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素直に楽しめない
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和樹「動物園に行ってきたんだけど、なんだろうね、あんまり楽しくなかった」
隆太「珍しいな、動物ってか、生き物大好きなお前が、動物園を楽しむことができなかったなんて。かつては大雨の中傘をささずに、寄生虫に寄生された蝸牛を観察していたお前が」
和樹「ああ、確かにそんなときもあったね、若かったよ。昨日動物園に行って、動物園に遊びに行くのと、野生の生き物をウォッチングするのとでは、楽しむ要素が違うってことがよくわかった」
隆太「ふむ、なら聞かせてもらおうか、一体何が違うって言うんだ?」
和樹「集団の中で1人になっているのと、ただ1人になっているということかな。この差はとても大きい。大雨の中傘をささずにカタツムリを観察していた時は、周りに誰もいなかったんだ。だから心置きなく楽しむことができた。しかし、動物園にいる時は、僕は集団の中で1人だったってことなんだよ」
隆太「なるほどな、つまりリア充爆発しろってことだな」
和樹「当たらずとも遠からずなのが嫌だね。でも本当にそんな感じなんだ。周りは知り合い同士で楽しみを分かち合っているってのに、僕は1人で一体何をしているんだろうって、素直に楽しめなくなってしまったんだよ」
隆太「周りがそんな空気だと、嫌でも比べてしまうもんなぁ、しかも動物園っていえば『あー、オグロプレーリードッグかわいい~(って言ってる私かわいい~)』ってのが多くて嫌になるし、そんな奴に鼻の下伸ばしてる男を見るのも気持ち悪くて嫌だし、何が一番嫌だっていえば、そんな男でも彼女がいるのに俺にはいない事実を無理やり突きつけられているってことだ」
和樹「卑屈の極みだね、でもまぁ、他者との比較ってところでは似てるかな。1人で楽しんでいるのは良いんだけど、否が応でも周りの目を気にしてしまって、1人ではしゃいでる自分の存在が嫌になるんだ。あー、なんかガキくさく楽しんでるなーってさ」
隆太「そんなお前には朗報だ。新江の島水族館ってのが、おひとりさま水族館というのを開催しているようだ。周囲のゴミカスリア充共を視界に入れる必要もなく、自由気ままに、マイペースに楽しむことができるぞ。さぁ、年間パスを買いに行こう」
和樹「嫌だよ、絶対隆太リピートしてるじゃん、違う意味で楽しめないよ」
隆太「珍しいな、動物ってか、生き物大好きなお前が、動物園を楽しむことができなかったなんて。かつては大雨の中傘をささずに、寄生虫に寄生された蝸牛を観察していたお前が」
和樹「ああ、確かにそんなときもあったね、若かったよ。昨日動物園に行って、動物園に遊びに行くのと、野生の生き物をウォッチングするのとでは、楽しむ要素が違うってことがよくわかった」
隆太「ふむ、なら聞かせてもらおうか、一体何が違うって言うんだ?」
和樹「集団の中で1人になっているのと、ただ1人になっているということかな。この差はとても大きい。大雨の中傘をささずにカタツムリを観察していた時は、周りに誰もいなかったんだ。だから心置きなく楽しむことができた。しかし、動物園にいる時は、僕は集団の中で1人だったってことなんだよ」
隆太「なるほどな、つまりリア充爆発しろってことだな」
和樹「当たらずとも遠からずなのが嫌だね。でも本当にそんな感じなんだ。周りは知り合い同士で楽しみを分かち合っているってのに、僕は1人で一体何をしているんだろうって、素直に楽しめなくなってしまったんだよ」
隆太「周りがそんな空気だと、嫌でも比べてしまうもんなぁ、しかも動物園っていえば『あー、オグロプレーリードッグかわいい~(って言ってる私かわいい~)』ってのが多くて嫌になるし、そんな奴に鼻の下伸ばしてる男を見るのも気持ち悪くて嫌だし、何が一番嫌だっていえば、そんな男でも彼女がいるのに俺にはいない事実を無理やり突きつけられているってことだ」
和樹「卑屈の極みだね、でもまぁ、他者との比較ってところでは似てるかな。1人で楽しんでいるのは良いんだけど、否が応でも周りの目を気にしてしまって、1人ではしゃいでる自分の存在が嫌になるんだ。あー、なんかガキくさく楽しんでるなーってさ」
隆太「そんなお前には朗報だ。新江の島水族館ってのが、おひとりさま水族館というのを開催しているようだ。周囲のゴミカスリア充共を視界に入れる必要もなく、自由気ままに、マイペースに楽しむことができるぞ。さぁ、年間パスを買いに行こう」
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