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おなら人狼
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ぶ。
隆太「おい、誰だよ今屁出したの」
和樹「え? おなら? うわくっさ! 今初めて気づいたよくっさ!」
川澄「おならなんて生理現象なんだから許してやりなよ、誰かは知らないけれど、別に空気中に消えていくんだしいいじゃ~ん」
兵頭「千鶴はそういうの気にしない性格だよな、動物園の匂いにも動じなかったし」
川澄「うち犬飼ってるからね~、臭いのには慣れっこなの」
隆太「そういうんじゃないんですよ、この場、つまり今この学校のオープンキャンパスのイベントで、四人が入らないと使えないこのテントみたいな着ぐるみを着ている状態で誰かが屁をした。そしてこの通り、誰が出したのか秘匿されているですよ。許してやってもいいと言いながらも秘匿している。後ろめたさがあるから、悪気が無くとも悪いと思いつつ謝るのは恥ずかしいと思っているから黙っているに決まっている」
和樹「別に良いんじゃないの? 判明したとして、それがどうなるってのさ」
隆太「このスライムみたいな水色の着ぐるみは、あと20分は入る予定だ。この短々編が『10分で読みやすい』とか謡っているのにだ。その20分の間、このまま臭い匂いを閉じ込めるということなんだ。恥ずかしくも許されると分かったならば、奴は繰り返す。絶対に」
川澄「ん~、確かにそれは、愛犬の獣臭やダーリンの汗なら別だけど、他のおならってなったら、流石に私も生理現象って言っても難しいかも。一度家に帰ってシャワー浴びてから戻ってくることになるかも~」
隆太「一度帰って戻ってきたらオープンキャンパスそのものが終わってるよ。給料予め貰ってるからって一抜けしないで」
兵頭「もう俺ってことでいいだろ、そういうのは面倒だ。それよりもこれ終わったら飯食いに行こうぜ」
隆太「ダメです、先輩がおならやうんこをするわけないじゃないですか。俺が保証します」
和樹「何も保証できてないし、その発言で隆太の人格が結構ダメになってるのが証明ちゃうから。狂人発現は吊るよ?」
隆太「だとしても、先輩の優しさに甘えて身を隠すとは許すまじだ」
兵頭「いや、マジで許すからいいだろ。それに汗臭くて多分おならの匂いなんて気にならないくらい臭いぞ」
川澄「え~、ちゃんと二人ともシーブリーズかけた? じゃないと今ここで一抜けしたいんだけど」
和樹「した!」
隆太「した!」
兵頭「したよ」
川澄「ダーリンはしなくてもいいのに、その匂いが癖になるんだから。ならまぁ大丈夫かな――」
ぶ。
隆太「おい、川澄の方から聞こえた気がしたが、まさか」
川澄「ちょっとー、私じゃないんだけどー、ぷんぷんするよ?」
兵頭「まて落ち着け。俺と千鶴はどちらも着ぐるみの向きからして後ろ側に位置しているが、千鶴からもっと後方に聞こえた気がしたぞ?」
隆太「ん? まさか――」ガバッ!
山本「よ、よ~お前ら、あっついだろ、先生が気を利かせてスポドリを買ってきてやったぞ? だからほら、あんまり喧嘩はすんなよな? な?」
隆太「……皆さん、誰吊ります?」
川澄、兵頭、和樹「「「山本で」」」
山本「おいおい、屁出したと言っても、わざわざドリンク買ってやったんだから帳消しでいいだろ? な?」
隆太「何をいけしゃあしゃあと、それまでの一発で俺達は疑心暗鬼になってんだよ、友情に、もとい先輩に俺への不信感を抱かせたらどうすんだ!」
川澄「そうですよ~、ダーリンに嫌われたら学校行かなくなっちゃいますよ?」
山本「兵頭が愛されてるのはわかったが、それまでの一発って、お前ら何言ってんだ?」
和樹「え、なら――」
最初の一発目は、いったい、誰が?
隆太「おい、誰だよ今屁出したの」
和樹「え? おなら? うわくっさ! 今初めて気づいたよくっさ!」
川澄「おならなんて生理現象なんだから許してやりなよ、誰かは知らないけれど、別に空気中に消えていくんだしいいじゃ~ん」
兵頭「千鶴はそういうの気にしない性格だよな、動物園の匂いにも動じなかったし」
川澄「うち犬飼ってるからね~、臭いのには慣れっこなの」
隆太「そういうんじゃないんですよ、この場、つまり今この学校のオープンキャンパスのイベントで、四人が入らないと使えないこのテントみたいな着ぐるみを着ている状態で誰かが屁をした。そしてこの通り、誰が出したのか秘匿されているですよ。許してやってもいいと言いながらも秘匿している。後ろめたさがあるから、悪気が無くとも悪いと思いつつ謝るのは恥ずかしいと思っているから黙っているに決まっている」
和樹「別に良いんじゃないの? 判明したとして、それがどうなるってのさ」
隆太「このスライムみたいな水色の着ぐるみは、あと20分は入る予定だ。この短々編が『10分で読みやすい』とか謡っているのにだ。その20分の間、このまま臭い匂いを閉じ込めるということなんだ。恥ずかしくも許されると分かったならば、奴は繰り返す。絶対に」
川澄「ん~、確かにそれは、愛犬の獣臭やダーリンの汗なら別だけど、他のおならってなったら、流石に私も生理現象って言っても難しいかも。一度家に帰ってシャワー浴びてから戻ってくることになるかも~」
隆太「一度帰って戻ってきたらオープンキャンパスそのものが終わってるよ。給料予め貰ってるからって一抜けしないで」
兵頭「もう俺ってことでいいだろ、そういうのは面倒だ。それよりもこれ終わったら飯食いに行こうぜ」
隆太「ダメです、先輩がおならやうんこをするわけないじゃないですか。俺が保証します」
和樹「何も保証できてないし、その発言で隆太の人格が結構ダメになってるのが証明ちゃうから。狂人発現は吊るよ?」
隆太「だとしても、先輩の優しさに甘えて身を隠すとは許すまじだ」
兵頭「いや、マジで許すからいいだろ。それに汗臭くて多分おならの匂いなんて気にならないくらい臭いぞ」
川澄「え~、ちゃんと二人ともシーブリーズかけた? じゃないと今ここで一抜けしたいんだけど」
和樹「した!」
隆太「した!」
兵頭「したよ」
川澄「ダーリンはしなくてもいいのに、その匂いが癖になるんだから。ならまぁ大丈夫かな――」
ぶ。
隆太「おい、川澄の方から聞こえた気がしたが、まさか」
川澄「ちょっとー、私じゃないんだけどー、ぷんぷんするよ?」
兵頭「まて落ち着け。俺と千鶴はどちらも着ぐるみの向きからして後ろ側に位置しているが、千鶴からもっと後方に聞こえた気がしたぞ?」
隆太「ん? まさか――」ガバッ!
山本「よ、よ~お前ら、あっついだろ、先生が気を利かせてスポドリを買ってきてやったぞ? だからほら、あんまり喧嘩はすんなよな? な?」
隆太「……皆さん、誰吊ります?」
川澄、兵頭、和樹「「「山本で」」」
山本「おいおい、屁出したと言っても、わざわざドリンク買ってやったんだから帳消しでいいだろ? な?」
隆太「何をいけしゃあしゃあと、それまでの一発で俺達は疑心暗鬼になってんだよ、友情に、もとい先輩に俺への不信感を抱かせたらどうすんだ!」
川澄「そうですよ~、ダーリンに嫌われたら学校行かなくなっちゃいますよ?」
山本「兵頭が愛されてるのはわかったが、それまでの一発って、お前ら何言ってんだ?」
和樹「え、なら――」
最初の一発目は、いったい、誰が?
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