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第十六話 ぐうたら、動揺する

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「ちょっ……ちょっとライナード!」

 ライナードとお風呂に入った僕は、慌てていた。
 なぜならライナードの身体の洗い方がエッチだからだ。
 最初からおかしかったのだ。いつもならスポンジで身体を洗うのに、今日はなぜだか手だった。
 手でボディソープを泡立てて、そのまま僕の身体を撫で回すのだ。手の感触はスポンジと全く違う。温かくてヌルヌルしていていやらしい。僕は恥ずかしいけど気持ち良くて、呼吸が荒々しくなるのを隠せなかった。

「ライ……ナード。そこヤダァ……」

 ライナードが乳首をクリクリ弄るので、僕は半泣きで訴えた。だが、ライナードは薄く笑うだけでやめてくれない。それどころかピンピン指で弾いたり、押し込んだりして僕の快感をあおる。
 もうやだ……。恥ずかしい……。
 僕の性器は硬く勃ち上がり、涙のような先走りをこぼしていた。

「お前メッチャ勃ってんじゃん。乳首好きなんだな」

 言葉であおられて、更に感じてしまった。
 え? 嘘。僕ってマゾっ気があるのかなぁ? 新しい発見をしたよ。などと呑気に考えていたら、ライナードの指先が僕のお尻に移動した。
 ヌルヌル泡だった指で僕のお尻の穴を撫でている。

「指、入れてもいいか?」
「ヤダァ……」
「あ、そう。じゃあ、入れるな」

 やだって言ってるのに完全無視だ。今、聞いた意味あったの? とツッコミそうになったが、今はそれどころではない。ライナードが宣言通り、僕のお尻の穴に指をちょっとだけ突っ込んだのだ。指は穴を広げるようにゆっくり円を描いている。僕は異物感に耐えられず、お尻をギュッと締めた。そんな僕に対して、ライナードがふっと笑った。

「力抜けって」
「無理ぃ……」
「しょうがねーなぁ」

 そんなことを言いながら、ライナードの空いている方の手が、僕の性器を掴んだ。
 いつもお風呂でしてくれるように優しくしごく。

「あっ……あっ……」

 性器を扱かれるのは気持ち良い。僕は夢中になって腰を振った。すると、性器に集中していたのでお尻の力が抜けてしまった。その隙をついて、ライナードの指先がにゅるんと入ってきた。
 指先は何かを探すように僕の中でうごめいている。気持ち悪いような気持ち良いような不思議な感覚が僕を襲った。
 怖くなった僕は『やだー抜いてー』と言いながら、ポロポロ涙をこぼした。だが、ライナードの指がある一点をかすめたとき、あまりの衝撃で涙が引っ込んでしまった。

「ここか……」
「なに!? そこ弄るのやめて!」
「はは。気持ち良いだろぉ? ここ前立腺って言うんだぜ」

 そう言って執拗しつようにそこを押し始めた。

「やぁっ……!」

 僕はお尻の穴をキュンキュン締めて快楽を訴えた。
 そんな僕を、ライナードが楽しそうに見つめている。
 更に、性器を扱くのも忘れない。
 僕は前も後ろもライナードに虐められて、頭がおかしくなってきた。
 舌を突き出し、はっはっと荒い息を吐きながら腰を振る。
 こ、こんなの僕じゃない! と思いつつ、動くのをやめられない。

「ライナード……。や……めて。出ちゃうよぉ……」
「おー出せ出せ。一回イッとけ」

 ライナードのお許しが出たので、僕は更に腰を激しく振った。
 性器もお尻も気持ち良い……。こんな気持ち良いことがこの世にあったなんて……。
 そんなことを考えていたら、頭の中が真っ白になってきた。
 僕は欲望のままに、思いっきり射精した。

 僕の射精が終わると、ライナードはゆっくり僕から身体を離した。
 離した瞬間、たまたまライナードの性器が目についてしまった。
 そこは雄々しく勃ち上がり、少しだけ濡れていた。

「いやぁ、お前めちゃくちゃエロいな。初めてケツ弄ったのに、ヘコヘコ腰振りやがって」
「だ、だって……気持ち良かったんだもん」

 ライナードはニコッと嬉しそうに微笑み、チュッと僕の唇にキスをした。

「そう言うの大歓迎だから安心しろ。――じゃあ、もう一回ケツ弄るからな。俺の指が三本入るまで頑張れ」
「えー無理だよぉ~」
「大丈夫大丈夫。お前ケツ弄られるの大好きみたいだから、すぐ慣れるよ」
「そうかなぁ」

 そうかなぁ。なんて乗り気じゃないフリをしたけど、本当はもっとお尻をいじって欲しかった。だって気持ち良いんだもん。
 ヤル気満々になった僕は、ライナードに向かってお尻を突き出した。
 そんな僕を見て、ライナードは『お前、ノリノリじゃねーか』と言って、ニヤニヤいやらしく笑ったのだった。
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