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獣人の街グオルク ~創立祭~
創立祭の準備 1
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翌日、三人は、宿から『リマ商会』に向かい、フェイとアレイは足早に、広場の集合場所に向かった。
『リマ商会』の建物の横から広場が見えてくると、すでにそこには何人もの人が集まって、広場の区域分けの説明と段取りをしているようだった。
祭りの準備は、今日と明日の二日間でするため、今日の昼からは屋台積んだ荷馬車が行き来し始める。
『創立祭』の時は、グオルクの街だけでなく、周辺の村や街からも珍しいものや、特産品を持って集まるので、大賑わいだと聞いている。
楽しみだ。
オルガは『リマ商会』の建物に入り、二階のヤナックさんの居る執務室を訪れた。
『折り魔紙』の『ツル』を折って、外灯の魔道具に『ツル』を設置するための部屋を、準備してくれているはずだからだ。
ヤナックさんと少し話をして、連絡係り用の魔道具のブレスレットを渡された。
これは『リマ商会』の仕事をしに来ている証であり、防犯用の機能も多少付いているとか。
一人で行動することになる時が有るので、安全面を考えての事。
ありがとうございます。
一応、ヒナキさんからは、対魔法と、対物理用のブレスレットは持たされ、両腕に付けてはいる。
『リマ商会』の証のブレスレットまでならなんとか…。
これ以上は重くなってしまうから、着けられない…。
オルガは指示された部屋に行き、部屋の片側に、山積みにされた外灯が入った箱を見てギョッとした。
えっと…百枚くらいで足りる…?
オルガは部屋で黙々と『折り魔紙』の『ツル』を折り続けた。
ずっと折って居るだけだと、飽きてしまうので、十枚折ったら魔道具の外灯内に『ツル』を設置して、廊下に置かれた棚に並べる。
並べておくと、外灯を設置する担当の人がそれを持って、広場の方に設置しに行っていた。
それをひたすら繰り返し…。
それを何度も繰り返している内にお昼になり、アレイが疲れた様子で呼びに来た。
『リマ商会』内に有る食堂で昼食を食べると、今度は出店をする人達への案内。
今日は、グオルク内に店が有る人達や、広場で大きな店を構える人達用が準備のようだ。
僕達が泊まっていた宿のもう一棟に、『グオルク』の外から来た、人族の人達が待機しているので、そっちに行って、順番に案内するのが午後からの僕の仕事だった。
打ち合わせの後、担当の犬族のネオさんと一緒に、連絡用の魔道具を持って宿に向かった。
一人だったらどうしよう…と、思っていたが、そんなはずなかった。
僕は手伝い、補助要員だもんね。
宿にたどり着き、魔道具から連絡が有った番号札を持った人に、広場へ向かってもらうよう伝える仕事だが、そう簡単にはいかなかった。
時間を空けて魔道具から伝えられる番号を紙に書き込み、番号札を持った人を呼んで、広場へ向かってもらう…。
番号を呼んでも、居ない人もいるので、名簿を見せてもらって、宿の人に呼び出してもらったり、広場に向かってもらったはずなのに、まだ着いていないと、連絡が有ったり…。
宿内と荷物を積んだ馬車の待機所を、行ったり来たり…。
ネオさんも魔道具で連絡のやり取りをしながら、僕に指示を出し、宿の人に連絡をとってもらって…と、休む間もなかった…。
そして二時間くらいたって、宿に待機していた人達を広場へ案内し終わると、『リマ商会』へ戻って休憩となった。
馴れない事をしたからか、さすがに疲れた…。
ネオさんと一緒に食堂で、おやつのパンケーキとオレンジジュースを頼んで、しばらくの休憩…。
ネオさんは普段、『リマ商会』の荷物の搬入係りをしていて、これくらいはいつもの事だと言っていた。
毎日入ってくる商品を、各区域事の倉庫に割り振って、さらに、倉庫内の商品別に振り分けるのだと言う…。
担当は交代で何人も居るが、この時期だけは人手不足になるし、『創立祭』に向けて商品も入荷してくるので、この後は、通常の仕事に戻るのだと言う…。
それはそうだね。
人が多く出入りするならば、売れ筋のものはしっかりと在庫しておかないといけないもんね。
休憩が終わると、ネオさんは倉庫に戻り、僕は『折り魔紙』を折っていた部屋に向かった。
廊下に置いてあった外灯の魔道具はすべてなくなっていたので、置いてあった分は設置し終えたのだろう…。
オルガは部屋に入り、『折り魔紙』の『ツル』を再び折り、外灯の魔道具に設置し始めた。
『リマ商会』の建物の横から広場が見えてくると、すでにそこには何人もの人が集まって、広場の区域分けの説明と段取りをしているようだった。
祭りの準備は、今日と明日の二日間でするため、今日の昼からは屋台積んだ荷馬車が行き来し始める。
『創立祭』の時は、グオルクの街だけでなく、周辺の村や街からも珍しいものや、特産品を持って集まるので、大賑わいだと聞いている。
楽しみだ。
オルガは『リマ商会』の建物に入り、二階のヤナックさんの居る執務室を訪れた。
『折り魔紙』の『ツル』を折って、外灯の魔道具に『ツル』を設置するための部屋を、準備してくれているはずだからだ。
ヤナックさんと少し話をして、連絡係り用の魔道具のブレスレットを渡された。
これは『リマ商会』の仕事をしに来ている証であり、防犯用の機能も多少付いているとか。
一人で行動することになる時が有るので、安全面を考えての事。
ありがとうございます。
一応、ヒナキさんからは、対魔法と、対物理用のブレスレットは持たされ、両腕に付けてはいる。
『リマ商会』の証のブレスレットまでならなんとか…。
これ以上は重くなってしまうから、着けられない…。
オルガは指示された部屋に行き、部屋の片側に、山積みにされた外灯が入った箱を見てギョッとした。
えっと…百枚くらいで足りる…?
オルガは部屋で黙々と『折り魔紙』の『ツル』を折り続けた。
ずっと折って居るだけだと、飽きてしまうので、十枚折ったら魔道具の外灯内に『ツル』を設置して、廊下に置かれた棚に並べる。
並べておくと、外灯を設置する担当の人がそれを持って、広場の方に設置しに行っていた。
それをひたすら繰り返し…。
それを何度も繰り返している内にお昼になり、アレイが疲れた様子で呼びに来た。
『リマ商会』内に有る食堂で昼食を食べると、今度は出店をする人達への案内。
今日は、グオルク内に店が有る人達や、広場で大きな店を構える人達用が準備のようだ。
僕達が泊まっていた宿のもう一棟に、『グオルク』の外から来た、人族の人達が待機しているので、そっちに行って、順番に案内するのが午後からの僕の仕事だった。
打ち合わせの後、担当の犬族のネオさんと一緒に、連絡用の魔道具を持って宿に向かった。
一人だったらどうしよう…と、思っていたが、そんなはずなかった。
僕は手伝い、補助要員だもんね。
宿にたどり着き、魔道具から連絡が有った番号札を持った人に、広場へ向かってもらうよう伝える仕事だが、そう簡単にはいかなかった。
時間を空けて魔道具から伝えられる番号を紙に書き込み、番号札を持った人を呼んで、広場へ向かってもらう…。
番号を呼んでも、居ない人もいるので、名簿を見せてもらって、宿の人に呼び出してもらったり、広場に向かってもらったはずなのに、まだ着いていないと、連絡が有ったり…。
宿内と荷物を積んだ馬車の待機所を、行ったり来たり…。
ネオさんも魔道具で連絡のやり取りをしながら、僕に指示を出し、宿の人に連絡をとってもらって…と、休む間もなかった…。
そして二時間くらいたって、宿に待機していた人達を広場へ案内し終わると、『リマ商会』へ戻って休憩となった。
馴れない事をしたからか、さすがに疲れた…。
ネオさんと一緒に食堂で、おやつのパンケーキとオレンジジュースを頼んで、しばらくの休憩…。
ネオさんは普段、『リマ商会』の荷物の搬入係りをしていて、これくらいはいつもの事だと言っていた。
毎日入ってくる商品を、各区域事の倉庫に割り振って、さらに、倉庫内の商品別に振り分けるのだと言う…。
担当は交代で何人も居るが、この時期だけは人手不足になるし、『創立祭』に向けて商品も入荷してくるので、この後は、通常の仕事に戻るのだと言う…。
それはそうだね。
人が多く出入りするならば、売れ筋のものはしっかりと在庫しておかないといけないもんね。
休憩が終わると、ネオさんは倉庫に戻り、僕は『折り魔紙』を折っていた部屋に向かった。
廊下に置いてあった外灯の魔道具はすべてなくなっていたので、置いてあった分は設置し終えたのだろう…。
オルガは部屋に入り、『折り魔紙』の『ツル』を再び折り、外灯の魔道具に設置し始めた。
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