男子高校生の休み時間

こへへい

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好きなことのためならば

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和樹「毎日運動しようと昨日の朝ランニングしていたんだけど、今日できなかったんだよね。朝起きるのだるくなっちゃって」

隆太「ランニング? 昨日はどれくらい走ったんだ?」

和樹「20キロくらい」

隆太「え、それは、長くないか?」

和樹「でしょ? 運動するならこれくらいいっぱいしないとなって思ってね。でも今日やるには、ほら、筋肉痛がヤバくってさ」

隆太「俺が思うに、筋肉痛だけが原因とは思えないがな」

和樹「いやいや、筋肉痛だって! めっちゃ痛いんだよ?」

隆太「言い訳にしてない? こういうのって毎日しないとあんまり意味ないぞ?」

和樹「といっても20キロは大変だからさ」

隆太「そうだな、なら、ここは5キロから始めてみたらどうだ?」

和樹「5キロ? なんでだよ目標は高い方が良いでしょ?」

隆太「それは違うな。さっきも言ったように、運動とか勉強は毎日、とまではいかないけど、一定習慣行わないと意味がないんだ。だから毎日できそうな5キロの方がいいんじゃないかってな。まぁ俺は5キロも面倒だけど」

和樹「5キロかぁ、それはなんだかなぁ」

隆太「いいじゃないか5キロ。これでも結構長いぞ? 20キロ走ることができたんなら余裕だって」

和樹「いやまぁそうなんだけど、ポケモンGOのスポットが10キロ先だから往復20キロでやってたんだよね」

隆太「ポケモンGOのためだったのかよ。自転車で移動したらよくね?」

和樹「駐輪するのに適してそうな場所がなくってさ。歩道ど真ん中で置いておいて走るのってダメでしょ」

隆太「なるほどなぁ、なら20キロ頑張ることだな」

和樹「え、でも重いから習慣にしづらくない?」

隆太「20キロ走れる情熱をポケモンGOに持ってるなら、まぁなんとかなるだろ。好きこそものの上手なれ、だ」

和樹「そういう考え方もある、か。もう少し頑張ってみるよ」

隆太「おう、頑張れな」

翌日

和樹「ランニングをやめることにした」

隆太「おいおい、お前の情熱はその程度だったのか? 見損なったぞ」

和樹「最寄り駅の1つ先の駅に行くまでに、もっと良いスポットがあったんだよね」

隆太「情熱が裏目に出やがったか」
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