男子高校生の休み時間

こへへい

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青春バイブレーション

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隆太「映画を見に行ってました。素晴らしかったぞ、俺もあんな青春を送りたかった……」

和樹「まだ間に合うよ? 一体どんな青春を送りたかったのさ」

隆太「部活仲間と技術を磨き合って、ある目標に向かって努力することだよ。そして普段は真剣に部活動に取り組む傍ら、ちょっと抜けたような性格が垣間見えたりするのがまたいい」

和樹「あれだね、ひょうひょうとしているけれど、実は強い系キャラだよね。浦原さんポジション」

隆太「そう! まぁそれだけじゃないけどさ。一年生の頃から頑張って取り組んできたにも関わらず評価されなくて、後輩にも抜かされて、でも最後の最後にメンバー入りした時の……あの報われた感! たまらないだろ!?」

和樹「それは確かに良いシーンだよねぇ、隆太はそのために二年を棒に振るって三年生で報われたいんだ」

隆太「いや、流石に一年から報われたい。『ばかな、あいつまだ一年だぞ!?』とか言われたいよな。まぁ特に極めたようなことはないんだけれど」

和樹「この前言ってた色違い欲しい理由みたいなもんだよね。『特別になりたい』誰かとは違うってやつ」

隆太「そのためにはいっぱい努力しなきゃいけない。けど1人で努力するのは心が折れる。だからこそ、目標を同じくする仲間が欲しい! そういう青春を送りたいのさ!」

和樹「仲間、ねぇ。学校の部活動に限らず、サークル活動って選択肢でもその欲求を満たせるんじゃないの? コミケに出してやろうよ」

隆太「えー、お金かかりそうじゃん。こういうのは学生時代という限られた、そして学生のポケットマネーからは一切負担がかからないようにしたいんだよ」

和樹「虫が良すぎるなぁ、でもそういう青春的な達成感? とか充実感って、一定の苦難があってこそだと思うんだよ」

隆太「苦難か、まぁ確かにあの映画のキャラ達は毎日部活動に必死に励み、自分の良くないポイントと向き合ってそれを改善し、進化を続けてきた結果報われたわけだから、まぁそう言えるのか」

和樹「自分の良くないポイントと向き合う、まさにそれだね。しかも同じ目標を目指して頑張る仲間から指摘されて『うげ、なんだよこいつ偉そうに』とか『あ、今傷つくような言い方になってなかったかな』とか、変なストレスが発生するわけだ。考えるだけで辛くなるねぇ」

隆太「そういうストレスを乗り越えて初めて、あのスクリーンのような青春を謳歌できるのか。はぁ、やっぱり第四の壁を超えるなんて幻想なのか」

和樹「幻想っちゃ幻想かもしれないけれど、そういう心を動かす幻想は、もう幻想って呼んじゃ失礼かもしれないね。僕なら『物語』って呼ぶ」

隆太「なるほど、そうやって人は人に感化されて繋がっていくわけだ。勇気をもらったってことなのかもな。良いことを聞いたよ」

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