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第5章

1250話 ヒナタ-2

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「ご主人しゃまー! もっとギュッてしてー!!」

「……ああ」

 俺はヒナタの体を抱きしめる。
 すると……。

「ふにゃぁあああ……!」

 ヒナタが脱力した。

「お、おい? ヒナタ?」

「ご主人しゃまの匂いは……しゅごいぃいい……」

 彼女はそう言って、気を失ってしまった。
 え……?
 俺、何もしていないぞ!?
 ただ抱きしめただけなのに……。

「やり過ぎたな、エウロス子爵殿」

「……ナディア?」

 新たに声を掛けてきたのは、女騎士のナディア・エルカインドだ。
 彼女は王都にある近衛騎士団の団員であり、『悠久の風』で最も新入りのメンバーでもある。
 この開拓事業を成功させるため、ウルゴ陛下経由で近衛騎士団からエウロス子爵家に貸し与えられているような形の人材だな。
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