16 / 38
日常
約束
しおりを挟む
カイトが小型の飛行船に乗って飛び立ち、僕とハズキさんは屋敷に戻った。
何となく、そのまま外で話をする気持ちにならなかったからだ。
飛行船の爆発に、カイトさんの知っている人が乗って居なければ良いのに…。
ソレは連合軍へ行ってみないと分からないから、カイトさんも不安なのだろう…。
アヤトは片付けが途中だったのもあり、調理場に入って、片付けを始めた。
「ねぇ、リンゴパイ作って」
ハズキは先ほどの真剣な眼差しを忘れるくらい、能天気に食堂から顔を覗かせ、催促してきた。
昨日、買ったリンゴはカットして煮詰めては有る。
昨日は、身体が重かったので、風呂場の掃除はしたが、それ以上、何もしたくなく、イスに座ってリンゴの皮を黙々と剥いていたのだ。
なので、いつでも作れるように、準備だけはしてある。
「…作るから」
「やった!」
ハズキが、あからさまに嬉しそうに微笑む。
喜んでもらえるなら、それも悪くない…。
アヤトは内心嬉しく思いながら食器を片付けていた。
「それでね、今日の仕事終わったら、僕の部屋においでよ」
「…なんで?」
突然、何を言い出すんだ…?
「一昨日の続きをしよう。今度は優しくするから」
「…。」
一昨日の続きって…。
アヤトは思い出し食器を持ったまま手を止めて、頬を染めて、再び片付けを続ける。
夜中にハズキが眠れないと僕の部屋へやって来て、欲求不満だったのか、押し倒されて、一線を越えてしまった…。
あの時、僕も、最後にはハズキにしがみついて、何か恥ずかしいことを叫んでいた覚えはある…。
恐怖と気持ちいいのが入り交じって、複雑な感覚と気持ちだった。
ハズキはそう言う行為をしようと、誘って来ているのだ。
僕は…。
「なんで無視するの?一緒に気持ち良くなろうよ…」
…思い出させるな!
恥ずかしかったんだから…。
それに…。
「…昨日みたいに、朝食を作りたくない」
あんな失態は始めてだ。
屋敷の住人の食事を預かるのに、寝坊して、朝も昼も同じメニューだなんて、僕にしたらあり得ないことだ。
もう二度と、同じ失態を繰り返したくない…。
ハズキはしばらく考え、良いことを思い付いたとばかりに提案してくる。
「…それなら、アヤトが居なくても良いように、前日に、おにぎりとかサンドイッチとか、暖めるだけの汁物とかスープを準備して…」
…朝食の準備の時間に、起きれないようにするつもりか?
「弁当、どれだけ作ると思ってるんだ!」
「翌日弁当が無い土曜日の夜に、日曜日の朝の準備して、一緒に朝寝坊しようよ」
「…。」
それは良い提案だと思う僕がいる。
日曜日の朝は、皆遅く起きてくる。
朝食は全員分、準備するが、昼夜は希望者だけなので、自分の食事を作るついでに作っている。
ほとんどが外食するから、いつも自分の分とハズキの分、それと一人か二人分、追加になるくらいだ。
ハズキの部屋に行くのは別として…。
アヤトがそう思っていると、
「決まり!約束だからね!」
ハズキはそう言って食堂を出ていった。
「…。」
ソレって、今週末の事を行っているんだよな…。
アヤトは大きなタメ息を付いた。
僕がハズキさんの部屋に行くのを前提に、勝手に話を決められてしまった…。
ハズキは僕と、どういう関係になりたいんだ?
ハズキのストレス解消の捌け口に、僕と抱き合いたいだけなのか?
それとも…。
僕はどうしたいんだ…?
何となく、そのまま外で話をする気持ちにならなかったからだ。
飛行船の爆発に、カイトさんの知っている人が乗って居なければ良いのに…。
ソレは連合軍へ行ってみないと分からないから、カイトさんも不安なのだろう…。
アヤトは片付けが途中だったのもあり、調理場に入って、片付けを始めた。
「ねぇ、リンゴパイ作って」
ハズキは先ほどの真剣な眼差しを忘れるくらい、能天気に食堂から顔を覗かせ、催促してきた。
昨日、買ったリンゴはカットして煮詰めては有る。
昨日は、身体が重かったので、風呂場の掃除はしたが、それ以上、何もしたくなく、イスに座ってリンゴの皮を黙々と剥いていたのだ。
なので、いつでも作れるように、準備だけはしてある。
「…作るから」
「やった!」
ハズキが、あからさまに嬉しそうに微笑む。
喜んでもらえるなら、それも悪くない…。
アヤトは内心嬉しく思いながら食器を片付けていた。
「それでね、今日の仕事終わったら、僕の部屋においでよ」
「…なんで?」
突然、何を言い出すんだ…?
「一昨日の続きをしよう。今度は優しくするから」
「…。」
一昨日の続きって…。
アヤトは思い出し食器を持ったまま手を止めて、頬を染めて、再び片付けを続ける。
夜中にハズキが眠れないと僕の部屋へやって来て、欲求不満だったのか、押し倒されて、一線を越えてしまった…。
あの時、僕も、最後にはハズキにしがみついて、何か恥ずかしいことを叫んでいた覚えはある…。
恐怖と気持ちいいのが入り交じって、複雑な感覚と気持ちだった。
ハズキはそう言う行為をしようと、誘って来ているのだ。
僕は…。
「なんで無視するの?一緒に気持ち良くなろうよ…」
…思い出させるな!
恥ずかしかったんだから…。
それに…。
「…昨日みたいに、朝食を作りたくない」
あんな失態は始めてだ。
屋敷の住人の食事を預かるのに、寝坊して、朝も昼も同じメニューだなんて、僕にしたらあり得ないことだ。
もう二度と、同じ失態を繰り返したくない…。
ハズキはしばらく考え、良いことを思い付いたとばかりに提案してくる。
「…それなら、アヤトが居なくても良いように、前日に、おにぎりとかサンドイッチとか、暖めるだけの汁物とかスープを準備して…」
…朝食の準備の時間に、起きれないようにするつもりか?
「弁当、どれだけ作ると思ってるんだ!」
「翌日弁当が無い土曜日の夜に、日曜日の朝の準備して、一緒に朝寝坊しようよ」
「…。」
それは良い提案だと思う僕がいる。
日曜日の朝は、皆遅く起きてくる。
朝食は全員分、準備するが、昼夜は希望者だけなので、自分の食事を作るついでに作っている。
ほとんどが外食するから、いつも自分の分とハズキの分、それと一人か二人分、追加になるくらいだ。
ハズキの部屋に行くのは別として…。
アヤトがそう思っていると、
「決まり!約束だからね!」
ハズキはそう言って食堂を出ていった。
「…。」
ソレって、今週末の事を行っているんだよな…。
アヤトは大きなタメ息を付いた。
僕がハズキさんの部屋に行くのを前提に、勝手に話を決められてしまった…。
ハズキは僕と、どういう関係になりたいんだ?
ハズキのストレス解消の捌け口に、僕と抱き合いたいだけなのか?
それとも…。
僕はどうしたいんだ…?
0
お気に入りに追加
22
あなたにおすすめの小説
潜入した僕、専属メイドとしてラブラブセックスしまくる話
ずー子
BL
敵陣にスパイ潜入した美少年がそのままボスに気に入られて女装でラブラブセックスしまくる話です。冒頭とエピローグだけ載せました。
悪のイケオジ×スパイ美少年。魔王×勇者がお好きな方は多分好きだと思います。女装シーン書くのとっても楽しかったです。可愛い男の娘、最強。
本編気になる方はPixivのページをチェックしてみてくださいませ!
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=21381209
陰キャ系腐男子はキラキラ王子様とイケメン幼馴染に溺愛されています!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
まったり書いていきます。
2024.05.14
閲覧ありがとうございます。
午後4時に更新します。
よろしくお願いします。
栞、お気に入り嬉しいです。
いつもありがとうございます。
2024.05.29
閲覧ありがとうございます。
m(_ _)m
明日のおまけで完結します。
反応ありがとうございます。
とても嬉しいです。
明後日より新作が始まります。
良かったら覗いてみてください。
(^O^)
[長編版]異世界転移したら九尾の子狐のパパ認定されました
ミクリ21
BL
長編版では、子狐と主人公加藤 純也(カトウ ジュンヤ)の恋愛をメインにします。(BL)
ショートショート版は、一話読み切りとなっています。(ファンタジー)
国で一番醜い子は竜神の雛でした。僕は幸せになれますか?
竜鳴躍
BL
~本当は美しい竜神の子と亡国の王子の物語~行商人のお兄さん×成人したての竜神。
ダスティは孤児である。鱗のようなものが全身にあり、醜いので引き取り手もなく、教会で下働きをしていた。唯一可愛がってくれた行商人のグランド様をひそかに慕っている。ある日、やっと引き取られた先は見世物小屋で―――――。その時、グランド様が助けに来てくれた。傷を負っても助けてくれた彼を守りたくて、僕は羽化する。
えっちな義弟くんのカラダ共有♡年上二人に溺愛されて夜も眠れません
犯人はエリー
BL
好きな人が一人じゃなきゃいけないって、誰が決めたの?
一ノ瀬凛(いちのせ りん)はお兄ちゃん大好きな大学一年生(19歳)
ある日、出張で他県にいる兄・航(わたる)と身体を重ねた現場を、兄の友人・綾瀬(あやせ)に見られて動画を撮られてしまう。
「け、消して! 動画、消してください!」
「……俺も同じことがしたい」
月に1回、お兄ちゃんと甘くて優しい恋人同士のエッチ。3日に1回、綾瀬さんと乱暴で獣みたいな愛のないセックス。
そこから三人のただれた関係が始まってしまって……!?
★表紙画像はGAHAG様からお借りして加工文字いれしています。https://gahag.net/
★コンテスト規定にひっかかりそうな未成年が性行為を目撃する描写を少し変えました。
★BOOTHの規制などの世の流れを受けて、実兄弟→義理の兄弟に変更します。
★義理兄弟、血のつながりゼロで、一九歳と二六歳で本人同士同意してまぁす!
★11月が終わるまでほぼ毎日更新をします。時間は不定期なので、お気に入りに入れとくとお知らせが来ます。
★寝取られ・寝取らせ・寝取り・僕の方が先に好きだったのに要素があります
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる