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家族

決意

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 チイさんから緊急の連絡が入った。
 お父様が危篤だと…。
 どういう事?
 ユーリは混乱した。
 お父様が…?
 えっ?!病気?!怪我?!
 ユーリの身体が震え、キリトが暖めるように抱き締めてくれる。
「…リーンが、子供達を呼んで欲しいと連絡してきたの」
 リーンが私達を呼ぶなんて、ソレだけの事が起こっていると言うこと…。
 チイさんは複雑そうな顔をして言う。
 チイさんの心配は、身重の状態で『転移』する事…。
 ユーリの身体と子供にどんな影響が出るかわからないからだ。
「…行くわよ」
 ユーリは決意して言う。
 危篤と言うことは、死に直面していると言うこと…。
 もう会えなくなるかも知れないなんて、信じられない…。
 チイさんもキリトも、複雑そうな顔をしてユーリを見る。
「私、一人でも行くわよ」
「…そう言うだろうと思った」
 キリトはタメ息を付いて言う。
「だが、少し待て」
 そう言われてユーリがキリトの方を向くと、頭を軽く撫でられ微笑まれる。
「『転移』するのにユーリの身体を、魔法で保護させる。それに『転移』の反動で産まれて来るかもしれない」
 ユーリはハッとする。
 自分が身重だと言うことを忘れそうになる…。
 そう、いつ産まれてもおかしくない…。
 それでもキリトは私の想いを優先してくれる。
「だから王都で産むつもりで、王都の手配をする。だから一日だけ待て。…で、大丈夫ですよね」
 キリトはそう言ってチイさんを見る。
「分かったわ、手配をしておく。…明日の朝、役所のヒイロの部屋に来て。そこから『転移』するわ」
 チイさんはそう言って、役所へと戻って行った。
 協力してくれてありがとう。
 直ぐに…明日の朝には『転移』の準備が出来るなんて、きっと私が『王都に行く』と言うことを予想して、段取りしてくれているのだろうけれど…。

 ユーリとキリトは、事の次第を皆に話し、明日からの子供達の事をお願いした。
 明日、王都に行き、多分、そのまま出産になるかもしれない。
 そのため、こちらに帰って来るのが、いつになるのかわからないと言うこと…。
 キリトは時々帰って来ることが出きるが、ユーリは当分、無理かもしれないと、言うこと…。
 キリトは急いで日程の組み合わせを変え、ユーリはアンジェと共に、出掛ける準備をした。
 …お父様…。
 ユーリは不安に刈られながら、王都に向かう準備をした。



 
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