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早急に一段落
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隆太「いやー、今週の学校も一段落したな、それにしても疲れたよ、帰って早急にゲームしてゲームしてゲームして寝るとしよう」
和樹「そだねぇ……ん? んん?」
隆太「んだよ、ゲームをするのが学生の本分を逸脱しているとか、そういう香川県みたいなこと言わないよな? 実はゲームは学びにも大いに役に立って」
和樹「いや、そんな香川県自治体を敵に回すことなんて言ってないよ。言ったとしてもゲームをしたいお子様の反感を買うだろうし、そういう話題は言わぬが華だから。危険が危ないよ。そうじゃなくて、一段落って言った? 一段落じゃなく?」
隆太「え、言ったよ? あれ一段落だろ? たまに一段落って読み間違いする人いるが、間違いだぞ?」
和樹「ggrっと。本当だ、知らなかった。これは早急に直しておかないと、知らず知らずに恥かいてしまうかもだね」
隆太「だな、もう既に早急って言っちゃってるけどな。早急な」
和樹「これもなの!? ええー、面倒なんだけど、っていうか。『早い』って漢字を『さっ』って読まないでしょ、おかしいよ」
隆太「でもそういう読みなんだから仕方ないだろ?」
和樹「あ、『仕方ない』じゃないよ、それを言うなら『仕方がない』だからね」
隆太「助詞飛ばすなんてよくあることだろ、日本語はそれくらいなら許容してる。でも漢字の読みは絶対的だ。だから俺は『危険が危ない』って言ったのを聞き捨てていないぞ」
和樹「え、僕そんなこと言っちゃってた? マジで? おいおい『危ない』が重複しちゃったよ」
隆太「重複な。お前この会話で日本語間違いどれだけ言えるかチャレンジしてんのか?」
和樹「う、普通に言い間違えてました。……ってか、早急とか重複とか、皆も結構間違えているんだから、そのリテラシーに合わせた言い方にしても良いと思うんだよね。そうやっていちいち言い間違いを指摘されると癪に障ると言いますか」
隆太「癪に障るってのも『癪』と『癇に障る』との混同で……って、これが良くないってのか? でもそんなこと言ったら会話できないだろ、何で間違ってる方に気を遣う必要あるんだよ」
和樹「でもその間違いを、例えば大統領が言ったとして、それを指摘するかい?
隆太「え? んー、まぁ怖いかな。後からどんなしっぺ返しが来るか分からないし」
和樹「そう、日本語の間違いって、そこまで重要じゃないと思うんだよ。言葉って本来人と人との心を通わせるものなんだから。その言葉尻を取って関係がこじれるなんて、本末転倒だし無意味だしね。ボディランゲージとか手話とかアイコンタクトとか、言葉じゃなくても思いを伝えられる手段なんていくらでもあるのにね。面倒な世の中だよ本当に。バベルの塔を壊して言語をバラバラにした神様はマジで戦犯だよ」
隆太「流石、国語のテストで赤点を取った人の言葉は重いぜ、胃もたれするくらい伝わった」
和樹「そだねぇ……ん? んん?」
隆太「んだよ、ゲームをするのが学生の本分を逸脱しているとか、そういう香川県みたいなこと言わないよな? 実はゲームは学びにも大いに役に立って」
和樹「いや、そんな香川県自治体を敵に回すことなんて言ってないよ。言ったとしてもゲームをしたいお子様の反感を買うだろうし、そういう話題は言わぬが華だから。危険が危ないよ。そうじゃなくて、一段落って言った? 一段落じゃなく?」
隆太「え、言ったよ? あれ一段落だろ? たまに一段落って読み間違いする人いるが、間違いだぞ?」
和樹「ggrっと。本当だ、知らなかった。これは早急に直しておかないと、知らず知らずに恥かいてしまうかもだね」
隆太「だな、もう既に早急って言っちゃってるけどな。早急な」
和樹「これもなの!? ええー、面倒なんだけど、っていうか。『早い』って漢字を『さっ』って読まないでしょ、おかしいよ」
隆太「でもそういう読みなんだから仕方ないだろ?」
和樹「あ、『仕方ない』じゃないよ、それを言うなら『仕方がない』だからね」
隆太「助詞飛ばすなんてよくあることだろ、日本語はそれくらいなら許容してる。でも漢字の読みは絶対的だ。だから俺は『危険が危ない』って言ったのを聞き捨てていないぞ」
和樹「え、僕そんなこと言っちゃってた? マジで? おいおい『危ない』が重複しちゃったよ」
隆太「重複な。お前この会話で日本語間違いどれだけ言えるかチャレンジしてんのか?」
和樹「う、普通に言い間違えてました。……ってか、早急とか重複とか、皆も結構間違えているんだから、そのリテラシーに合わせた言い方にしても良いと思うんだよね。そうやっていちいち言い間違いを指摘されると癪に障ると言いますか」
隆太「癪に障るってのも『癪』と『癇に障る』との混同で……って、これが良くないってのか? でもそんなこと言ったら会話できないだろ、何で間違ってる方に気を遣う必要あるんだよ」
和樹「でもその間違いを、例えば大統領が言ったとして、それを指摘するかい?
隆太「え? んー、まぁ怖いかな。後からどんなしっぺ返しが来るか分からないし」
和樹「そう、日本語の間違いって、そこまで重要じゃないと思うんだよ。言葉って本来人と人との心を通わせるものなんだから。その言葉尻を取って関係がこじれるなんて、本末転倒だし無意味だしね。ボディランゲージとか手話とかアイコンタクトとか、言葉じゃなくても思いを伝えられる手段なんていくらでもあるのにね。面倒な世の中だよ本当に。バベルの塔を壊して言語をバラバラにした神様はマジで戦犯だよ」
隆太「流石、国語のテストで赤点を取った人の言葉は重いぜ、胃もたれするくらい伝わった」
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