42 / 60
ウノカフェ
しおりを挟む
隆太「バイトってかったるいよな、なんつーか、刺激が足りないんだよな」
和樹「バイトやってたの? どこどこ?」
隆太「もう辞めたけどな。ファミレスだよ。ずっと料理運んでたんだけど、愛嬌や配膳の正確性、どちらもあの猫の方が上だった」
和樹「ガストじゃん」
隆太「カフェあったなー、バイトしてみっかーって思ったけど、単調なことばかりでさ。カードゲームに興じてる神様に料理出した時、理不尽に怒鳴られたのは一番クソな思い出だが、でもファミレスそのものは悪くなかったよ」
和樹「休憩時間のマカナイってお得感あるもんね」
隆太「マカナイ目当てじゃなねぇ。それに俺が悪くないって思ったのは、俺が頑張って料理を配膳してる裏でタバコ吸ってふんぞり返ってる奴。俺もいつかあーやって人をこき使いたいって思ったもんだ」
和樹「その店長に、ロボにできてお前にはできないのか、とか言われたんだね。そのせいで将来ある若者が歪んでしまうのは忍びないよ」
隆太「憐れむなもっと歪むぞ。この経験は俺の信念を確かに歪ませたけれど、だがお陰でファミレスというか、飲食店の新たなる形態を見出すことができた。俺はこれで企業し天下を取ろうと思う」
和樹「え、何々? カードゲームカフェでも作るってこと? それもうあるけど?」
隆太「おいおい、そんなところと一緒にされては困るな。そんなコミュ障お断りの、友達を作れる仮初の希望を謳い、結局デッキを携えてコーヒーを飲んで終わってしまう非有意義な空間と一緒にされては困る」
和樹「がっつりリサーチしてがっつり心砕かれてんじゃん、しかもこの先にも話続きそうだし。聞いてらんないんだけど」
隆太「俺が考え出した飲食店の新たなる形態、それは、ウノカフェだ」
和樹「う、うのかふぇ? ちょっと追いつけない」
隆太「ウノだよウノ。あのトランプとは違って少し高額なアレだよ」
和樹「あー、ウノね。でもそれカードゲームじゃない? カードゲームカフェになってコミュ障を排斥し、友達を作れるって謳わない?」
隆太「よくぞ聞いてくれた。俺が考案したウノカフェは1人でも楽しめる。いや、1人だからこそ楽しめる」
和樹「1人、だからこそ?」
隆太「飲食店で働いていた時に偽神が遊んでいたゲームこそがウノで、あいつら、会計を誰にさせるかをウノで決めていたんだ」
和樹「偽神て……でもまさかそれを見せのルールにしようって? って、それじゃ1人ではできないのか。それじゃどうやってウノを1人で楽しませるってのさ」
隆太「まず食事するだろ? そしてレジ行くだろ? ここからがウノカフェの真骨頂だ」
和樹「そこなの? レジでウノって、嫌な予感が」
隆太「レジにはウノのデッキが用意してあり、それを引くことで会計の形が変わる。
数字カードなら会計時にその数字を料理の値段に掛け算し、
スキップなら次の人に会計を任せることができ、
リバースなら逆に注文した値段の商品券を受け渡すって寸法さ。
ドロー系は複数枚引いた中から好きなカードを会計に適用することができる。
その分料理の値段は大幅に安くなっているのがミソだ。大盛パフェを150円でと表示すれば客も来る。料理なんて、それこそバイトを雇えばどうとでもなるさ。 完璧な作戦だろ?」
和樹「賭博罪に該当しそうなこと考えるなぁ、それに飲食店で稼ぐってのがそもそもギャンブルだって聞くし、弁護士とかに賭博じゃないから大丈夫だよって言われて始めたとして、スキップで被害受けた人がめちゃうるさそう。現にそのお客の罵倒が一番きつかったとか言ってなかったっけ?」
隆太「あー、んー、うわー、やめるかー」
和樹「そのトラウマ、社会人になるまでに克服できるといいね」
和樹「バイトやってたの? どこどこ?」
隆太「もう辞めたけどな。ファミレスだよ。ずっと料理運んでたんだけど、愛嬌や配膳の正確性、どちらもあの猫の方が上だった」
和樹「ガストじゃん」
隆太「カフェあったなー、バイトしてみっかーって思ったけど、単調なことばかりでさ。カードゲームに興じてる神様に料理出した時、理不尽に怒鳴られたのは一番クソな思い出だが、でもファミレスそのものは悪くなかったよ」
和樹「休憩時間のマカナイってお得感あるもんね」
隆太「マカナイ目当てじゃなねぇ。それに俺が悪くないって思ったのは、俺が頑張って料理を配膳してる裏でタバコ吸ってふんぞり返ってる奴。俺もいつかあーやって人をこき使いたいって思ったもんだ」
和樹「その店長に、ロボにできてお前にはできないのか、とか言われたんだね。そのせいで将来ある若者が歪んでしまうのは忍びないよ」
隆太「憐れむなもっと歪むぞ。この経験は俺の信念を確かに歪ませたけれど、だがお陰でファミレスというか、飲食店の新たなる形態を見出すことができた。俺はこれで企業し天下を取ろうと思う」
和樹「え、何々? カードゲームカフェでも作るってこと? それもうあるけど?」
隆太「おいおい、そんなところと一緒にされては困るな。そんなコミュ障お断りの、友達を作れる仮初の希望を謳い、結局デッキを携えてコーヒーを飲んで終わってしまう非有意義な空間と一緒にされては困る」
和樹「がっつりリサーチしてがっつり心砕かれてんじゃん、しかもこの先にも話続きそうだし。聞いてらんないんだけど」
隆太「俺が考え出した飲食店の新たなる形態、それは、ウノカフェだ」
和樹「う、うのかふぇ? ちょっと追いつけない」
隆太「ウノだよウノ。あのトランプとは違って少し高額なアレだよ」
和樹「あー、ウノね。でもそれカードゲームじゃない? カードゲームカフェになってコミュ障を排斥し、友達を作れるって謳わない?」
隆太「よくぞ聞いてくれた。俺が考案したウノカフェは1人でも楽しめる。いや、1人だからこそ楽しめる」
和樹「1人、だからこそ?」
隆太「飲食店で働いていた時に偽神が遊んでいたゲームこそがウノで、あいつら、会計を誰にさせるかをウノで決めていたんだ」
和樹「偽神て……でもまさかそれを見せのルールにしようって? って、それじゃ1人ではできないのか。それじゃどうやってウノを1人で楽しませるってのさ」
隆太「まず食事するだろ? そしてレジ行くだろ? ここからがウノカフェの真骨頂だ」
和樹「そこなの? レジでウノって、嫌な予感が」
隆太「レジにはウノのデッキが用意してあり、それを引くことで会計の形が変わる。
数字カードなら会計時にその数字を料理の値段に掛け算し、
スキップなら次の人に会計を任せることができ、
リバースなら逆に注文した値段の商品券を受け渡すって寸法さ。
ドロー系は複数枚引いた中から好きなカードを会計に適用することができる。
その分料理の値段は大幅に安くなっているのがミソだ。大盛パフェを150円でと表示すれば客も来る。料理なんて、それこそバイトを雇えばどうとでもなるさ。 完璧な作戦だろ?」
和樹「賭博罪に該当しそうなこと考えるなぁ、それに飲食店で稼ぐってのがそもそもギャンブルだって聞くし、弁護士とかに賭博じゃないから大丈夫だよって言われて始めたとして、スキップで被害受けた人がめちゃうるさそう。現にそのお客の罵倒が一番きつかったとか言ってなかったっけ?」
隆太「あー、んー、うわー、やめるかー」
和樹「そのトラウマ、社会人になるまでに克服できるといいね」
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
三姉妹の姉達は、弟の俺に甘すぎる!
佐々木雄太
青春
四月——
新たに高校生になった有村敦也。
二つ隣町の高校に通う事になったのだが、
そこでは、予想外の出来事が起こった。
本来、いるはずのない同じ歳の三人の姉が、同じ教室にいた。
長女・唯【ゆい】
次女・里菜【りな】
三女・咲弥【さや】
この三人の姉に甘やかされる敦也にとって、
高校デビューするはずだった、初日。
敦也の高校三年間は、地獄の運命へと導かれるのであった。
カクヨム・小説家になろうでも好評連載中!
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
不撓導舟の独善
縞田
青春
志操学園高等学校――生徒会。その生徒会は様々な役割を担っている。学校行事の運営、部活の手伝い、生徒の悩み相談まで、多岐にわたる。
現生徒会長の不撓導舟はあることに悩まされていた。
その悩みとは、生徒会役員が一向に増えないこと。
放課後の生徒会室で、頼まれた仕事をしている不撓のもとに、一人の女子生徒が現れる。
学校からの頼み事、生徒たちの悩み相談を解決していくラブコメです。
『なろう』にも掲載。
体育座りでスカートを汚してしまったあの日々
yoshieeesan
現代文学
学生時代にやたらとさせられた体育座りですが、女性からすると服が汚れた嫌な思い出が多いです。そういった短編小説を書いていきます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる