1 / 18
*休日*
初めて『夏乃館』に行って、海に行った話。
『夏乃館』1
しおりを挟む
港街にやって来て、『春乃館』で、手伝いをしながら暮らし始めて五日が過ぎた。
『春乃館』は『身体を売ってお金をもらう』お店で、料理や飲み物を運んだり、掃除したり、裏方の仕事を手伝っている。
それが家賃で、住まわせてもらっているからだ。
そして、時々ジンに港街を案内してもらう。
ジンは『春乃館』の年長者で、くすんだ金髪を横で束ねた長髪の青年だ。
今日は濃紺色のシンプル着物に若草色の帯を絞めている。
どんな着物を着ていても似合うのがすごい。
今日は、姉妹店?の『夏乃館』へ寄ってから、海辺の方へ行く予定だ。
『夏乃館』はココとは違って女性ばかりのお店だそうだ。
歩いて5分ほどの処にある店の、裏口から中へ入った。
家の中から華やかな女性の声が聞こえてくる。
『夏乃館』は洋風の内装で、中まで土足で良いみたいだ。
「こんにちは。アサヒ居る?」
ジンが声を掛けると中から、色白の淡いクリーム色の髪をした華奢な女性が出てきた。
「珍しいわね。貴方が訪ねて来るなんて」
「ちょっと、紹介だけしておこうと思って」
そう言って、ジンの後ろに居たリーンを紹介する。
「今、店の裏方を手伝ってもらっているリーン。この店との行き来が有ると思うから、紹介しておこうと、連れて来たんだ」
「裏方なの?」
アサヒはジロジロと上から下まで眺める。
えっ、何か変なの?
ジンは慌て追加の説明する。
「本当は、旅行者で泊める代わりに手伝ってもらつてる。相変わらず人手不足なんだよ」
「リーンです。よろしくお願いします」
そう言って頭を下げると、彼女がお茶に誘ってきた。
「悪い。今から港の方へ行って、遅い食事にするんだ」
「…。」
アサヒは何か思い出したかの様に目をキラキラと輝かせ、口を開く。
「港へ行くなら、動きやすい服に着替えた方が良いわよ」
「…。」
なんだろう。嫌な予感しかない。
「いらっしゃい」
そう言ってリーンの腕を掴み、家の中へ引き入れようとしてくる。
「ジン!」
「着替えさせてもらえ。距離があるから、慣れない着物よりは歩きやすいだろ」
断ってくれないの!
「この子借りてくわね♪」
アサヒは楽しそうにリーンを連れて奥の部屋へと入って行った。
『春乃館』は『身体を売ってお金をもらう』お店で、料理や飲み物を運んだり、掃除したり、裏方の仕事を手伝っている。
それが家賃で、住まわせてもらっているからだ。
そして、時々ジンに港街を案内してもらう。
ジンは『春乃館』の年長者で、くすんだ金髪を横で束ねた長髪の青年だ。
今日は濃紺色のシンプル着物に若草色の帯を絞めている。
どんな着物を着ていても似合うのがすごい。
今日は、姉妹店?の『夏乃館』へ寄ってから、海辺の方へ行く予定だ。
『夏乃館』はココとは違って女性ばかりのお店だそうだ。
歩いて5分ほどの処にある店の、裏口から中へ入った。
家の中から華やかな女性の声が聞こえてくる。
『夏乃館』は洋風の内装で、中まで土足で良いみたいだ。
「こんにちは。アサヒ居る?」
ジンが声を掛けると中から、色白の淡いクリーム色の髪をした華奢な女性が出てきた。
「珍しいわね。貴方が訪ねて来るなんて」
「ちょっと、紹介だけしておこうと思って」
そう言って、ジンの後ろに居たリーンを紹介する。
「今、店の裏方を手伝ってもらっているリーン。この店との行き来が有ると思うから、紹介しておこうと、連れて来たんだ」
「裏方なの?」
アサヒはジロジロと上から下まで眺める。
えっ、何か変なの?
ジンは慌て追加の説明する。
「本当は、旅行者で泊める代わりに手伝ってもらつてる。相変わらず人手不足なんだよ」
「リーンです。よろしくお願いします」
そう言って頭を下げると、彼女がお茶に誘ってきた。
「悪い。今から港の方へ行って、遅い食事にするんだ」
「…。」
アサヒは何か思い出したかの様に目をキラキラと輝かせ、口を開く。
「港へ行くなら、動きやすい服に着替えた方が良いわよ」
「…。」
なんだろう。嫌な予感しかない。
「いらっしゃい」
そう言ってリーンの腕を掴み、家の中へ引き入れようとしてくる。
「ジン!」
「着替えさせてもらえ。距離があるから、慣れない着物よりは歩きやすいだろ」
断ってくれないの!
「この子借りてくわね♪」
アサヒは楽しそうにリーンを連れて奥の部屋へと入って行った。
0
お気に入りに追加
18
あなたにおすすめの小説
結婚して5年、初めて口を利きました
宮野 楓
恋愛
―――出会って、結婚して5年。一度も口を聞いたことがない。
ミリエルと旦那様であるロイスの政略結婚が他と違う点を挙げよ、と言えばこれに尽きるだろう。
その二人が5年の月日を経て邂逅するとき
婚約破棄された公爵令息は、周囲に溺愛される
白鳩 唯斗
BL
卒業パーティーで皇太子ユーリスの婚約者である公爵令息レインは、皇太子の浮気相手を虐めたとして婚約破棄をされてしまう。平然とした様子で婚約破棄を受け入れるも、ユーリスを好きだったレインは涙を流した。
主人公が老若男女問わず好かれるお話を目標にします。貴族間の難しいお話は正直書きたくないです。主人公は優しすぎて多分復讐とか出来ません。
※作者の精神が終了したので主人公が救われる話が書きたいだけです。適当に気分で書きます。いつ更新停止してもおかしくありません。お気に入りあまりしないで欲しいですm(_ _)m 減るとダメージ凄いので······。
(完結)夫の不倫相手に「彼を解放して!」と押しかけられました。
天歌
恋愛
「立場をわきまえずいつまでここに居座るつもり!?早く彼を解放してあげて!」
私が店番をしていると突然店の扉が開き、一人の女性が私の前につかつかとやってきてそう言い放ったのだった。
彼とは…?私の旦那の事かしら。
居座るつもり…?どういう意味でしょうか?
ここは私の店ですけども…?
毎日19時更新予定です。
利己的な聖人候補~とりあえず異世界でワガママさせてもらいます
やまなぎ
ファンタジー
9/11 コミカライズ再スタート!
神様は私を殉教者と認め〝聖人〟にならないかと誘ってきた。
だけど、私はどうしても生きたかった。小幡初子(おばた・はつこ)22歳。
渋々OKした神様の嫌がらせか、なかなかヒドイ目に遭いながらも転生。
でも、そこにいた〝ワタシ〟は6歳児。しかも孤児。そして、そこは魔法のある不思議な世界。
ここで、どうやって生活するの!?
とりあえず村の人は優しいし、祖父の雑貨店が遺されたので何とか居場所は確保できたし、
どうやら、私をリクルートした神様から2つの不思議な力と魔法力も貰ったようだ。
これがあれば生き抜けるかもしれない。
ならば〝やりたい放題でワガママに生きる〟を目標に、新生活始めます!!
ーーーーーー
ちょっとアブナイ従者や人使いの荒い後見人など、多くの出会いを重ねながら、つい人の世話を焼いてしまう〝オバちゃん度〟高めの美少女の物語。
婚約者すらいない私に、離縁状が届いたのですが・・・・・・。
夢草 蝶
恋愛
侯爵家の末姫で、人付き合いが好きではないシェーラは、邸の敷地から出ることなく過ごしていた。
そのため、当然婚約者もいない。
なのにある日、何故かシェーラ宛に離縁状が届く。
差出人の名前に覚えのなかったシェーラは、間違いだろうとその離縁状を燃やしてしまう。
すると後日、見知らぬ男が怒りの形相で邸に押し掛けてきて──?
(番外編) 私のことが嫌いなら、さっさと婚約解消してください。私は、花の種さえもらえれば満足です!
水無月あん
恋愛
「私のことが嫌いなら、さっさと婚約解消してください。私は、花の種さえもらえれば満足です!」の番外編となります。本編読了後でないと、わかりづらいと思われます。
本編で書くことができなかった主人公ライラ以外の視点や、本編以降のことなども、書いていく予定にしています。どうぞ、よろしくお願いします。
本編同様、ゆるっとした設定ですので、お気軽に楽しんでいただければ、幸いです。
石女を理由に離縁されましたが、実家に出戻って幸せになりました
お好み焼き
恋愛
ゼネラル侯爵家に嫁いで三年、私は子が出来ないことを理由に冷遇されていて、とうとう離縁されてしまいました。なのにその後、ゼネラル家に嫁として戻って来いと手紙と書類が届きました。息子は種無しだったと、だから石女として私に叩き付けた離縁状は無効だと。
その他にも色々ありましたが、今となっては心は落ち着いています。私には優しい弟がいて、頼れるお祖父様がいて、可愛い妹もいるのですから。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる