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森の聖域 2
観察日記 3
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観察十二日目。
リーンの髪飾りは二個目が消えたまま…。
変化が無いのを確認すると、世界樹とは反対側の、家の横の昨日作ったブランコの方に向かい、ルークは自分の目を疑った。
…昨日、作ったのは…小さなブランコを三個…だったよな…。
ソコには背丈ほどの高さ、横幅も広くなったブランコが有った。
地面に突き刺した二組の四本の木は、根っこが出来ていて、幹は太くなり、枝から緑の葉っぱが生えていて、その上に結んだはずの木が、両サイドの木から生えた枝が絡まり太くなっている…。
そしてソコに、昨日作った小さなブランコが揺れている。
それも、少し間隔を開けて並べた三個のブランコが、支える幹から伸びた枝が絡まりあって繋がり、一つに繋がっている…。
と、言うことは、ブランコを五つの場所でする事が出来ると言うこと…。
呆然とルークが見ていると、土霊が、たぶん結んであった紐をずるずると引っ張ってきて、ルークに差し出した。
…もう二ヵ所分のブランコを作れと言うことか…。
と、言うか、この大きくなったブランコのサイズに、あの座るサイズは小さいだろう…。
ルークは背丈ほどになったブランコの座る部分を五つ作ることになった。
でも、昨日作った座る部分ももったいないので、両脇に膝丈の枝を伸ばしてもらって、ソコに結びつけた。
しばらくはそれで遊べるだろう。
ルークが黙々とブランコを作る作業をしていると、ヒナキが笑って近付いてきた。
「楽しそうなことをしてるじゃないか」
「…俺が作ったのは、もっと小さかったんだが、朝になったらこうなってた」
ルークが真面目な顔をして言うと、ヒナキは再び笑った。
「水霊にも何か、水で遊べそうなモノを作ってあげて」
ココで遊んでいるのは、土霊、木霊、風霊達だ。
水霊はココまで来れないのだろう。
「わかった」
時々、魚をもらうお礼に、簡単な水車でも作るか…。
ルークはヒナキに、使わない木の板が有ったら欲しいと頼み、ブランコの製作にいそしんだ。
観察十三日目。
…リーンの観察でなく、ココにいる子達との生活の日記みたいになってきた事に、今さらながら気が付く。
…今日はヒナキが板を持ってきてくれたので、水霊の為に水車を作る。
太めの真っ直ぐな枝に、放射線状に板をくっ付け、水を溜める為に両サイドを少しふさぎ、木霊に強化してもらう。
二本の枝を、ブランコの時より少し下辺りで結んで広げ、二個作ると、川辺にそれらを持って行った。
川の中に結んだ二本の枝を広げて固定させ、二ヵ所並べると、ワイの字になった凹みに、板を付けた棒を乗せる。
すると水に押されて水車のプロペラが回る。
カタカタカタと安定感は無いが、勢いよく回って水を跳ね上げていく。
…思ったより、地味だな…。
何か違うものの方が良いかも知れない…。
ルークは頭を悩ませながら、家へと戻っていった。
観察十四日目。
家の横に作ったブランコ柱の回りに蔦が絡まり、どんどん緑に溶け込んでいく。
まるで、もともとココに有った木にブランコを結んだみたいに…。
ルークは水車がどうなったか気になったので、水辺に向かうと、水車を支える木が少し太くなっただけで、変わらずカラカラと音をたてている。
でもよく見ると、取り付けた板の間、水を送るための凹みに何人か座っていて、水車が回って川の中に入ったり外に出てきたりしている…。
そして時々、水中飛び出している…。
…我慢大会か…?
そんな風に思えるくらいに…。
ルークはふと思い立ち、家に戻ると、森の中で折れて撤去した長い木の枝を肩に担ぎ、川辺に戻ってきた。
木の長さは川幅よりも長いので、向こう岸に届く。
川の流れの邪魔にならないように、少し高めにアーチを作ると、木霊と土霊にお願いして固定させ、木の橋を作った。
人が渡るには細くて折れてしまいそうだが、水霊や木霊達なら大丈夫だろう。
木の上から板を固定し、川の中に向かって滑るように、滑り台を作った。
板は水中に付かないように、少し短めにして、取りあえず二ヵ所。
多めに作ったブランコの座る部分を、木に結びつけて、水上のブランコ。
取りあえずこんなもんでどうだ。
すると水霊が木の橋を渡り、斜めにした板の前に立つ。
「ソコは座って滑る滑り台だ」
ルークがそう言うと、恐る恐る座り、斜めにした板の上へと進み、ズルズルと滑り落ち始め、慌てているうちに水中にポチャンと落ちた。
「…。」
ちょっとイメージと違うか…。
ルークがそう思っていると、水霊達が木に登りだし、板を滑り落ち出した。
ポチャン、ポチャンと辺り一面に水飛沫を上げ始めた。
…取りあえず、気に入ってくれたみたいだ。
ルークはホッとして家に戻った。
リーンの髪飾りは二個目が消えたまま…。
変化が無いのを確認すると、世界樹とは反対側の、家の横の昨日作ったブランコの方に向かい、ルークは自分の目を疑った。
…昨日、作ったのは…小さなブランコを三個…だったよな…。
ソコには背丈ほどの高さ、横幅も広くなったブランコが有った。
地面に突き刺した二組の四本の木は、根っこが出来ていて、幹は太くなり、枝から緑の葉っぱが生えていて、その上に結んだはずの木が、両サイドの木から生えた枝が絡まり太くなっている…。
そしてソコに、昨日作った小さなブランコが揺れている。
それも、少し間隔を開けて並べた三個のブランコが、支える幹から伸びた枝が絡まりあって繋がり、一つに繋がっている…。
と、言うことは、ブランコを五つの場所でする事が出来ると言うこと…。
呆然とルークが見ていると、土霊が、たぶん結んであった紐をずるずると引っ張ってきて、ルークに差し出した。
…もう二ヵ所分のブランコを作れと言うことか…。
と、言うか、この大きくなったブランコのサイズに、あの座るサイズは小さいだろう…。
ルークは背丈ほどになったブランコの座る部分を五つ作ることになった。
でも、昨日作った座る部分ももったいないので、両脇に膝丈の枝を伸ばしてもらって、ソコに結びつけた。
しばらくはそれで遊べるだろう。
ルークが黙々とブランコを作る作業をしていると、ヒナキが笑って近付いてきた。
「楽しそうなことをしてるじゃないか」
「…俺が作ったのは、もっと小さかったんだが、朝になったらこうなってた」
ルークが真面目な顔をして言うと、ヒナキは再び笑った。
「水霊にも何か、水で遊べそうなモノを作ってあげて」
ココで遊んでいるのは、土霊、木霊、風霊達だ。
水霊はココまで来れないのだろう。
「わかった」
時々、魚をもらうお礼に、簡単な水車でも作るか…。
ルークはヒナキに、使わない木の板が有ったら欲しいと頼み、ブランコの製作にいそしんだ。
観察十三日目。
…リーンの観察でなく、ココにいる子達との生活の日記みたいになってきた事に、今さらながら気が付く。
…今日はヒナキが板を持ってきてくれたので、水霊の為に水車を作る。
太めの真っ直ぐな枝に、放射線状に板をくっ付け、水を溜める為に両サイドを少しふさぎ、木霊に強化してもらう。
二本の枝を、ブランコの時より少し下辺りで結んで広げ、二個作ると、川辺にそれらを持って行った。
川の中に結んだ二本の枝を広げて固定させ、二ヵ所並べると、ワイの字になった凹みに、板を付けた棒を乗せる。
すると水に押されて水車のプロペラが回る。
カタカタカタと安定感は無いが、勢いよく回って水を跳ね上げていく。
…思ったより、地味だな…。
何か違うものの方が良いかも知れない…。
ルークは頭を悩ませながら、家へと戻っていった。
観察十四日目。
家の横に作ったブランコ柱の回りに蔦が絡まり、どんどん緑に溶け込んでいく。
まるで、もともとココに有った木にブランコを結んだみたいに…。
ルークは水車がどうなったか気になったので、水辺に向かうと、水車を支える木が少し太くなっただけで、変わらずカラカラと音をたてている。
でもよく見ると、取り付けた板の間、水を送るための凹みに何人か座っていて、水車が回って川の中に入ったり外に出てきたりしている…。
そして時々、水中飛び出している…。
…我慢大会か…?
そんな風に思えるくらいに…。
ルークはふと思い立ち、家に戻ると、森の中で折れて撤去した長い木の枝を肩に担ぎ、川辺に戻ってきた。
木の長さは川幅よりも長いので、向こう岸に届く。
川の流れの邪魔にならないように、少し高めにアーチを作ると、木霊と土霊にお願いして固定させ、木の橋を作った。
人が渡るには細くて折れてしまいそうだが、水霊や木霊達なら大丈夫だろう。
木の上から板を固定し、川の中に向かって滑るように、滑り台を作った。
板は水中に付かないように、少し短めにして、取りあえず二ヵ所。
多めに作ったブランコの座る部分を、木に結びつけて、水上のブランコ。
取りあえずこんなもんでどうだ。
すると水霊が木の橋を渡り、斜めにした板の前に立つ。
「ソコは座って滑る滑り台だ」
ルークがそう言うと、恐る恐る座り、斜めにした板の上へと進み、ズルズルと滑り落ち始め、慌てているうちに水中にポチャンと落ちた。
「…。」
ちょっとイメージと違うか…。
ルークがそう思っていると、水霊達が木に登りだし、板を滑り落ち出した。
ポチャン、ポチャンと辺り一面に水飛沫を上げ始めた。
…取りあえず、気に入ってくれたみたいだ。
ルークはホッとして家に戻った。
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