私が聖獣様！？

人型は？

あの黒猫のおかげで、聖獣として安定したらしい私は、すぐに人語を喋れました。

次は人型になれるかですね。

“人型にな～れ、人型にな～れ”

う～ん、なんの変化もありませんね...。

そんなすぐに上手くはいかないか...。

人語を喋れるようになっただけでもヨシとしなきゃですよね？




「いおり様、そろそろ屋敷内に戻りましょうか。ここはお昼から陰ってしまいますからね。」

アマリさんの後をついていきますよ。

アマリさんは、ハルバートさんと違って過保護ではないようです。

ハルバートさんなら、すぐ私を抱き上げますからね。




屋敷内に戻ると、ちょうど昼食の時間だったみたいです。

レオナルドさんがダイニングに向かうところでした。

あれっ？レオナルドさん、お仕事ではないんですか？ハルバートさんはお城に出かけましたが、レオナルドさんは行かなくていいんですか？

「いおり様、我が家の庭はどうでしたかな？」

レオナルドさん、あなた、私が人語を喋れなくなってるのを忘れてるんですか？それとも...？

まぁ～、人語を喋れるようになりましたし、答えちゃいますよ。

「庭は、広いんですね。花々はキレイでいい匂いがしましたし、日向ぼっこをしてました。」

「いおり様は、人語を取り戻しましたか...。良かった、良かった。我が家の庭も気に入っていただけたようで、庭師も喜びますな。」

「レオナルド様、奥様達がお待ちだと思いますよ。いおり様はお部屋に戻って、身綺麗にしてからお食事にしましょうね。」

あ～、私、芝生の上でもゴロゴロしたわ...。そのまま屋敷内に入っちゃったけど、良かったのかな？




部屋に戻って、温かいタオルで体を拭いてもらいました。短毛だから、今は拭くだけでOKだよね？

食事は、蒸し野菜・肉に果物です。
お皿にキレイに盛りつけられていました。一つ一つが小さくしてあるので、自分で食べられそうです。

床に小さい丸いラグを敷き、そこが猫の私の食事場所のようです。
水の入った器と食事の乗ったお皿をおいて、「どうぞ、お食べください。」と言われました。

今の私は猫ですし、この食べ方でも全然問題ありません。むしろ、猫生活を楽しむ勢いでいますよ。

ただ食事がキャットフードでなかったのは、嬉しかったです。さすがにキャットフードは遠慮したいかなと思っていましたし。

食事を終えると、また温かいタオルで顔を拭いてくれました。

私、食べ方、下手ですかね？
顔が汚れちゃってました？