルーラ』の住人にしか公開していない。
外部に洩らすことは無い。
『クルーラ』で住めなくなるからだ。
今まで『ツル』を出荷しているから、『折り魔紙』の魔力が無くなったモノを広げて、折り方を真似て折ることも出来なくは無い…。
『折り魔紙』の発動条件の基本は、『魔力紙』『属性魔力』『折り線』だ。
『クルーラ』よりも上質な『魔力紙』は無いし、『折り線』も余分に折り目が付くと発動しない…。
でもアレは、遠目に見ても、綺麗な形をしている…。
ソレ以外にも、僕の知らない折り方をした、折ったモノが並んでいる…。
オルガの視線が本棚に止まり、凝視している事に気が付いたアレイの視線が本棚に向くと、アレイも動きを止めた。
「どうした?」
フェイが不思議そうに二人に声をかける。
「「『ツル』が…有る…」」
「えっ?」
フェイも視線を二人と同じ本棚に向けると、「本当だ…」
と、声を溢した。
「あれは、ユナが折ったんだよ」
側にいたラビリオさんが微笑み、三人の視線がラビリオさんに向く。
「ユーリちゃんから聞いてない?会ってもらいたい子がいるって…」
そう言えば、言っていた…。
『折る』事が出来る子…。
「もうすぐ帰ってくるから、詳しい説明はちょっと待ってね」
ラビリオさんがそう言って微笑む。
それでもオルガは気になって立ち上がり、子供達を起こさないように、そっと本棚に近付いた。
本棚の一番下には、ぬいぐるみと、オモチャが入った箱が並んでいる。
その上の棚二段分は絵本。
何度も読んでいるのか、年期が入っているのか、ボロボロになった本と、まだ新しい本が混在している。
そして下から四段目…。
紙で折った『ツル』と、花だろうか…。
『ツル』によく似た折り方をしているモノや、動物の顔を折ったモノ、角が付いた帽子?みたいなモノ…。
オルガの知らないモノがいくつもある。
そして、知っているモノ…。
どう使えば良いのかわからない『フネ』と、火属性をかけて落としたら爆発したので封印した『フウセン』が置いてあった。
これらは関係者でなければ知らない折り方…。
よく見ると、その紙にはたくさんの文字が書かれていた。
もしかして、魔法陣でも書いてあるのか?
それとも何か意味の有るモノなのか?
少し不安に思いながら、ラビリオさんに聞いてみると、微笑んで教えてくれた。
「ソレはね。子供達が、文字を書く練習に使った紙だよ」
文字を書く練習に使った紙…。
言われてみれば、同じ文字がいくつも並んでいる…。
それに紙質も粗く、ゴワゴワしている…。
最初、その子は、文字を書く練習をした後の紙を折りたたんで、『ヒコウキ』を作って飛ばしたのだそうだ。
『ヒコウキ』は、連絡用や、緊急時用に、僕達もポーチに常に入れている。
違うのは、僕達が持っているのは『魔力紙』と、言うこと…。
その子は特に教えたわけではないのに、時々文字を書く練習した紙を折って、いろんな形を作り出した。
なので『折り魔紙』の製造元である『クルーラ』に連絡を取ったら、僕が『グオルク』に来ると言うことになっていたので、会わせて今後の事を話そうと、言うことになったらしい…。
「詳しいことは、ユナが帰ってきてからね」
そう言われた。
その子、ユナが、正確に折る事が出来るのならば、『ツル』を折ってもらう事が出来る!
そう思っていると、廊下をバタバタと走る音がいくつもして、階段を駆け上がる音がした。
帰ってきたのかな…。
しばらくすると、再び廊下がパタパタと、さっきよりは静かな音で響いてきて、部屋の扉が開いた。
「「「ただいま!」」」
ちょっと小声で三人の子供達が叫んだ。
「お帰り」
ラビリオさんが子供達に返事すると、子供達が足音を立てずにそっと、僕達の方に駆け足で近付いてきた。
「「「だれ…?」」」
好奇心いっぱいの子供達に、自己紹介すると、子供達も順番に名前を教えてくれた。
この子が、ユナ…。
熊族の十歳くらいの子…。
オルガが『クルーラ』に保護された時くらいの子供だ。
「僕と一緒だ!」
ユナはアレイの方を見て、嬉しそうにはしゃぐ。
ああ…同じ熊族だから、嬉しいのか…。
そう言えば、ココにいるのは、犬族、兎族、猫族などの体格の小さい種族ばかりだ。
と、言っても大人になると僕よりは大きいけれど…。
そんな事を思っていると、再び部屋の扉が開いて二人が部屋に入ってきた。
同じ身長くらいの狼族と、人族…!
それも、あの人族の子は、創立祭の時に見た子だ!
紙で折ったモノが…いろいろな形のモノが…『ツル』が置いてある…!
『ツル』の折り方は、『クルーラ』の住人にしか公開していない。
外部に洩らすことは無い。
『クルーラ』で住めなくなるからだ。
今まで『ツル』を出荷しているから、『折り魔紙』の魔力が無くなったモノを広げて、折り方を真似て折ることも出来なくは無い…。
『折り魔紙』の発動条件の基本は、『魔力紙』『属性魔力』『折り線』だ。
『クルーラ』よりも上質な『魔力紙』は無いし、『折り線』も余分に折り目が付くと発動しない…。
でもアレは、遠目に見ても、綺麗な形をしている…。
ソレ以外にも、僕の知らない折り方をした、折ったモノが並んでいる…。
オルガの視線が本棚に止まり、凝視している事に気が付いたアレイの視線が本棚に向くと、アレイも動きを止めた。
「どうした?」
フェイが不思議そうに二人に声をかける。
「「『ツル』が…有る…」」
「えっ?」
フェイも視線を二人と同じ本棚に向けると、「本当だ…」
と、声を溢した。
「あれは、ユナが折ったんだよ」
側にいたラビリオさんが微笑み、三人の視線がラビリオさんに向く。
「ユーリちゃんから聞いてない?会ってもらいたい子がいるって…」
そう言えば、言っていた…。
『折る』事が出来る子…。
「もうすぐ帰ってくるから、詳しい説明はちょっと待ってね」
ラビリオさんがそう言って微笑む。
それでもオルガは気になって立ち上がり、子供達を起こさないように、そっと本棚に近付いた。
本棚の一番下には、ぬいぐるみと、オモチャが入った箱が並んでいる。
その上の棚二段分は絵本。
何度も読んでいるのか、年期が入っているのか、ボロボロになった本と、まだ新しい本が混在している。
そして下から四段目…。
紙で折った『ツル』と、花だろうか…。
『ツル』によく似た折り方をしているモノや、動物の顔を折ったモノ、角が付いた帽子?みたいなモノ…。
オルガの知らないモノがいくつもある。
そして、知っているモノ…。
どう使えば良いのかわからない『フネ』と、火属性をかけて落としたら爆発したので封印した『フウセン』が置いてあった。
これらは関係者でなければ知らない折り方…。
よく見ると、その紙にはたくさんの文字が書かれていた。
もしかして、魔法陣でも書いてあるのか?
それとも何か意味の有るモノなのか?
少し不安に思いながら、ラビリオさんに聞いてみると、微笑んで教えてくれた。
「ソレはね。子供達が、文字を書く練習に使った紙だよ」
文字を書く練習に使った紙…。
言われてみれば、同じ文字がいくつも並んでいる…。
それに紙質も粗く、ゴワゴワしている…。
最初、その子は、文字を書く練習をした後の紙を折りたたんで、『ヒコウキ』を作って飛ばしたのだそうだ。
『ヒコウキ』は、連絡用や、緊急時用に、僕達もポーチに常に入れている。
違うのは、僕達が持っているのは『魔力紙』と、言うこと…。
その子は特に教えたわけではないのに、時々文字を書く練習した紙を折って、いろんな形を作り出した。
なので『折り魔紙』の製造元である『クルーラ』に連絡を取ったら、僕が『グオルク』に来ると言うことになっていたので、会わせて今後の事を話そうと、言うことになったらしい…。
「詳しいことは、ユナが帰ってきてからね」
そう言われた。
その子、ユナが、正確に折る事が出来るのならば、『ツル』を折ってもらう事が出来る!
そう思っていると、廊下をバタバタと走る音がいくつもして、階段を駆け上がる音がした。
帰ってきたのかな…。
しばらくすると、再び廊下がパタパタと、さっきよりは静かな音で響いてきて、部屋の扉が開いた。
「「「ただいま!」」」
ちょっと小声で三人の子供達が叫んだ。
「お帰り」
ラビリオさんが子供達に返事すると、子供達が足音を立てずにそっと、僕達の方に駆け足で近付いてきた。
「「「だれ…?」」」
好奇心いっぱいの子供達に、自己紹介すると、子供達も順番に名前を教えてくれた。
この子が、ユナ…。
熊族の十歳くらいの子…。
オルガが『クルーラ』に保護された時くらいの子供だ。
「僕と一緒だ!」
ユナはアレイの方を見て、嬉しそうにはしゃぐ。
ああ…同じ熊族だから、嬉しいのか…。
そう言えば、ココにいるのは、犬族、兎族、猫族などの体格の小さい種族ばかりだ。
と、言っても大人になると僕よりは大きいけれど…。
そんな事を思っていると、再び部屋の扉が開いて二人が部屋に入ってきた。
同じ身長くらいの狼族と、人族…!
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