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森の聖域 1
考え方
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風呂場でイチャイチャしながら何度も交わって、のぼせそうになって、ベッドの上に上がってからも、ルークを何度も味わった。
餓鬼感が収まるまで…。
それほどルークに飢えていたのだと思うと、少し恥ずかしかった。
…そして…久しぶり過ぎて、体力が…。
リーンは朝になってもベッドから降りるのが辛く、まだ、身体を横たえていた。
一度、起きようとしたのだが、手足がプルプルと震えて立ち上がれなかったのだ…。
回復魔法が恋しい…。
ルークはいつも通りに起きて、後で朝食を持ってくると言って、食堂に向かった。
…魔法剣士なのでそりゃ体力は有るだろうけど…少し加減して欲しかった…。
と、言っても、最後にねだったのは私だが…。
リーンは思い出して、頬を染めた。
いつの間にかウトウトと眠っていたみたいだ。
賑やかな声がしてリーンが目覚めると、ルークの部屋の中に三つ子達がいて、柔らかな絨毯の上で、キースがルークの膝の上に座り、ミーナとニーナがルークの両脇に座り、本を読んでもらっていた。
三人とも真剣にルークが読む声を聞いて、時々、キャッキャと笑う声が響いてくる。
楽しそう…。
ルークが子供達と一緒に居れる時間は限られている。
けれど出来るだけ時間を作って、遊んでくれている。
…良い父親…なのだろうな…。
リーンが身体を起こすと、こちらに気が付いたルークの視線と合い微笑まれて、リーンは頬を染めた。
そして子供達も気が付き、リーンの寝ているベッドに駆け寄って来た。
「…リーン大丈夫?」
「寝てなくて良いの?」
「つかれたの?」
不安そうに覗き込む三人に微笑んだ。
「大丈夫だよ。少し休めば元に戻るから」
…体力が、無かっただけとは言えないが…。
不安そうな子供達はホッとして、ニコニコと笑う。
「お父さまに、絵本読んでもらってたんだよ」
キースはそう言って、ルークの方に歩いて行って、膝の上にちょこんと座る。
…その行動が…かわいい…。
…ルークの前だから、歩いているのか…?
リーンは思わず唸った。
「ミーナとニーナもおいで」
ルークがそう言って二人を呼ぶと、パタパタとルークに走りより、さっきと同じ場所にちょこんと座った。
「サイドテーブルに、軽めの朝食を置いてある」
ルークがこちらを見て、そう言ったのでリーンがベッドサイドを見ると、パンとカットした果物、お茶が置いてあり、リーンはベッドに座り直して、朝食を食べ始めた。
ルークはさっきの続きの絵本を読み始め、三人は真剣に本を見始める。
…たまにこうやって、この光景を眺めるのも…良いな。
リーンは口許がニヤけるのを止められなかった。
しばらくは平穏な日々が続き、一月ぶり位にソフィアが『魔女の抜け道』を使って、リーンの部屋に姿を表した。
今度は三人ともお昼寝中…。
まだ目覚める時間ではないから、静かに話す分には大丈夫だろう。
リーンはソフィアと向き合って椅子に座ると微笑んだ。
「ソフィア。私は魔力を取り戻したい。分かったことを教えてくれないか」
ソフィアも微笑んで言う。
「多分、そう言うだろうと思っていた」
私が魔力を取り戻したいだろうと思って、調べてくれたのかもしれない。
「…詳しくは分からないけど、眠って記憶を失くす場所は『森の聖域』内なのでしょう。過去の貴方はそこで魔力も取り戻していたのよね…」
…そう。
そして再び新しい『私』として目覚める。
「そこに意図的に眠ったらどうなのかしら…」
「意図的に…」
「例えば、一月。そこで眠るとどれだけの記憶を失くすのか、魔力を体内に取り込めるのか…」
…瀕死の状態になって眠るのと、意識が有る状態で眠るのと、違うのかもしれない。
「そんな事が出きるのかは、私には分からないけれど、体内に魔力を染み込ませる…だったら、出きるのではないかしら…」
「…そうだな。考えもしなかった」
あの場所に眠るときは、誰にも気付かれていない。
誰かに起こしてもらえれば、目覚めれる…?
「…『森の聖域』の事に詳しい誰かに聞いてみると良いわ」
「…そうだな。ヒイロに相談してみる」
ヒイロは『森の聖域』に入ることが出来る、数少ない者だ。
何か分かるかもしれない…。
「ありがとう」
リーンは微笑んだ。
「…今日はまだ寝てるのね」
ソフィアはそう言って、『魔女の抜け道』を移動させて三つ子達が眠る場所に向かう。
…『魔女の抜け道』をこの状態で、移動させるのは有なのか…?
普通、開いた場所で、固定されている筈…。
それだけ、柔軟な魔法を作っていると言うことか…。
ソフィアはしばらく三人の寝顔を眺めて微笑んで、『魔女の抜け道』を閉じた。
…ヒイロに会いに…久しぶりにグオルクに行くか…。
餓鬼感が収まるまで…。
それほどルークに飢えていたのだと思うと、少し恥ずかしかった。
…そして…久しぶり過ぎて、体力が…。
リーンは朝になってもベッドから降りるのが辛く、まだ、身体を横たえていた。
一度、起きようとしたのだが、手足がプルプルと震えて立ち上がれなかったのだ…。
回復魔法が恋しい…。
ルークはいつも通りに起きて、後で朝食を持ってくると言って、食堂に向かった。
…魔法剣士なのでそりゃ体力は有るだろうけど…少し加減して欲しかった…。
と、言っても、最後にねだったのは私だが…。
リーンは思い出して、頬を染めた。
いつの間にかウトウトと眠っていたみたいだ。
賑やかな声がしてリーンが目覚めると、ルークの部屋の中に三つ子達がいて、柔らかな絨毯の上で、キースがルークの膝の上に座り、ミーナとニーナがルークの両脇に座り、本を読んでもらっていた。
三人とも真剣にルークが読む声を聞いて、時々、キャッキャと笑う声が響いてくる。
楽しそう…。
ルークが子供達と一緒に居れる時間は限られている。
けれど出来るだけ時間を作って、遊んでくれている。
…良い父親…なのだろうな…。
リーンが身体を起こすと、こちらに気が付いたルークの視線と合い微笑まれて、リーンは頬を染めた。
そして子供達も気が付き、リーンの寝ているベッドに駆け寄って来た。
「…リーン大丈夫?」
「寝てなくて良いの?」
「つかれたの?」
不安そうに覗き込む三人に微笑んだ。
「大丈夫だよ。少し休めば元に戻るから」
…体力が、無かっただけとは言えないが…。
不安そうな子供達はホッとして、ニコニコと笑う。
「お父さまに、絵本読んでもらってたんだよ」
キースはそう言って、ルークの方に歩いて行って、膝の上にちょこんと座る。
…その行動が…かわいい…。
…ルークの前だから、歩いているのか…?
リーンは思わず唸った。
「ミーナとニーナもおいで」
ルークがそう言って二人を呼ぶと、パタパタとルークに走りより、さっきと同じ場所にちょこんと座った。
「サイドテーブルに、軽めの朝食を置いてある」
ルークがこちらを見て、そう言ったのでリーンがベッドサイドを見ると、パンとカットした果物、お茶が置いてあり、リーンはベッドに座り直して、朝食を食べ始めた。
ルークはさっきの続きの絵本を読み始め、三人は真剣に本を見始める。
…たまにこうやって、この光景を眺めるのも…良いな。
リーンは口許がニヤけるのを止められなかった。
しばらくは平穏な日々が続き、一月ぶり位にソフィアが『魔女の抜け道』を使って、リーンの部屋に姿を表した。
今度は三人ともお昼寝中…。
まだ目覚める時間ではないから、静かに話す分には大丈夫だろう。
リーンはソフィアと向き合って椅子に座ると微笑んだ。
「ソフィア。私は魔力を取り戻したい。分かったことを教えてくれないか」
ソフィアも微笑んで言う。
「多分、そう言うだろうと思っていた」
私が魔力を取り戻したいだろうと思って、調べてくれたのかもしれない。
「…詳しくは分からないけど、眠って記憶を失くす場所は『森の聖域』内なのでしょう。過去の貴方はそこで魔力も取り戻していたのよね…」
…そう。
そして再び新しい『私』として目覚める。
「そこに意図的に眠ったらどうなのかしら…」
「意図的に…」
「例えば、一月。そこで眠るとどれだけの記憶を失くすのか、魔力を体内に取り込めるのか…」
…瀕死の状態になって眠るのと、意識が有る状態で眠るのと、違うのかもしれない。
「そんな事が出きるのかは、私には分からないけれど、体内に魔力を染み込ませる…だったら、出きるのではないかしら…」
「…そうだな。考えもしなかった」
あの場所に眠るときは、誰にも気付かれていない。
誰かに起こしてもらえれば、目覚めれる…?
「…『森の聖域』の事に詳しい誰かに聞いてみると良いわ」
「…そうだな。ヒイロに相談してみる」
ヒイロは『森の聖域』に入ることが出来る、数少ない者だ。
何か分かるかもしれない…。
「ありがとう」
リーンは微笑んだ。
「…今日はまだ寝てるのね」
ソフィアはそう言って、『魔女の抜け道』を移動させて三つ子達が眠る場所に向かう。
…『魔女の抜け道』をこの状態で、移動させるのは有なのか…?
普通、開いた場所で、固定されている筈…。
それだけ、柔軟な魔法を作っていると言うことか…。
ソフィアはしばらく三人の寝顔を眺めて微笑んで、『魔女の抜け道』を閉じた。
…ヒイロに会いに…久しぶりにグオルクに行くか…。
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