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神の宿り木~再生~
目覚めの午前
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朝食後、リーンはシャワールームでシャワーを浴びて、着替えて執務室に戻ってくると、部屋には見知った顔が揃っていた。
ルークの側近のアオ、ガーディ、カズキ。
ジェスは相変わらず王都内を飛び回っているのか、部屋にはいなかった。
そして…。
「もしかして、マーク?」
キレイ好きのチーターの獣人は、涙ぐんで微笑んだ。
…て、事は隣にいるのは…。
「…カムイ?」
背の高い青年、虎族のカムイに会ったのは、子獣の頃だ。
人族に捕まっていたのを、キリトと一緒に助け出した内の一人。
そして保護した子獣達をグオルクに連れて行くとき、マークの元に残ると言って、マークと一緒に町に残った子供だ。
カムイはペコリとお辞儀して、マークの側にいる。
あの時小さかったカムイが、その腕の中にすっぽりとマークが収まってしまうくらい、成獣人になってしまっている。
逆転してしまっている…。
「リーンの役に立ちたいと言って、来てくれたんだ。…隣の寮と宿舎の掃除と、この部家の掃除もしてくれている」
そう言ってルークが説明してくれる。
「…リーンが眠っている部屋に、あまり人を入れたく無かったから、リーンを知っているマークに頼んだ」
ルークではなくても、知らない人が出入りするのは気分的にも、嫌かもしれない。
「…目覚めてくれて良かった…」
マークは涙目でリーンに抱きついてくる。
…多くの人に心配を掛けてしまったな…。
リーンがよしよしと、頭を撫でてあげるとガバリと顔を上げた。
「リーンさんは、自分の事を大切にしなさすぎです。もっと大切にしてください」
「…。」
リーンは思わずキョトンとしてしまった。
…そうかも…。
長い時間、生きていて、あまり生への執着がない…。
…でも、今は…。
「…ごめん。つい…」
リーンは苦笑いした。
「リーンさんには、ルーク様も、ジーン様もユーリ様も…大切な家族が心配するんですよ!それに僕たちも!」
…そう…今の私には…家族と呼ぶ者がいる…。
…獣人の…兄弟…ヒイロも…家族だと言ってくれる。
…そして、慕ってくれる…仲間達…。
大切な者が、たくさん増えてしまった。
…守りたい者が、増えてしまった…。
…また、心配を掛けてしまうから、先に謝っておこう。
「ごめん。気よ付けるよ…」
そう言ってリーンは微笑んだ。
そう言えば、賑やかな子供達が居ない。
「ジーンとユーリは?」
「下でお客さんの、案内をしている」
さっき言っていた、お手伝い…。
「で、リーン。俺達に話しておかなくてはいけない事が有るだろ?」
ルークがそう言って手招きし、ルークの隣のソファーに座った。
「僕達は席を外そうか…」
マークがそう言って、こっちを見てくる。
「悪いな。部家の掃除は夕方までにで良いから」
ルークがそう言うと、マークとカムイは執務室を出ていった。
私が目覚めたと聞いて、顔を見に来てくれたみたいだ。
マーク達とは、また後で、ゆっくり話をしよう…。
それに、アオやガーディ、カズキ達も…。
心配をかけて、また、心配をさせてしまう…。
信用できる彼らには、話しておかなくてはいけない事…。
「…そうだね。話しておかないと…」
ルークとリーン、アオとガーディ、カズキはテーブルを囲み、リーンは話を始めた。
『始まりの宿り木』のこと。
『私』が今まで何回も、眠りについては目覚めて…を繰り返してきたこと。
『魔力の反転』が起こって、魔力が吸収されていること。
それを止めるには、新しい『宿り木』を植えて、正常化に戻すこと。
それが、眠っている時に見てきた事から、導き出したリーンなりの答えなのだと話した。
「『始まりの宿り木』…」
「そう、私の『始まりの宿り木』なんだ…」
リーンは静かに微笑んだ。
「…聞いて良いか?…何番目とか…分かるのか?」
ルークが訪ねてくる。
「…十八番目。でも、実感はほとんど無いんだ…。眠っている内に記憶が消えていくみたいで…」
だから誰かの記憶としか、認識出きなかった…。
「…それでも、今、ここに居るのはリーンの時間だ」
そう言ってルークはリーンを引き寄せ、口付けてくる。
…皆のいる前で…。
リーンは頬を染めた。
ルークにお願いしなくてはいけない事がある。
「それで、ルークの時間ができたら一緒に行って欲しい場所があるんだ」
「一緒に…?」
そう、これは私では無理なこと…。
ルークの炎の魔力が必要となる…。
「…アリミネ火山」
「…そこに何があるんだ?」
七つ前の『私』キースが知っている…魔法石がある。
「炎の竜がいる。…昔、アリミネ火山が噴火したとき、炎の竜が産まれた。…その子が持っているはずの炎の魔法石が必要なんだ…」
私が唯一、持っていない…手に入れる術を持っていない魔法石。
そしてルークと一番相性の良い、魔法石…。
ルークの側近のアオ、ガーディ、カズキ。
ジェスは相変わらず王都内を飛び回っているのか、部屋にはいなかった。
そして…。
「もしかして、マーク?」
キレイ好きのチーターの獣人は、涙ぐんで微笑んだ。
…て、事は隣にいるのは…。
「…カムイ?」
背の高い青年、虎族のカムイに会ったのは、子獣の頃だ。
人族に捕まっていたのを、キリトと一緒に助け出した内の一人。
そして保護した子獣達をグオルクに連れて行くとき、マークの元に残ると言って、マークと一緒に町に残った子供だ。
カムイはペコリとお辞儀して、マークの側にいる。
あの時小さかったカムイが、その腕の中にすっぽりとマークが収まってしまうくらい、成獣人になってしまっている。
逆転してしまっている…。
「リーンの役に立ちたいと言って、来てくれたんだ。…隣の寮と宿舎の掃除と、この部家の掃除もしてくれている」
そう言ってルークが説明してくれる。
「…リーンが眠っている部屋に、あまり人を入れたく無かったから、リーンを知っているマークに頼んだ」
ルークではなくても、知らない人が出入りするのは気分的にも、嫌かもしれない。
「…目覚めてくれて良かった…」
マークは涙目でリーンに抱きついてくる。
…多くの人に心配を掛けてしまったな…。
リーンがよしよしと、頭を撫でてあげるとガバリと顔を上げた。
「リーンさんは、自分の事を大切にしなさすぎです。もっと大切にしてください」
「…。」
リーンは思わずキョトンとしてしまった。
…そうかも…。
長い時間、生きていて、あまり生への執着がない…。
…でも、今は…。
「…ごめん。つい…」
リーンは苦笑いした。
「リーンさんには、ルーク様も、ジーン様もユーリ様も…大切な家族が心配するんですよ!それに僕たちも!」
…そう…今の私には…家族と呼ぶ者がいる…。
…獣人の…兄弟…ヒイロも…家族だと言ってくれる。
…そして、慕ってくれる…仲間達…。
大切な者が、たくさん増えてしまった。
…守りたい者が、増えてしまった…。
…また、心配を掛けてしまうから、先に謝っておこう。
「ごめん。気よ付けるよ…」
そう言ってリーンは微笑んだ。
そう言えば、賑やかな子供達が居ない。
「ジーンとユーリは?」
「下でお客さんの、案内をしている」
さっき言っていた、お手伝い…。
「で、リーン。俺達に話しておかなくてはいけない事が有るだろ?」
ルークがそう言って手招きし、ルークの隣のソファーに座った。
「僕達は席を外そうか…」
マークがそう言って、こっちを見てくる。
「悪いな。部家の掃除は夕方までにで良いから」
ルークがそう言うと、マークとカムイは執務室を出ていった。
私が目覚めたと聞いて、顔を見に来てくれたみたいだ。
マーク達とは、また後で、ゆっくり話をしよう…。
それに、アオやガーディ、カズキ達も…。
心配をかけて、また、心配をさせてしまう…。
信用できる彼らには、話しておかなくてはいけない事…。
「…そうだね。話しておかないと…」
ルークとリーン、アオとガーディ、カズキはテーブルを囲み、リーンは話を始めた。
『始まりの宿り木』のこと。
『私』が今まで何回も、眠りについては目覚めて…を繰り返してきたこと。
『魔力の反転』が起こって、魔力が吸収されていること。
それを止めるには、新しい『宿り木』を植えて、正常化に戻すこと。
それが、眠っている時に見てきた事から、導き出したリーンなりの答えなのだと話した。
「『始まりの宿り木』…」
「そう、私の『始まりの宿り木』なんだ…」
リーンは静かに微笑んだ。
「…聞いて良いか?…何番目とか…分かるのか?」
ルークが訪ねてくる。
「…十八番目。でも、実感はほとんど無いんだ…。眠っている内に記憶が消えていくみたいで…」
だから誰かの記憶としか、認識出きなかった…。
「…それでも、今、ここに居るのはリーンの時間だ」
そう言ってルークはリーンを引き寄せ、口付けてくる。
…皆のいる前で…。
リーンは頬を染めた。
ルークにお願いしなくてはいけない事がある。
「それで、ルークの時間ができたら一緒に行って欲しい場所があるんだ」
「一緒に…?」
そう、これは私では無理なこと…。
ルークの炎の魔力が必要となる…。
「…アリミネ火山」
「…そこに何があるんだ?」
七つ前の『私』キースが知っている…魔法石がある。
「炎の竜がいる。…昔、アリミネ火山が噴火したとき、炎の竜が産まれた。…その子が持っているはずの炎の魔法石が必要なんだ…」
私が唯一、持っていない…手に入れる術を持っていない魔法石。
そしてルークと一番相性の良い、魔法石…。
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