私が聖獣様!?

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早速、引っ越しです

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「いおり様、何か要望があればなんでも言ってくださいね。」

大丈夫ですよ。私はそんなわがまま放題しません。要望って言われても、この国に慣れてからじゃないと何も言えないな~。

「いおり様は女の子ですからね。ハリー様など男性陣に話しにくいこともあると思います。ですので、私でも構いませんので話してくださいね。いおり様でしたら、いつでも構いませんわ。聖獣様より優先することはございませんもの。」

「あのっ、一ついいですか?私、今はこんな見た目ですけど、元の世界では19歳なんです。」

「まぁ~、そうなんですの?」

「はい。それで、できれば王妃様には私の友人のように接していただければと...。」

「私が聖獣様の友人?本当にいいんですの?」

「はい。普段はハルバートのように普通に話してもらえたら嬉しいです。公の場では、それは無理なのはわかっていますので。普段は‘いおり’と呼んでください。」

「わかりましたわ。では、私のことは‘リリー’と。今日から私といおりは友人ですね。」

王妃様、可愛いーな。裏表なさそうな人柄だわ。王様はそんな王妃様が愛しくて愛しくてって顔で見てるよ...。ラブラブですね。




ハルバートさんの部屋に戻ってきました。

「いおり様、本当に王妃様とご友人になって良かったのですかな?」

えっ?マズかったですか?

「王妃様はフワフワお姫様に見せてるが、実際は違うからな。しっかり者じゃなかったら、王妃になんてなれないさ。」

え~っ、あのフワフワは見た目だけ!?

「そうだな。でも、いおり様を利用なさる方ではない。純粋に王妃様もご友人が欲しいんだろう。王妃ともなれば人付き合いは色々考えてからになってしまうからな。昔からのご友人といえど、政治が絡むとな...。」

やっぱり、王妃って大変なんですね...。
私も大変な立場みたいですし、王妃様と支え合いながら、いい友人関係が築けるといいんですが...。

「まぁ~、いおりが望んだことだし、悪いようにはならないだろう。」

「それもそうだな。さっ、いおり様、我が屋敷に移動する準備をしましょうか?」

と言われても、私の持ち物なんて何もないんですが...。準備するものも何もありませんよ。

「俺といおりは、カイザーに乗っていけばいいか?」

「それでもいいが、いおり様のお姿はなるべく人目につかないようにした方がいい。」

そうですよね。得体の知れない幼女ですもん。目立たない方がいいですよね?

「猫の姿なら昨日のように布の中に入れて抱っこしてしまえばいいけどな。今のサイズでもいけるか?」

ハルバートさんがそれで可能なら、私はそれで全然構いませんよ。さすがに猫の姿には戻れませんよね?

でも、とりあえず念じてみる?そんな都合の良いこと、起こらないと思うけど。
"猫になーれ、猫の姿に戻れ..."


!!!!!

あれっ?戻れた?

「いおり様、猫の姿になれるのですか?」

いやっ、私にもわかりません。ただ念じてみただけなんですー。

「いおりはすごいなー。」
ハルバートさんが即座に私を抱き上げて、頭をナデナデしてます。

そんな...、すごくないです...。
変身の仕組みがわかりませんよ?

「親父、これで目立たず移動できるぞ。」

「あぁ、そうだな。いおり様は大丈夫ですかな?」

「はい、大丈夫です。あの、マチルダさんにお世話になったので、お礼だけ言っていきたいんですが...。」

「あぁ、大丈夫ですよ。マチルダは我が家の侍女なので、ハルバートが屋敷に戻るならマチルダも戻ります。なので、いつでも会えますよ。このままいおり様付きの侍女になってもいいですね。」

それはありがたいかも...。マチルダさん、いい人ですもん。

「では、屋敷に向かいましょうか。」
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