香り

ミユー

文字の大きさ
上 下
1 / 1

香り

しおりを挟む
アリスは恋愛も海外旅行も習い事をして自分磨きもしてきたOL。
もうすべてやりつくして、やることがなくなってしまった。
毎日仕事をこなし、休日は友人とでかけたり、買い物に行ったりする生活。
たんたんとして、つまらない。
大恋愛してそろそろ結婚したいなーと思っていた。
自分の家庭を持つことにあこがれを抱き始めたのだ。

ある日、買い物にでかけたとき、よい香りがするので、そちらの方向を見たら、香水を売っている店だった。
香りにさそわれるように、店に入った。
店に入ると、さまざまな香水がきれいな瓶に入って売っていて、その香りと見た目で心がうきうきしてきた。
アリスは今まで、香水に興味がなかったが、こんなにうきうきするなら、ひとつ買って行こうと思った。
ひとつすごく気に入った甘酸っぱい香りの香水を買って家路についた。

和真は仕事が忙しくて、まさに心を亡くしている状態だった。
なにかに癒されたいと思っていた。

アリスと和真はお互いひとりで歩いているとき、たまたま街ですれ違った。
和真はアリスのつけている香水にひかれた。
ふわりと漂ってきた香りに心が癒されたのだ。
和真は思い切ってアリスに声をかけた。

「すてきな香りを身にけているんですね」

「そうですか。ありがとうございます」

アリスはびっくりしたのと、うれしかったのと、和真がアリスのタイプの男性だったので、ぽっとしてしまった。
和真はアリスに言った。

「これからお茶でもいきませんか。もしよろしければですけど」

アリスは時間もあったし、お茶くらいならと思ってうなずいた。
ふたりは喫茶店でお茶をして、初めてなのに、ふたりのことをたくさん話した。
和真は始終香ってくるアリスのつけている香水に酔っているようで、アリスもその香りをつけるといつもうきうきした気分になっていたので、よい気分で和真と向き合った。

「ぼく達、話し合いますよね」

「なんか、そうですね」

ふたりはすっかり意気投合して笑いあい、次の店で夕飯をとることにした。
そこでもふたりはずっとお互いのことを話しっぱなしだった。
和真はアリスがいろいろ経験している話しがおもしろく、アリスは和真が仕事に真剣で、がんばっている姿をすごいなと思った。

ふたりはそれから付き合うようになり、しばらくするとしあわせな結婚をした。
香りが奇跡を呼んだ結婚だった。

END

しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

バレンタイン作品集👩一人用、👨一人用、👩👨二人用声劇台本

樹(いつき)@作品使用時は作者名明記必須
恋愛
バレンタイン関連の声劇台本。 5分以内のショートショート作品をこちらにまとめました。 ⚠動画・音声投稿サイトにご使用になる場合⚠ ・使用許可は不要ですが、自作発言や転載はもちろん禁止です。著作権は放棄しておりません。必ず作者名の樹(いつき)を記載して下さい。(何度注意しても作者名の記載が無い場合には台本使用を禁止します) ・語尾変更や方言などの多少のアレンジはokですが、大幅なアレンジや台本の世界観をぶち壊すようなアレンジやエフェクトなどはご遠慮願います。 ※こちらの作品は男女入れ替えNGとなりますのでご注意ください。 その他の詳細は【作品を使用する際の注意点】をご覧下さい

【ショートショート】おやすみ

樹(いつき)@作品使用時は作者名明記必須
恋愛
◆こちらは声劇用台本になりますが普通に読んで頂いても癒される作品になっています。 声劇用だと1分半ほど、黙読だと1分ほどで読みきれる作品です。 ⚠動画・音声投稿サイトにご使用になる場合⚠ ・使用許可は不要ですが、自作発言や転載はもちろん禁止です。著作権は放棄しておりません。必ず作者名の樹(いつき)を記載して下さい。(何度注意しても作者名の記載が無い場合には台本使用を禁止します) ・語尾変更や方言などの多少のアレンジはokですが、大幅なアレンジや台本の世界観をぶち壊すようなアレンジやエフェクトなどはご遠慮願います。 その他の詳細は【作品を使用する際の注意点】をご覧下さい。

【ショートショート】職場シリーズ

樹(いつき)@作品使用時は作者名明記必須
恋愛
某企画用に書いた作品です。 ⚠動画・音声投稿サイトにご使用になる場合⚠ ・使用許可は不要ですが、自作発言や転載はもちろん禁止です。著作権は放棄しておりません。必ず作者名の樹(いつき)を記載して下さい。(何度注意しても作者名の記載が無い場合には台本使用を禁止します) ・語尾変更や方言などの多少のアレンジはokですが、大幅なアレンジや台本の世界観をぶち壊すようなアレンジやエフェクトなどはご遠慮願います。 その他の詳細は【作品を使用する際の注意点】をご覧下さい。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

【ショートショート】雨のおはなし

樹(いつき)@作品使用時は作者名明記必須
青春
◆こちらは声劇、朗読用台本になりますが普通に読んで頂ける作品になっています。 声劇用だと1分半ほど、黙読だと1分ほどで読みきれる作品です。 ⚠動画・音声投稿サイトにご使用になる場合⚠ ・使用許可は不要ですが、自作発言や転載はもちろん禁止です。著作権は放棄しておりません。必ず作者名の樹(いつき)を記載して下さい。(何度注意しても作者名の記載が無い場合には台本使用を禁止します) ・語尾変更や方言などの多少のアレンジはokですが、大幅なアレンジや台本の世界観をぶち壊すようなアレンジやエフェクトなどはご遠慮願います。 その他の詳細は【作品を使用する際の注意点】をご覧下さい。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

疲れる目覚まし時計

にのみや朱乃
恋愛
(性的描写あり) 朝、僕が布団の中でまどろんでいると、姉さんが起こしに来た。 まだ時間が早いから寝ようとする僕を、姉さんが起こそうとする。 その起こし方がとても特殊で……。

処理中です...