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第5章

1234話 リリアナへの敵意-7

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「ふんっ! 怒るだと? それがどうした! 貴様の怒りなど、怖くも何ともない!!」

 リリアナがなおもツンデレを発揮する。
 マズイな……。
 2人きりのときなら、このツンデレ具合も可愛いと思える。
 夜の運動会とのギャップが最高だ。

 シルヴィやグレイスの前でのツンデレ発揮も、一応は許容範囲だ。
 一悶着は生じても、最後は俺の言葉で止まってくれるのが彼女たちだからな。
 しかし、ここは開拓地のど真ん中。
 領民たちの目がある。

「おい、リリアナ……。いい加減に……」

 俺は彼女の肩に手を伸ばす。
 こうなれば、実力行使だ。
 暴力を振るうつもりはないが、物理的に口を塞ぐくらいならば……。

「私に触るなっ!」

「いてっ!?」

 リリアナが手を強く振り払う。
 彼女の爪が、俺の手の甲をわずかに切った。
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